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2006/02/01

イラクの鳥インフルエンザ

 
イラクで鳥インフルエンザによる死者が出た模様。アルジャジーラ英語版からの紹介。

イラクの鳥インフルエンザでWHOの支援が要請されている
ヌラー・タペ
2006年1月31日
Aljazeera原文

鳥インフルエンザによる最初の死者がイラクで出たことで、「イラクのための医師団」(Doctors for Iraq)というNGOが世界保健機関(WHO)に、インフルエンザの拡大を押さえるために介入するよう要請した。

この要請がなされたとき、イラク保健省は、鳥インフルエンザが原因と思われる三人目の死者を調査している。

また、鳥インフルエンザの発生が確認されたイラクのクルディスタン地域では、医療関係者が、同地では、この病気に対処するための薬がひどく不足していると述べている。

記者会見で「イラクのための医師団」は、WHOに対し、イラク保健省を支援して、現状を人々に周知する意識化プログラムを行うよう呼びかけている。

火曜日(31日)の声明は、この病気に対する知識不足から、「脅威がどの程度深刻なのか、また、どうすれば健康を保てるのかについてはっきり知らない多くのイラク人の心に心配と混乱が引き起こされている」と述べている。

もう一つの心配は、診断検査キットや予防注射、薬などの、器具や物資の不足である。

国境コントロールがない

「イラクのための医師団」によると、様々な理由から、イラクは周辺地域の中で、最も簡単にウィルスに犯されるおそれのある地域の一つであるという。

国境コントロールがなく、イラクに入ってくる家禽と肉のチェックが十分でないことが、大きな心配の種になっている。

このため、「イラク保健省は国境の管轄当局と協力して、イラクに運び込まれる物品について監視し保健チェックを行う必要がある」。

同医師団はまた、隣国トルコからイラクへの鳥の渡りが起こるため、病気の拡散の機会が増すだろうとも述べている。トルコでは、すでに鳥インフルエンザによる4人の死者が確認された。

月曜日、WHOは、1月17日イラク北部のスライマニヤで、15歳の少女がH5N1鳥インフルエンザ・ウィルスで死亡したことを確認した。

39歳になるこの少女の叔父も、1月27日、急性呼吸器疾患で死亡している。

第三のケース

WHOはまた、イラク保健省の連絡によると、呼吸器疾患を煩う患者が、鳥インフルエンザの可能性がある3人目として調査されているところだと述べている。

この患者は同じ地域の54歳の女性で、1月18日に入院した。

鳥インフルエンザに対処するために結成された共同クルド委員会の委員長タシーン・ナメクは、「ウィルスに対処する薬がない苦しい状態にある」と語っている。

AFPによると、彼は「タミフル50錠を受け取った」と述べたという。

患者一人あたりの投薬治療は、5日間にわたって2錠であり、50錠では、イラク北部のクルディスタン地域全土で5人の患者に対処する量しかない。

ナメクは、バグダードに緊急支援を打診していると語った。

WHOは、他の国連機関のメンバーを含む国際チームを結成して、状況を調査して適切な公共保健上の対処をめぐりイラク保健省を支援しようとしている。

家禽の間引き

イラク大統領ジャラル・タラバニは鳥インフルエンザの発生後イラクの委員会メンバーたちと面会し、イラクの人々が病気の拡散をどう防ごうとしているかについてブリーフィングを受けたと、会談のビデオを放映したアル=イラキヤ・テレビは述べている。

一方、クルディスタンでは、家禽を間引きする大規模なプログラムが始まった。

WHOによると、鳥インフルエンザの流行の中で、イラクは人間のH5N1罹患が報告された7番目の国である。

「イラクのための医師団」は、イラクにおける保健と人権問題を扱う独立のNGOとして2003年に設立された。


シャンジン・アブデル・カデルは、1月17日、鳥インフルエンザで亡くなった。

投稿者:益岡