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2006/10/01

破壊され、非=人間化されたイラク駐留米軍

イラク駐留米軍の状態について、『ファルージャ2004年4月』執筆者の一人、ダール・ジャマイルが報ずる。

破壊され、非=人間化されたイラク駐留米軍
ダール・ジャマイル
2006年9月28日
ZNet原文

米国を「指導」している常軌を逸した臆病者のタカ派が、何の挑発もされていないのにさらなる侵略戦争を、この度はイランに対してしかけようとし続けている中、イラクに駐留している、すでに伸びきったゴムのようになった米軍の残りカスは、血を流し続けている。

状況があまりに危機的になって企業メディアさえそれを報じざるを得なくなっていることから、事態がいかに悪いかわかるだろう。先週NBC夜のニュースで、退役したバリー・マッカフリー将軍は、米軍の現在の状況について、「異論はあるかも知れないが、米軍の準備状況は、ベトナム戦争終結時以来、最悪である」と語っている。兵士の多くがすでに三度目の戦闘派兵で派遣されており、頻繁に派兵されるために米国での訓練時間は半分にヘリ、軍戦闘部隊の3分の2は戦闘準備が整っていない状態と評価されていることを考えると、そう驚くことでもない。

州兵の6割がすでに海外戦闘の制限に達しているという事実も、チェイニー政権の戦争欲を抑えることになるとは考えにくい。おそらく、政府は、ラミーにペンタゴンの政策を変更させ、州兵の戦闘派兵は5年のうち2年に限るという現在の制限を撤廃させるのだろう。

州兵のステファン・ブラム中尉はすでにこの変更を予期しているようで、NBCに「州兵が現在忙しいと考えるかも知れないが、3年後には、現在を振り返って、ああ古き良き日々だったと思うことになるのではないか」と述べている。マッカフリー将軍は、これに対して、「軍とりわけ州兵と予備兵への要求はこれから、契約に署名した内容以上のものに及ぶだろう。そして、近々、これが実行されるのではないかと思う」。

「近々」というのは、どうやらマッカフリーの発言から72時間のことを指していたらしい。月曜日、米軍は、イラク占領により体制が手薄になっているため、何千人もの兵士について、当初約束の派兵期間12カ月を延長すると発表した。

8月(つまり先月)以来、派兵延長がなされたのは2度目である。派兵期間が延長された第一旅団装甲師団は、まさに米軍が統制をかなり前から失っているアンバル州に駐留していた。この決定により駐留延長となった兵士は3500人から4000人である。

この決定に対し、国防アナリストのローレン・トンプソンは記者たちに、「軍はイラクでもうぎりぎりのところまで来ている。現在のレベルを保つのに十分な現役兵はもういない」。

現在、イラクには14万2000人の米軍兵士がいる。先週、イラクの米軍最高司令官ジョン・アビザイド将軍は、来年春に向けて、軍はイラクにおける現在の規模を維持し、もしかすると増強するかも知れないと語った。

イラクの現地にいる米軍兵士たちの目に、事態はどのように映っているのだろう? ここに、息子がラマディに駐留している米軍兵士の母から私が先週受け取ったばかりのメールがある。

息子は、自分がやらされていることに耐えられない状況です。おそらく、恐怖にかられたり混乱に陥ったため、そして瞬時に決断しなくてはならない状況で、罪のない民間人を殺してきたでしょう。息子はそれを強く意識しており、私は直接、それがもたらす結果を目にしています。息子の手には、たぶん、罪のない人々の血がこびりついているでしょう。罪のない人々を殺すことは、実質上避けがたいのです。彼はアンバル州にいます。メディア関係者の中で、あなたは、私のメールに返事をくれたただ一人の人です。他のニュース関係者にもメールを送って、アンバル州のニュースがこんなに少ないのはどうしてか訊ねたのですが、返事はもらえませんでした。理由は、米軍がアンバル州で統制を失い、そのことをアメリカの人々には隠しているからではないかと思っています。息子は先週ラマディから私に電話をしてきて、戦争は負けで、でも再び行動を起こし、達成もできなければ不正でもある目的のために命令されたことを遂行して命を危険にさらさなくてはならないと言いました。私は、あなたのウェブサイトをはじめ色々なウェブサイトを読み続け、春に息子が無事で帰国することを祈っています。

