ファルージャにおける米国の残虐行為とその隠蔽をめぐるオープンレター
ケビン・ジーズ
デモクラシー・ライジング
2005年4月14日
Uruknet原文
「ファルージャにおける米国の残虐行為とその隠蔽をめぐる公開状」は、米軍がファルージャで民間人を標的としたこと、改良型ナパームを含む禁止された化学兵器をはじめとする兵器と用いたこと、そして米国国防省がそれらの行為を隠蔽しようとしたことについて、広範になされている主張をめぐり、米国国防長官の返答を求めるものである。
2005年4月14日
ドナルド・H・ラムズフェルド様
米国国防省
1000 ディフェンス・ペンタゴン
ワシントンDC 20 301-1000
ファルージャにおける米軍の残虐行為に関する重大かつ信頼できる主張について
ラムズフェルド長官:
私は、ファルージャにおける米軍の行為に関する重大な主張をめぐって、このオープンレターを書いています。こうした主張には、民間人の意図的な殺害、化学兵器や毒ガスそして改良型ナパームなどの禁止された兵器の使用、そしてこれらの行為を隠蔽しようとする手段などが含まれています。例として、次のようなものがあります:
*16歳の少女の証言。彼女は「米軍兵士が何一つ言わずに家に入ってきて母と父を射殺したのを目撃した。兵士達は彼女の二人の姉妹を殴り、頭を撃った。そのあと、弟が怒りに駆られて叫びながら兵士に向かって走っていたため、兵士たちは彼を射殺した」。これは、評判の高い米国人記者ダール・ジャマイルがインタープレス・サービスに報じたものです。
*別の証言は、サレーム・イスマエル博士によるもので、彼は非戦闘員の家に米軍海兵隊が侵入してきた出来事について、目撃証人が次のように語ったと述べています:「父と隣人がドアに近づくと、アメリカ人たちが彼らに向けて発砲した。即死だった。私と13歳の弟は台所の冷蔵庫の陰に隠れた。兵士たちが家に侵入してきて、私の姉を捕まえた。兵士たちは彼女を殴って、それから撃った。けれども彼らは私を見つけなかった。まもなく米兵は立ち去ったが、その前に家具を壊し、父のポケットからお金を盗んだ」。
*イラク保健省の職員カリッド・アシュ=シャイクリ博士はバグダードのイラク保健省ビルで開かれた記者会見で、2004年11月の致死的な攻撃の際、米軍は国際的に禁止された兵器を用いたと言いました。彼は、自分の医療チームが行なった調査は、「米国の占領軍が、戦争で荒れ果てた町を攻撃する際、国際的に禁止された物質を用いたことを証明した。それにはマスタード・ガス、神経ガス、着火性化学物質が含まれる。私は、さらに、迷った犬や猫、鳥が、何百匹/羽といわないまでも、何十匹/羽と、これらのガスの結果死んだと言うこともできる」と述べた。
*さらに、米軍がファルージャでナパームのような武器を使っていることについて、次のように記述した報道もあります:「爆弾が爆発して大きな火を起こし、人々の肌を焼いて、体中に水をかけても消えなかった」。アルジャジーラは「文民が住む地域でナパームを用いたという報道は至る所でなされている」と報じています。2004年11月28日、サンデー・ミラー紙は、「米軍によるファルージャ攻撃以来、「溶けた」遺体の報道が現れている。どうやらナパームによるものらしい。昨年8月、米国は、イラクでガスを使ったことを認めることを余儀なくされた」。1980年、国連は、ナパームを民間人に対して使うことを禁止しています。国務省はナパームを使ったことを否定していますが(http://democracyrising.us/ (http://usinfo.state.gov/media/Archive_Index/Illegal_Weap
ons_in_Fallujah.html))、現地の人々から沢山の報告があることを考えると、より包括的な返事が求められます。インディペンデント・オン・サンデー紙は、米軍司令官、海兵隊第11航空群ジェームズ・アレス大佐がイラクでのナパーム使用を認めたと述べています。報告によっては、この物質を「改良型」ナパームと述べています。
さらに、米軍がとっている尋常ではない行動についての報道もあります。その行動は、米軍が民間人の死、および化学兵器をはじめとする兵器の使用を隠蔽しようとしていることを示唆しています。次のようなものがあります:
*ジャーナリストで作家のナオミ・クラインは、米軍が、ファルージャの犠牲者数を数えて報じている人々を排除した証拠を提供しています。彼女は、米軍が、犠牲者の情報を伝えていると疑った病院の医師を拘束したと述べています。また、病院の外にいる人々に犠牲者について伝えることができないよう、米軍が医者たちの携帯電話を取り上げたと述べています。さらに、米軍は、イラクの赤新月社がファルージャに入って負傷した民間人の世話をし、生存者に援助を届けることを拒否しました。この行為の主目的は、ファルージャ包囲攻撃の際に米軍が犯した残虐行為が公式に記録されることを阻止しようというものです。
