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2006/03/16

イラク:3年を経て

 
嘘とプロパガンダの中で始められた不法な侵略とその後に続く不法占領・戦争犯罪・拷問・人権侵害。あれから3年。『ファルージャ2004年4月』の著者の一人ラフール・マハジャンが状況をふりかえる。

イラク:3年を経て
ラフール・マハジャン
2005年3月13日
EmpireNotes原文

今度の日曜日で、米国がイラク侵略戦争を始めてから3年が経つ。この戦争は、イラク側からの挑発などなかったにもかかわらず始められた。これまでの2回と同様、3周年の日にも、世界的な抗議行動が予定されている。とりわけ米国全土で抗議行進が行われる予定であるし、イラクでも抗議行動が行われる。

記念日は、いつでも、ものごとをまとめるのによいときだ。

この戦争が始められたとき、正当化のために持ち出されたのは解放でも人道的介入でもなかった。当初の口実は、大量破壊兵器(WMD)、そしてイラクがアルカーイダと関係を持っているという主張だった。むろん、WMDに関する主張は嘘と事実歪曲を組み合わせたものだった。イラクとアルカーイダに関係があるという主張をめぐって持ち出された最大の証拠は、あるアルカーイダのメンバーから入手したもので、そのメンバーは繰り返し拷問を受けたあと、拷問を逃れるためにその関係を捏造したのである。中世においてさえ、拷問により得られた自白は証拠と見なされなかった。

それらの嘘と言い訳が消え去ったあと、3年にわたりずっと続いている話題は、解放としてのイラク侵略そしてイラクの人々を助け民主主義を構築するためのイラク占領というものである。

これらに鑑みて評価するならば、この企て全体について、ほとんど何一つ肯定的に評価できるものはない。侵略前、イラクの人々は、サダムの独裁支配と徹底的な国際的経済制裁という二重の弾圧下に置かれていた。イラクは、第一次湾岸戦争で米国が意図的に行ったインフラの大規模な破壊から復興することができていなかった。したがって、人道的状況を改善することほど容易なことはなかっただろう。イラクの人々に積極的に悪意を抱いていない人々は、当然状況の改善がなされると思っていただろう。

驚いたことに、実際にはそうではなく、最も基本的な指標である死者総数だけをとっても、イラクの人々の状況は悪化している。乳幼児死亡率は二倍になり、犯罪は激増し、そして、言うまでもないが、米国陣とイスラミスト過激派のテロによりイラクの人々が大規模に殺されている。ジョンズ・ホプキンス大学とコロンビア大学の米国人研究者およびムスタンシリヤ大学のイラク人研究者が共同で行った調査では、占領の最初の18カ月で、2002年度の状況比でのイラク人死者は10万人も多いと推定されている。それ以後の様々な調査でも、ほぼこの数字は確認されていることが多い。中には、それよりも高い数字を示す調査もある。この調査は2004年11月のファルージャ攻撃、昨年おそらく6000人の命を奪ったであろう自爆攻撃の頻発、そして政府に関係した死の部隊による暴力の爆発よりも前に行われたので、侵略開始から36カ月経った現在、その数値を二倍することはきわめて妥当であろう。

20万人というこの犠牲者数の前には、1990年代米国の関与のもとで生み出された100万人の犠牲が存在する。

イラクはあからさまな分離主義戦争の瀬戸際にある。クルド人とアラブ人の対立はイラクの歴史を通して大きな問題であったし、スンニ派とシーア派の間にある不公平と緊張も大きかったが(1991年の蜂起でそれは最悪になった)、単にセクト的帰属ゆえに普通の人がふつうの人を殺すという状況はこれまでにはなかった。何度か、セクト的境界にそって大規模な暴力が起きたことはあるが、それは独裁的な政権が介在したものだった。このたびは、米国とアブ・ムサブ・アル=ザルカウィおよび彼のサラフィ過激派に等しく責任がある。

選挙を遅らせようと試みた米国が選挙日程に合意せざるを得なくなったにもかかわらず、また、米国が介入し操作しようとしたけれども選挙はある程度公平に行われたにもかかわらず、選挙の結果作られた政府は、人々に対する責任をほとんどまったく果たさず、また世界でも最悪の人権記録を持つものであった。

米国がイラクにまともな政権をもたらすことは無理である。そもそもが、ここ米国にもまともな政権があればと願う状況なのだから。けれども、何はなくとも、米国はハイテクの経済超大国なのだからイラクのインフラを再建することくらいはできたと誰もが思うであろう。ところが、全く逆に、米国の占領下で、イラクの人々が電気を使える時間は侵略前よりも短くなった。侵略前にはイラク人の30%が飲料水を使えたのに、今では22%しか使えない。そして状況が良くなる見通しはない。というのも、「再建」資金----その多くが私営の傭兵と企業の利益のために費やされた----は底をつき、米国は完成間近のプロジェクトも中断してそれを荒れるがままに放置しているからである。

「解放してもらう」ことをイラクの人々が求めたことは一度もなかった。独裁政権の終わりを願う他の国の人々も、この3年間、その願いにもう一つ新しい願いを付け加えている----「どうか神よ、米国により解放されることがありませんよう」。

今週末、世界中で抗議行動が予定されています。ワールドピースナウのHPをご覧下さい。

投稿者:益岡