白燐兵器:誰が誰に偽情報を流しているか?
ファルージャで燐兵器による無差別殺人を行ってきた米国。米国政府はその燐兵器を「照明」として利用した、それは禁じられていないと強弁。一方、米軍自身は誇らしげに燐兵器の対人利用について書いている。
誰が誰に偽情報を流しているか?
マーク・ソルチャイルド
2005年11月11日
AntiWar.com原文
「禁止された兵器」(たとえばナパームのような白燐兵器)がイラクで----とりわけ2004年11月のファルージャ攻撃で----使われたことについては、何が真実だろう?米国国務省は、国務省が「偽情報」や反米の「誹謗中傷」を暴露するために運営している「真実部隊」のウェブサイトで、この問題を扱っている。国務省の「真実部隊」は、「反偽情報チーム」と呼ばれている。
この「真実部隊」が指摘するところによると、照明のために白燐兵器を利用するという合法的な利用と、対人兵器として白燐兵器を利用することを、きちんと区別しなくてはならないという。対人兵器として白燐兵器を使うことは米国の政策に反しているが、照明として使うのは合法的である、と。
「真実部隊」の公式声明によると、
「白燐弾は禁止されていない。米国政府はこれらをファルージャで、照明用としてとても慎重に用いた。白燐兵器は夜間に敵の居場所を照らし出すために空に向けて発射されたのであり、敵の兵士に向けてではない」
けれども、米軍そのものが国務省と意見を異にし、白燐を対人兵器として用いていると述べている(米軍の「Field Artillery」誌2005年3/4月号に掲載された「ファルージャを守る戦い」を参照)。
実際、「Field Artillery」誌では、白燐兵器を、ファルージャで用いた役に立つ対人兵器リストの第一にあげているのである:
「a.弾薬の範囲。我々はこれらの弾薬を用いることで優れた柔軟性を実現した。・・・・・・」
「b.白燐(White Phosphorus:WP)。WPは有効で使い道の多い弾薬であることが明らかになった。我々は白燐を部隊後尾で二度敵を遮断するために用い、その後の戦闘では、塹壕線や偽装蛸壺にいるゲリラに対してHE[高爆発物]でうまく行かないときの心理的兵器として使った。我々はそれをゲリラに対する「即席」作戦で使った。奴らを炙り出すためにWPを、引きずり出すためにHEを」。
注:「ファルージャを守る戦い」と「Field Artillery」誌は、米軍の公式出版物である。国務省「真実部隊」のウェブサイト(「偽情報を特定する」集と呼ばれている)は、真実部隊自身の言葉によると:
「米国国務省の反偽情報チームによって書かれたもので、この領域で12年の実績をもつ。ソ連やサダム・フセインのイラクが広めた意図的な偽情報や、都市伝説、陰謀理論などを調査する豊かな経験を有している」
最終的に、ブッシュ政権は白燐をめぐる二つのバージョンを隠しておくことはできなくなるだろう。国務省ウェブサイトの「偽情報」こそ、修正されねばならなくなるだろう。
小泉首相が「成功させなくてはなりませんね」と言った作戦は、禁止された兵器を使った無差別大量殺人でした。この5年間、小泉首相はまったく何もよい政策をしてこなかったと天木直人さんが言っていましたが、内政についてもその通り(改革、赤字削減と言いながら小泉政権下で財政赤字が膨大な額増えてしまったことなどに典型的に現れています)、外交では何より国際法に違反した侵略と殺人に加担してきました。
なお、RAIのドキュメンタリー「隠された大虐殺」の日本語訳(ゆっくすさん訳)がこちらにあがっています。ぜひ、この日本語とともに、ドキュメンタリーの映像を見て下さい。映像のダウンロード法については、こちらに案内があります。また、こちらからもダウンロードできます。
投稿者:益岡
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