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2005/09/05

劣化ウランと州兵の健康

イラクから帰国したニューヨーク州兵の劣化ウラン汚染と,ペンタゴンの費用負担で検査が受けられるようにしたコネチカットの州法。

Radioactive Wounds of War
By Dave Lindorff
In These Times
Thursday 25 August 2005
http://www.truthout.org/docs_2005/082605A.shtml


*概略(DUについての解説の部分は大幅に割愛。また事実関係以外のことが書かれている部分も割愛。時間がないため。)

31歳のジェラルド・マテューは,俺はラッキーだよなと思っていた。何しろイラクでの軍務から生きたまま,手も足も失わずに戻ってきたのだから。1年半前のことだった。彼はニューヨーク州州兵だ。

しかし帰国したあと,彼は,同僚のレイ・ラモス軍曹が劣化ウラン汚染の検査を受け,陽性反応が出たということを知った。ラモス軍曹はニューヨーク・デイリー・ニュース【ニューヨークのタブロイド新聞】とホアン・ゴンザレス記者の申し出を受けて検査を受けたのだった。

ジェラルド・マテューは,自分も検査を受けた方がよかろうと考えた。イラクでの軍務の間ほとんどの時間を,DU弾で損傷を受けた装備の近くで過ごしたからだ。検査の結果,マテューは全員の中でもっともひどく汚染されているということがわかった。

すぐさまマテューは妻に,おなかの中の子どもの超音波検査をすすめた。そして夫妻は,胎児は放射線被曝の場合によく見られる状態にあることを知った――非定型多合指症(atypical syndactyly)。胎児の右手は,2つに分かれているだけだった。(=指が5本に分かれていない状態。)

現在,生まれて13ヶ月になるヴィクトリア・クローデット【赤ちゃんの名前】には,このほかの遺伝子障害は見られず,健康状態も良好である。しかしマテューは娘の奇形の原因を作ってしまったことで罪悪感を感じている。そしてDUの危険について何も伝えなかった政府に対して怒りを抱いている。

米軍が最初にDUを使用したのは1991年の湾岸戦争のときだった。このときは300トンのDUが対戦車砲やA-10 shellとして使われた。バルカン紛争のときにもDUは使われた。量は300トンより少なかった。

しかしアフガニスタンとイラクでの現在の戦争では――特にイラクでは――DUは当たり前のように用いられる兵器となっている。アフガニスタンでは1000トン以上が,イラクでは3000トン以上が用いられた。また,湾岸戦争の時にはDU兵器はほとんどが砂漠に撃ち込まれていたのに対し,今の戦争ではDU弾は人の居住する都市部で爆発している。

ペンタゴンはDUの用途を,対戦車砲やA-10 shellのほかに拡大した――バンカーバスター,対人小型爆弾,M-16 shellやピストルの銃弾にも。DUの貫通力は他に類のないほどのものであり,軍はそれを気に入っているのだ。

問題は,DUが標的に当たると高温で燃焼し,微細な粉塵となる点である。この粉塵は広いエリアを汚染し,何億年も放射能を帯びることになる。体内に吸入されるとこれらの粉塵は肺などの臓器や骨にたまり,細胞を傷つけ癌を引き起こす。

さらに悪いことに,ウランは非常に毒性の高い重金属である。放射能については議論もあるが,重金属であるウランの科学的毒性についてはまったく議論はおきていない。

何人の米兵がDUで汚染されているかは誰にもわからない。被曝の可能性のある軍関係者には,それが誰であっても検査を許可するようにとの法があるにもかかわらず,米軍はこれらのテストを避けているか,あるいは検査の意味がなくなるくらいまで遅らせている。

マテューは「フォート・ディクスで検査をしてほしいと言ったときに,体内にDUの破片が入っていなければ心配無用だと言われたが,まったく間違っていた」と語る。同僚のラモス軍曹は,放射線病と重金属汚染に似た症状を呈している。彼は,検査を受ける前にメディカルセンターで数時間も,どうして検査を受けたいのかと問い詰められ,さらにはトラブルメイカーと見なされることになったと言う。マテューは,メディカルセンターは彼のサンプルを「紛失した」のだと言う。

開戦時,米国は国連やそのほかの環境検査機関に対し,イラク内でDUのレベルを測定する許可を与えなかった。現在では治安に懸念があるために,国連はイラクには近づきもしない。

「解放するはずだった場所を汚染している。これは正しいこととは思えない」とラモスは言う。

ペンタゴンは,何ら具体的証拠もなく,DUは安全であると主張し続けている。こんにちに至るまで,軍・退役軍人省による検査を受けたのは,帰還兵のうち,わずか270名ほどにすぎない。しかも,これらの検査は尿検査で行なわれるのだが,尿検査では被曝から30日経てば意味がなくなってしまうのだ。DUはそのころには体外に排出されるか,あるいは骨や臓器に入ってしまうからである。

ゴンザレス記者とNYデイリーニュースは,9人の州兵の検査費用を負担した――彼らはより費用がかかるが,体内のウランの位置を正確に示し,人造のDUに特有の同位体番号を特定できる検査を行なった。9人のうち4人が,DUに陽性という結果だった。また9人全員が,ウラン汚染の症状を呈していた。

まもなくもっとはっきりした証拠がでるかもしれない。ペンタゴンの費用負担で,州兵がDU汚染検査を受けられる州法が,コネチカットとルイジアナでは満場一致で成立している。州兵は連邦政府ではなく州政府のもとにあるので,この方法ならペンタゴンに邪魔されることもなくなる。

コネチカット州でこの法案を作ったパット・ディロン州議員(民主党)は,「これは民主党だとか共和党だとかいう問題ではありません。みなが私たちの子どもであり,誰かが彼らを守らねばならないのです」という。同議員の法案通過【2005年6月終わり】以降,彼女のもとには軍人会や家族組織,他州の議員,州兵隊司令官から法案のコピーを送ってほしいとの問い合わせが寄せられている。この法律の発効は今年10月である。ルイジアナ州では,退役軍人のボブ・スミスがディロン議員の法案を入手し,同様の州法を成立させることに成功した。……以下略


元記事@truthoutには,ダグ・ロッキー博士のコメントもかなり入っていますので,ご興味がおありの方は原文をぜひご覧ください。(時間があまり余裕がないのではしょってしまってます。)

また,コネチカット州の州法(パット・ディロン議員の立法)は
http://www.thepowerhour.com/news2/connecticut_du.htm
から閲覧できるようになっているはずなのですが(文中にリンク),私がみたときにはデッドリンクでした。

http://www.newbritainherald.com/の7月29日記事をざっとナナメ読みしたところ,全体像としては,DUだけでなく,あらゆる健康被害(PTSDを含む)についての法案のようですね。

■参考記事=ルイジアナでの州法について詳細な記事:
【劣化ウラン:出征兵と帰還兵を護るために行動を起こす州】Kevin Zeese , The National Gulf War Resource Center , Inc.(2005/7/19)@反戦翻訳団さん

投稿者:いけだ