*ジュラン街の中心部で、米軍は、爆撃を受けた家々全体を取り除いています。一方、爆撃を受けたほとんどの家は、そのまま放置されているのです。米軍はなぜこんなことをしているのでしょう? 同じことは、ナザル地区でも、ムラウメーン地区でも、ジュバイル地区でもシュハダ地区でも行われました。
*目撃証人たちは、「米軍がブルドーザを使って土をかき集め、トラックで運び去るのを目にした。これが行われたのはファルージャのジュランとジムリヤ地区である。〔・・・・・・〕少なくとも2キロにわたる土が取り除かれた」と彼は説明しました。「侵略の際に激しい戦いがあり米軍が特殊兵器を使ったバグダード空港でやったのと全く同じことをしているんだ」、と。この目撃者はさらに、「米軍が『特殊弾薬』を使った一部の地域では、爆発地点一つ一つの周囲200平方メートルの土が運び去られた」と説明しています。
*米軍は、放水タンカートラックを持ち込んで、路上に高圧放水を浴びせました。「兵士たちはすべての家で放水車から放水した」とこの目撃者は続けています。「まるで水を使って化学兵器の証拠を隠蔽しようとしているみたいに。だけど、米軍はそれをジュラン地区とかそこの市場とかいったいくつかの地域でやっているだけだ」、と。先月、小さな町の病院に来たばかりのある難民が、ファルージャのいくつかの道に米軍は放水タンカートラックを持ち込んで高圧放水を行なっていると説明しました。この人物アフメド(名前は安全のため変えてあります)は「なぜ米軍はそんなことをしているのだろう? ファルージャをきれいにするため? そうではない! 米軍は私の町に用いた恐ろしい武器の痕跡を隠蔽しようとしているのだ」と述べています。
*11月30日、米軍は援助車列のファルージャ入りを阻止しました。この援助車列はファルージャ保健省が派遣したものでしたが、検問所の兵士たちは「8日か9日したら戻ってくるように」と命じたとAP通信は報じています。この援助隊に参加していたイブラヒム・アル=クバイシ博士は、そのとき、「ファルージャでは恐ろしい犯罪が続けられており、米軍はそれを誰にも知られたくないんだ」と語っています。米軍がファルージャに入る人について厳密な統制をしているため、どのような兵器が使われたかに関する真実を見つけだすのは困難です。
これらの情報源は、ダール・ジャマイル速報:「ファルージャでの奇妙な出来事」2005年1月18日です。
ファルージャに暮らす人々によるさらに多くの証言が、http://dahrjamailiraq.com/weblogに掲載されています。ジャマイルが指摘するように、「ファルージャの瓦礫の下から、今後、何年、いや何世代にもわたって、こうした証言が現れるだろう」。国防省は、広く主張されているこうした残虐行為を犯すことでイラク人の心をつかむことができないことはよくご存じでしょう。そして、こうした行為は米国に対する怒りを増大させ、将来の「テロリスト」を生み出すことで、米国の安全をさらに脅かすことも。
私は、これらの主張についておおやけの説明を求めるべく、また、国防省がこうした主張を公式に調査したかどうか知りたく、手紙を書いています。
誠意を込めて
ケビン・ジーズ
デモクラシー・ライジングUS
同封資料:
"Journalists Tell of US Fallujah Killings," Aljazeera, March 20, 2005, http://english.aljazeera.net/NR/exeres/6890A8DA-AF79-45AD-BB4F-42C060978A07.htm
"Fallujah Napalmed: US uses banned weapon ... but was Tony Blair told?", Sunday Mirror, November 28, 2004, http://www.sundaymirror.co.uk/news/tm_objectid=14920109&method=full&siteid=106694&headline=fallujah-napalmed-name_page.html
"U.S. used banned weapons in Fallujah - Health ministry," Aljazeera, March 3, 2005, http://www.aljazeera.com/cgi-bin/news_service/middle_east_full_story.asp?service_id=7216
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