彼女の苦しみ、息子の精神状態について述べていること、彼女の息子が語ったラマディの状況は、悲劇的ではあるが、驚きではない。この記事を書いている時点で、イラクでは2703人以上の米軍兵士が殺されており、その10倍以上の兵士が負傷している。今月(9月)イラクで殺された米兵の数は61人を超える。一日平均して2・5人が殺される今月は、この記事を書いている時点[28日]ですでに今年3番目に占領米軍の死者が多い月となっている。

復員軍人保健庁が先週発表した別のニュースによると、イラクとアフガニスタンから復員し医療措置を求めている兵士の3分の1以上がストレスをはじめとする精神的障害を訴えているという。この18カ月だけを見ても、10倍の増加である。これら症状が急増しているのは、ますます多くの兵士たちが、イラクとアフガニスタンに繰り返し派遣されているという事実によるものである。

もちろん、復員軍人庁(VA)が診療を求める人々の増加に対応できないという復員軍人たちのグループの主張により、さらに問題は複雑なものになっている。医者の診療を受けるために予約してから長い間待たなくてはならず(ときには6カ月以上も待たなくてはならない)、VAではスタッフは不足し、医療センターでは機器も不足している。

自分の息子についての上記のメールを私に送った女性は、もう一つのメールを公開することも許可してくれた。そのメールは、イラク駐留米軍が抱える過度の緊張と繰り返し派兵されることが、彼女の息子にどのような影響を与えたかをはっきりと示している。

ありがたいことに、私は息子と連絡を付けることができ、息子は毎日、イラクで起きている残虐行為について書いてきます。それらすべてにうち勝ちたいとも。彼の士気は低く、彼の部隊の中尉は必要なペースを保てない状態です。メールをあなたにお見せしたいのですが、恐ろしくて躊躇します。それらが明るみに出たときに起きることを考えると恐ろしいのです。息子とのやりとりを危険にさらすことは何もしたくありません。私が読んだり、兵士たちと接触して得た印象では、イラクの人々は一般に善良な人々だというものです。アメリカによるイラク占領は、平均的なイラク人にとって状況をはるかに悪いものにしているだけのように見えます。イラクは希望のない国になってしまったとの印象を受けます。何をしても、どんなかたちであれ安定した政府を持てない状況のようです。息子から、私は、ラマディが陥っている完全な混乱状態を察することができます。希望がない状況です。母親として、私は、家に戻るために、息子ができる限りのことをして欲しいと思っています。そして、私は考えをごまかすことはしません。息子は、あらゆるものを殺して、家に帰るべきだと思います。もちろん、罪のない民間人を殺すべきではありませんが、どうしてそれがわかるでしょう? 罪のないのは誰で、脅威となっているのは誰か、どうして区別できるでしょうか?

ですから、彼は、町をデイジー・カッターで破壊することが唯一の選択しだと感じています。もちろんそうすることにはならないでしょうし、彼ははぐらかしているのです。けれども、それは現地でどれだけ状態が悪いかを示しています・・・・・・海兵隊とゲリラの戦いは終わりそうもありません。ゲリラ(それが誰であれ)が使っている爆弾は恐ろしいものです・・・・・・地面におかれた金属板。海兵隊がそれを踏むと、回路がつながって、爆破されるのです。息子は裏通りで任務についていて、機関銃を抱えて背中を痛めています。彼はまだ若く細身で、身につけている装具が健康に害を及ぼしているのです。すでに、彼のメールで苦しみを聞き、士気が低く、まったく絶望的だと聞きましたが、それにもかかわらず彼は派遣されたばかりなのです(三度目の派遣で、これで最後であって欲しいのですが)。

アメリカは偉大な国家で、多くの人にとって慈悲深く、私の祖国でもあります。今起きていること、そして海兵隊員として息子がやらされていることには嫌気がさしています。ついに、私たちは帝国へと変身してしまいました。さらに多くの死と大きな破壊をもたらすだけの無用な戦争を戦うために息子が外国で死ぬならば、私は悲嘆にくれるでしょう。

イラク占領が長引けば長引くほど、さらなる死者と破壊という二つのことが見込まれる。また、すでに壊れ、血を流す軍のストレスは毎日高まり、派兵されている兵士を心配する家族の神経と心も、毎日ますますストレスを増していくだろう。

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投稿者:益岡