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2006/03/17

サマラに対する「オペレーション・スウォーム」開始/米国家安全保障戦略



米軍によるサマラ攻撃が開始されました。画像はBBCの「中東」カテのトップページのキャプチャ@16日深夜。

「中東」カテだけじゃなくてBBC NEWSそのもののトップページでもこのBreaking News(速報)がトップでした(国際版:UK版はブレア政権の汚職スキャンダル関連記事がトップ)。

Breaking Newsの段階での記事を運良く見ることができたので、キャプっておきました。


※短いけどこれで全文。

数時間後には、新しい情報が入ってきてBBC NEWSトップ(国際版)はこうなってました↓。この写真(ヘリコプターの列)はガーディアン記事でも使われています。ロイター配信だそうです。


記事も、同じURLで時々刻々と更新されています。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/4814094.stm

というところで、概況だけですが、今回のサマラ攻撃作戦について、BBCとガーディアンの記事から何がどうなのかだけまとめておきたいと思います。

BBC記事:
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/4814094.stm
ガーディアン記事:
http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,,1732546,00.html


米軍の発表によると、50機を超える米軍戦闘機が、サマラを空爆している。2003年のイラク侵攻以来最大の空からの攻撃となる。【訳注:BBCでもガーディアンでも、「最大規模」という表現ではなく、「最大の」で断定されてます。the biggest air offensive】

攻撃されているのはサマラの北東部(バグダードから北へ60マイル、だいたい100キロ)。攻撃が開始されたのは木曜日の朝。米軍が攻撃しているのは同地を拠点とする反乱勢力。作戦名はOperation Swarmer(群れ作戦)。作戦の目的は、米軍のステートメントによると、「反乱者が活動していると疑われる地域を一掃するため(to "clear a suspected insurgent operating area")」。

米軍が今回の作戦の詳細を明らかにしたのは同日午後。これによると、米軍とイラク軍の約1500の兵員と、200台の戦術車両が戦闘に参加しており、この作戦は数日続く見込み。また、米軍ステートメントによれば、「対象となるエリアの徹底的な捜索を行なう("as a thorough search of the objective area is conducted")」ことになっている。

作戦の火蓋は、イラク軍と米軍がともに空と陸からの攻撃を開始することで切って落とされ、続いてthe 2nd Commando Brigadeが建物を制圧した。

米軍によれば、作戦初日が終わるころには、砲弾や爆発物、IEDを製造するための材料や軍服などが蓄えられていた敵の武器庫を複数おさえた。

(以下、BBC記事から:ただし同じURLで上書きされる可能性もありますので、時間経過により記述が一致しなくなるかも)

BBCのバグダード特派員、Jim Muirは、アメリカがサマラ地域に反乱者のポケットがあると本当に信じていることは明白である、と述べている。

同特派員によると、サマラは(2月22日のアル=アスカリ)神殿爆破以降、宗派間暴力(sectarian violence)の代名詞となっており、米国は暴力の根を攻撃していると見せたがっている、とのことである。【原文:Samarra has become a byword for sectarian violence following the shrine attack, our correspondent says, and the US is keen to be seen as attacking the roots of the violence.】

またBBCのワシントン特派員のAdam Brookesは、大規模な力の誇示は、内戦へとつながりかねないエスカレートする暴力の連鎖を断ち切りたいという期待で行なわれている。【原文:The BBC's Adam Brookes in Washington says a major show of force is being carried out in the hope of breaking a cycle of escalating violence which could lead to civil war.】

また、ペンタゴンは、米軍とイラク軍が共同で作戦を行なうことができるということを示したがっているとも彼は述べている。

さらに、ブッシュ政権がここ数週間でイラクでは進捗が見られるとの政治的メッセージを出しているが、この軍事作戦はそれをバックアップするものであるとも、彼は述べている。【原文:The military operation is also backing up the political message from the Bush administration in recent weeks that progress is being made in Iraq, he adds.】


・・・・・・えっと。。。(^^;)

「イラクの状況は良くなっている」という主張をブッシュ政権がしていることは事実ですが、いつもそう言うので、「最近数週間」にそういう主張をしてたかどうかとかあんまり気にしてなかったんで、最後の部分はよくわかりません。

というか、破壊することで「状況は良くなっている」ということを示す、ということの意味が、わかりません。

ってか「状況は良くなっている」なら破壊じゃなくて建設じゃん?

「暴力の連鎖を断ち切る」ために、戦闘機50機を送るというのも、よくわかりません。

私、イラク関連の記事を注意して読むようになって3年、それなりにコミットして翻訳とかするようになって2年経ち、いろいろとひどい文章も写真もフィルムも見てきたので、さすがに感覚がマヒしてきて何にも驚かなくなってきてるんじゃないかと最近よく思うんですが、さすがに今回のこの記事には、参りました。

サマラについてはこれまでいくつもの「伏線」があったので(アル=アスカリの前にも)、自分としてはifではなくwhenだろうと何となく思っていたのですが、イラクの「政府」のメンバーもなかなか決まらないような状況でこういうことになるとは思っていませんでした。

なお、ブッシュ政権の発言では、直近のものでこんなのがあります。「国家安全保障戦略(national security strategy)」最新版についてのBBCの報道です。

US backs first-strike attack plan
Thursday, 16 March 2006, 13:33 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/4812562.stm

The US will not shy away from attacking regimes it considers hostile, or groups it believes have nuclear or chemical weapons, the White House has confirmed.

In the first restatement of national security strategy since the invasion of Iraq in 2003, the US singles out Iran as the greatest single current danger.

The new policy backs the policy of pre-emptive war first issued in 2002, and criticised since the Iraq war.

But it stresses that the US aims to spread democracy through diplomacy.

The new strategy also highlights a string of other global issues of concern to the US, such as the spread of Aids, the threat of pandemic flu and the prospect of natural and environmental disasters.

National Security Adviser Stephen Hadley is due to make a speech launching the new strategy on Thursday.

以下略


この後も眺めているだけで頭がおかしくなりそうなというか脳貧血になりそうなことが箇条書きで書かれているのですが、大まかには、「国連やNATOの枠組みにとらわれない」とか、「ロシアや中国は民主的自由を抑圧しているのでよくない」とか(んじゃートルクメニスタンは?とかいうことを考えるともっと脳貧血になります)、「ベネズエラのチャベス大統領は『デマゴーグ』である」とか、「ハマスはイスラエルを認め、暴力を停止し、武装解除しなさい」とかいったことです。

箇条書きが終わったあとは、いつものメンバー勢ぞろいってな感じです。

ていうかこの記事を書いたBBCの人も、相当驚いてますよね。

GWB再選時の"Four More Years"という世界同時多発「orz」は、ますます拡大の一途をたどり、「orz」の連鎖に歯止めがかかりません。。。という気分が蔓延しています。(GWBの支持率は33%に落ちた[→魚拓]そうですが、これで「orz」になってる人は別の「orz」だろうと思います。)

私は心配するのをやめて愛するようになりたい気分なのでこの映画でも見ます。

『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を・愛する・ようになったか』


3年前、ここまで予想してました? 正直なところ、私はここまでは予想してませんでした。

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今週の土曜日、東京:
WORLD PEACE NOW
日比谷野外音楽堂(13:30開会、石坂啓さんほかの発言&ソウル・フラワー・モノノケ・サミットのコンサートなど)

これとは別に、

渋谷の勤労福祉会館(18:00~21:00、相澤恭行さん、林克明さん、松尾晴紀さん、森沢典子さん、渡邉修孝さんのリレートーク)

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休眠状態にあったブログが、ここ数日、続々と復活しています。

投稿者:いけだ