.comment-link {margin-left:.6em;}

teanotwar - mirror/archive (Japanese fonts required)

Official mirror site of our blog, for those who can't access it, http://teanotwar.blogtribe.org, due to the technical problems, firewall setups, etc. http://teanotwar.blogtribe.org/のミラーリングを目的としています。記事部分に何も表示されていない場合は下までスクロールしてください。個別記事へのリンクは,記事の投稿時間のところをクリックすれば表示されます。

2005/01/23

「生きてるって言えないよ」(ジャマイル,1月11日)

バグダードに戻ったダール・ジャマイルのウェブログ,1月11日の記事。

「こんなの,生きてるって言えないよ」
"This is not a life."
Dahr Jamail, January 11, 2005
http://dahrjamailiraq.com/weblog/archives/dispatches/000165.php

いわゆる選挙が近づくにつれ暴力が激化し続け,今日すでに,少なくとも18人のイラク人が死亡した。

今ではほぼ毎日のペースで,自爆の自動車爆弾がイラク警察の警察署を攻撃している。

今日のターゲットはティクリートにあった。米軍スポークスマンのニール・オブライエン少佐は,警察署の本部が爆弾で攻撃されて6人が死亡したと言っている。

オブライエン少佐はまた,「イラク警察が強くなり続け,反乱者やテロリストに対して脅威となるにつれて,ターゲットとされるようになるだろう」とも述べている。

私が話をしたほとんどのイラク人は,オブライエン少佐とは意見を異にしている。

「イラク警察はアメリカ人の操り人形だ」とアブドゥラ・ハシムは言う。彼はバグダード中心部で野菜を売っているイラク人男性だ。「警察自身が自分のことを恥じて,顔を隠すためにマスクを着けているのに,誰が彼らに敬意を払えると?」

むろん,顔を覆うマスクを身に着けているイラク警察は,自身と家族の身の安全のためにそうしている。占領者に協力する者とみなされた場合,それが誰であっても,即座にレジスタンスの攻撃の対象となりうる。家族とて同じだ。現在はイラク軍に統合されているイラク国家警備隊(ING)の多くも,同じ理由で,黒いフェイスマスクを着用している。

「誰もあいつらに敬意など払わない。だって彼らにはセキュリティを確保することはできないんだから」と,閉店しているガソリンスタンドの前でイラク警察2人を乗せたトラックの横を通り過ぎながら,アブ・タラットは私に言う。

前回,私は何人かのイラク警察に話を聞いた。彼らは,占領軍から武器やラジオや車両が提供されないのだとこぼしていた。彼らの不満は,レジスタンスのほうが警察よりもよい武器を持っているという事実に集中していた。

後刻,私たちは私の部屋のテレビでいわゆる暫定首相のイヤド・アラウィの記者会見を見ていた。ひとりの記者が,予定されている「選挙」のために,今月15日に携帯電話のサービスが打ち切られるというのは本当か,と質問した。

アラウィはその質問をかわした……その質問には国防省からお答えしますと言って。その国防省は昨日,イラク軍は兵士5万であると宣言し,7万にまで増員される見込みであると述べていた。そして今日,アラウィは,軍の兵力は10万であると宣言した。

もちろん,ガソリン危機はさらに悪化し続けている。バグダードのほとんどの給油所が閉鎖されている【photo】。

給油している車よりむしろ,レイザーワイヤー【photo】と空のガソリン・タンカー車両が,給油所の多くにじっと動かずにいる。

これらもまた,侵略に際して破壊されたこの建物【photo】と同様,バグダードでは復興などないということを思い出させる見苦しい物体だ。

ガソリン不足が原因であらゆるものの値段が天井破りに急騰し,失業率は70パーセントだということを,イラクの人たちは毎日思い出さされる。ヤミではガソリンは1リットルあたり1000イラク・ディナールもする。給油の列に12時間から24時間並んで我慢する気がないのであれば,ヤミ価格でガソリンを買う以外に車に給油する手段はない。

1ヶ月前に私がイラクにいたときは,ヤミのガソリンは1リットルあたり300ディナールだった。もしも自分の国で失業率が70パーセントで,自分も失業していて,ガソリンの値段が1ヶ月に333パーセントも上昇し,そのために食料から灯油まであらゆるものの値段が急騰しているとしたら,自分ならどうするか,想像してみていただきたい。

ガソリン危機と言えば,今朝,キルクークとベイジ製油所を結ぶパイプラインが爆破された。キルクーク南西のいくつかのラインもまた破壊された。

サマラ中心部では今日,米軍の車列が通りかかったところに自動車爆弾が爆発したが,軍からは死傷者についてはひとことも聞かれていない。ということは,おそらく数人は死傷者が出ているということだ。そのすぐあとに2つめの爆弾が爆発し,イラク兵士少なくとも1人と一般市民1人が死亡した。

ユスフィヤー(Yusufiyah)近くでは,米軍車列を狙った路上爆弾が標的を逃し,ミニバスを爆破した。イラク人8人が死亡し,3人が負傷した。理由はわかっていないが,このミニバスはその後ガンマンに襲撃され,イラク人3人が拉致された。

ユスフィヤーはバグダードのすぐ南,「死の三角地帯」にある。最近,レジスタンス戦士を一掃することを目的とした米英軍の大規模な軍事作戦が行なわれた場所だ。米英軍の作戦は,ファルージャでの作戦と同程度に成功したように見える。ほぼ毎日のペースで,戦闘は継続している。

今日,インタビュー取材に向かうためにバグダードを車で走りながら,私たちはまた,ほとんどの時間を渋滞で動けない状態で過ごすことになった。おおかたのインターセクションでは,お恵みをと言って歩く女性や子どもが,手を差し出しながら車の間を歩いている……どうかご慈悲をと言いながら。

アブ・タラットはポケットを探って小銭を探す。神にお助けくださいと祈る年老いた男性が,車の窓のところに立っている。

アブ・タラットがいくらかお金を渡すと,老人は杖を持ち,何度も繰り返しアブ・タラットの親切な行ないに対して祝福を与える。

「ダール,バグダードはこんなになってしまったんだよ」と,ようやく車が1インチ前進したところで彼は私に言う。「みなが大変につらい思いをしている。こんなの,生きてるとは言えないよ。」

Posted by Dahr_Jamail at January 11, 2005 04:37 PM


投稿者:いけだ
2005-01-18 21:32:57