米軍の空襲でバクバの村々が孤立している
米軍の空襲でバクバの村々が孤立している
IRIN
2007年1月16日
Electronic Iraq原文
バクバー発。イラク=イラン国境に近いイラク東部のディヤラ県で米軍とイラク軍が攻撃を行ったあと、何百人もの人々が、この地域から逃げようとした。攻撃は終わったが、地方部の村に住む何十家族もが、空襲が再び始まることを恐れて自宅に隠れたままであると言う。
「先週、米軍はバクバ近くの農村地帯を攻撃し、ゲリラを狩り出そうとしていました。米軍の空襲で、約14人の民間人が殺され、ゲリラ数十人が捕虜となりました。けれどもこの攻撃で多くの人々が苦しんでいます。というのも、人々は支援も欠き、診療所に行くことも困難になったからです」とディヤラ県庁のメディア担当サラー・アフメドは言う。
最も大きな被害を受けたのは、イラン=イラク国境から西40キロのところにあるバクバ市の東側の村々である。
1月5日、攻撃が始まったとき、その地区から逃げることのできた家族はほとんどなかった。近隣とを結ぶ道は閉鎖されたため、何百家族もが、自宅に閉じこもらざるを得ない状況になった。
「[地元住民とボランティアから]約110家族が水も食料品の供給もない状態にあると聞いています。攻撃について事前の連絡がなく、これら家族は攻撃に備えることができず、地域から逃げ出すこともできなかったからです」とアフメドは言う。
「名目上は攻撃が終わったことになっていますが、村々に近い広い地域を依然として米軍とイラク軍が占領しており、人々が家から出るのを阻んでいます。現地の関係者によると、人が中にいたままで破壊された家もあるといいます。ほとんどが農村地帯でのことです」と彼は続けた。
バグダードの米軍士官たちは、この軍事作戦で民間人の犠牲は一人も出ていないと述べ、また、この地域に隠れていたゲリラの50人を捕捉したので攻撃は成功だったと述べた。彼らはまた、人々が家から出られなかったのは攻撃の間だけで、それはまさに人々の安全のためだとも語った。
バグダードに本部を置く「イラク平和開発協会(IPDI)」によると、米軍兵士たちとイラク軍は、緊急の必要を抱えた人々を支援するためにNGOがバクバ近くの農村地帯に近づくことも阻止したという。
「私たちは携帯電話で現地のある家族と連絡が取れました。彼らは、人々はいまだに恐くて家から出られないでいると言っています。コミュニティの中には、子ども向けの医療支援を緊急に必要としているところもあり、おそらくけが人もいますが、現地に入れない限り、その確認さえできません。けれども、米軍は、[民間人の]犠牲者はいないと言い張るのです」とIPDIのバラク・シャミ報道担当は語る。
「たくさんのイラクNGOボランティアやイラク赤新月社が手助けをしようとし、支援を申し出ていますが、安全状況から、攻撃が行われている場所の近くまで行くことは困難です」とシャミは続ける。
イラク防衛省は、この攻撃は、イラク全土のやばい地帯でゲリラと戦い捕捉するための新たな計画の一部であると述べた。同省は、ディヤラ県にのゲリラの数はバグダードに次ぎ2番目であると説明した。
「我々は作戦に成功している。民間人犠牲者が出たとの報告は聞いていないし、すでに数十人のゲリラを捕捉した。イラク国内でのテロに対する戦いで、米軍とイラク軍が共同で収めたさらなる成功だ」。この作戦に参加したイラク防衛省の高官カリッド・アッバス・アル=ナヒリ中佐はこのように述べた。
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抵抗する人々をナチスドイツが「テロリスト」と呼んでいたことを、生々しく思い起こします。
投稿者:益岡
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