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2005/10/16

イラクについて、知っていましたか?

 
イラクについて、いくつかの事実。一般的なことですが、整理として。

イラクについて、知っていましたか?
スタン・コックス
2005年10月13日
CounterPunch原文

イラクには5つの警察学校があって、8週間ごとに3500人以上の警察官を新たに送り出していることを知っていましたか? もしあなたが、インターネット上に増殖する「知っていましたか?」メールを受け取っている何百万人もの人々の一人ならば、その「事実」を「知っている」でしょう。イラクについてそれ以外の----たとえば「イラクでは119万2000人が携帯電話を使っていることを知っていましたか?」といった驚くべき----さまざまな良いニュースとともに。

カウンターパンチの場でそうしたニュースの全リストを繰り返すことはしないことにします。すでに沢山あるのですから。けれども、いったいこうしたリストはどこから来たのでしょうか。

snopes.comのような都市伝説を追求するサイトは、こうしたメールを2003年半ばまでたどっています。ブッシュ大統領がイラクで「主要な戦闘作戦」は終了したと宣言してから間もない時期です。snopes.comは、「最も早い前例は、2003年10月9日、駐イラク米国大統領特使L・ポール・ブレマーが行なった連合国暫定統治当局のブリーフィングのようである」と書いています。

けれども「知っていましたか?」メール自体には、そこにかかれている事実を示すリンクも情報源もありません。snopes.comが指摘するように、こうしたリストが「どれだけ本当か」を確認するのは不可能です。「というのも、これらには、事実と意見、主観的声明、不正確なもの、文字通りには本当だけれど誤解を招く主張などがごちゃまぜになっている」からです。

皆さんもすでにご存じのように----カウンターパンチを読んでいるのですから----、受信ボックスの向こう側を覗けば、イラクの状況に関してきちんとした根拠のある事実はたくさんあります。不幸にして、そうした事実のほとんどは、暗澹たるものです。

目隠しして一例を取りだしてくると、10月9日のUSAトゥデイ紙は、リック・ジャーヴィスによる「イラク再建は、米国資金が底をついてきているため遅れている」という見出しの記事を掲載しています。この記事(急進的平和主義者のプロパガンダを掲載することで知られているわけではない新聞に掲載されたものです)一つに掲載された情報からだけでも、お手製の「知っていましたか?」メールを編集して友人や敵に送ることができます:

イラク人家族の半分が、未だにきれいな水にアクセスできないことを知っていましたか?

バグダードを除けば、イラク人家族のうち下水施設につながっているのは8%だけだということを知っていましたか?

再建の一部として計画されていた上下水処理プロジェクト81個のうち、68は放棄されたことを知っていましたか?

バグダードでは一日14時間停電していることを知っていましたか?

再建の契約を受けた職員330人----そのほとんどはイラク人----が殺されたことを知っていましたか?

再建に割り当てられた予算の4分の1が、再建ではなく「治安」に使われていることを知っていましたか?

イラクの石油生産が2003年の戦争以前より低く、1991年の湾岸戦争前と比べると46%も低いことを知っていましたか?

米国納税者の金を使ったイラク再建資金の1億ドル近くがどのようになっているかわからないことを知っていましたか?[しかもこの数値は低すぎるのです。別の諸推定によると、行方のわからない資金は10億ドルから88億ドルとなっています]。

イラクの失業率/不完全就業率が50%に上ることを知っていましたか?

イラク計画契約局を介して作業している多国籍企業11社はすべて「コスト=プラス」契約を結んでおり、どれだけ高くなってもあらゆる費用の支払いを保証された上に利潤も保証されていることを知っていましたか?

「コスト=プラス」契約のもとで建設されているある浄水工場の建設費用が8000万ドルから2億ドルに増え、その差額分は契約企業ではなく納税者が払っていることを知っていましたか?

***

アメリカ人に解決できない状況があるなどと信じたがらないアメリカ人が多いのは理解できます。けれどもイラクで、私たちはまさにそうした出口なしの状況を作り出しました。イラク占領に金を提供している私たちにイラクの崩壊という事実を突きつけなくてはなりません----私たちの意図の善悪にかかわらず、米軍部隊が一つでもイラクでパトロールを続け、米国企業が一つでもイラクで利益をあげるかぎり、この崩壊は続いていきます。

きちんとした事実を見つけ、情報源を特定し、メッセージを編集して、「送信」ボタンを押し始めることにしましょう。

スタン・コックスはカンサス州サリーナ在住の植物品種改良家で著述家。メールはt.stan(atmarkhere)cox.net。

翻訳:益岡