不十分な細部
直前にメモとしてあげられていた、バグダード包囲作戦について。ダール・ジャマイルの記事です。
不十分な細部
ダール・ジャマイル
2005年5月27日
Electronic Iraq 原文
昨日、イラクの国防相サドゥーン・アル=デュライミが、4万人のイラク軍兵士を使ってバグダードを封鎖し、「ゲリラとその武器を狩り出し」始めた。バグダードは東西二つの大きな地区に分けられ、それぞれの地区でより小さな統制地域が指定される。
少なくとも675箇所の検問が設けられる予定で、アル=デュライミは、これは最終的にイラク全土に適用される予定の、治安取締の第一段階であると語った。
2004年11月8日、ファルージャ包囲攻撃が始まって以来、イラクの大部分が「非常事態」下に置かれていることを思い起こしておこう。
「我々は、また、バグダード周囲に強固な封鎖を適用する。腕にはめるブレスレッドのようにである。テロリストのインフラに対する我々の取締に神の意志と助けがありますよう」。
記者会見には内務相のバヤン・ジャボールもいて、「これらの作戦は、政府の役割を防衛から攻撃に変えることを意図している」と付け加えた。
これは、本当に、とても悪いニュースである。
イラク治安部隊は、バグダードの大部分で、大きな悪評を集めている。異なるときと場所で、3人のイラク人医師が、私に、イラク治安部隊を「アメリカ人の犬」と呼んだのを聞いたことがある。
バグダードにいるもう一人の近しい友人----やはり医者なのだが----も、最近私に書いてきた手紙の中で、次のように言っている:
「イラク人部隊には、今や、自分たちが「リワー・アル・デーブ」と呼ぶ部隊----狼旅団という意味だ----がある。これはとてもアメリカ的な名前で、暴力の印象を与える見にくい名前だ。これまで、イラクの部隊は、著名なムスリムやアラブの象徴を冠していた。これはもっと受け入れられた。いずれにせよ、振舞いが明らかならば、名前は問題ではない・・・・・・彼らは今や、ある種の国家テロリズムを行なっている」。
彼は、イラク人部隊の、さほどストレートではない振舞いの例を挙げている・・・・・・
「バグダード南部のアル=サイディア地区の目撃証人は、私に、最近、一台の自動車爆弾が爆発して近くの地区を破壊したとき、人々は、警察と呼ばれている者たちが近くにある破壊された携帯電話ショップを略奪しているのを目撃して驚いたと語った! 今や警察は、盗賊の集団である。その多くは、戦争前にアブグレイブ監獄から釈放された、すでに犯罪を犯した者たちだった」。
1月に私自身がバグダードにいたとき、2度にわたり、私はイラク警察から撃たれた。単に、車が近寄り過ぎたというだけの理由だった。
それから、家族を心配して、アブ・タラトはバグダードに戻った。下の息子二人が、単に米軍に従えば「軍年齢」だからという理由で、拘留されることを恐れたのである。
今でも、ハディサでは、米軍が「ニューマーケット作戦」(どこからこんな名前を持ってきたのだろう?)と呼ぶ作戦----アル=カーイムに対する最近の攻撃に似たものである----を進めており、約1000人の兵士が家を襲撃捜査している。米兵たちは狙撃場所を確保し、今日私が話した、ハディサに同僚を持つイラク人医師によると、「アメリカ人はハディサで非常に多くの人々を拘留sちえいる----16歳から25歳の男性は、質問もされずに、すぐさま拘束されている」という。
かくしてアブ・タラトは戦火の中に戻った・・・・・・言うまでもないことだが、私は家族の面倒を見るためにバグダードに戻ると彼が決めたことを支持する。もちろん、深い心配と悲しみもある。
「他に何ができるというんだい?」と彼は今日、手をあげながら私に尋ねた。
そうして私たちは再び別れの挨拶を交わした。こんな状況ではいつでも難しいことだ。もう一度、彼に会えるだろうか? 彼の家族は無事だろうか? もしかすると・・・・・・?
占領下イラクでの生活。毎日毎日、あらゆることが起こりうる。ナンバーズ・ゲームのようだ。
彼も、イラクにいる私の友人すべても、昨日、バグダードのアル=ドーラ地区でミニバスを運転していたときに米軍兵士に射殺された3人のイラク人民間人のような運命をたどるかも知れない。
米軍報道官ジェーミー・デーヴィス中尉は、この虐殺について、「細部は不十分で、誰が関係しているのかわからない」と述べた。
AFP通信によると、生き延びたバス運転手は、米軍兵士は、彼が道をよけるために道路脇に車を寄せたあとで、発砲してきたという。
「アメリカ人の犬」が陣取る675箇所の検問が設置されると、「細部は不十分」な民間人の死が、これから無数に起きることに慣れなくてはならなくなるだろう。
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ナチス・ドイツによるユダヤ人狩り、あるいは、1970年代後半の、インドネシアによる東チモール人一掃作戦のようです。
投稿者:益岡
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