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2005/01/23

相変わらずのバグダード(ジャマイル,1月10日)

バグダードに戻ったダール・ジャマイルのウェブログ,1月10日の記事。

バグダードは変わりなく
Baghdad, As Usual
Dahr Jamail, January 10, 2005
http://dahrjamailiraq.com/weblog/archives/dispatches/000164.php

いつものごとく飛行機が旋回して着陸すると,そこは鉛色の空をしたバグダード……数週間前に私が離れたときと同じ天候だ。常のごとく「グローバルな」傭兵たちが大勢,空港にいる……空港では,機内に持ち込んだ手荷物をトイレに持って入ることは許可されていない。爆弾を恐れているためだ。忘れちゃいけない――この空港は,イラクで最大の米軍基地なのだと。

そして,いつものごとく,正面の検問所で迎えを待つという楽しい一時。いつものごとく,アブ・タラットは時間より早く到着していた……しかし,早く到着しても,車に爆発物がないかどうかを犬の鼻で確認させるため長い列に,神経がおかしくなるくらい延々と並ばされるだけ。検問所から内側,小さな駐車場で立っているなんて,私としては楽しい時間とは思えない。誰もが互いにちらちらを目を配り,あれは誘拐犯だろうか,遠くにあるあの車は爆弾だろうか,と思っている。

むろん,離れてはいるがそんなに遠くはないところでランダムに銃声がしているということには,そんなことは何にもならない。

アブ・タラットがついに通行を許可されて,友人のハリールと私はさっさと移動する。親愛なる友人にして通訳である彼と再会できたことのほかに,新たな友人を得たことは,この日の明るい出来事だった。

車が給油のために何キロも列を作っている。人々がガソリンスタンド【photo】の前でジェリー缶(19リットルの缶)を運んでいる【photo】。それを追い越しつつ,車内で私はふたりに言った。「こんなひどい状況でこんなことを言うのもおかしなことだけど,バグダードが懐かしくてしかたなくてね。戻ってこられてうれしいよ。」

ハリールは笑って「みんなそう言うんだよね,この場所のことを」とこたえる。

彼は自宅での盛大なイラク式ランチに私たちを招いた。もちろんイラクのシャイ(茶)とすばらしい会話つきのランチ。電気は通電したり停電したりで,バグダードのほとんどが1日に平均4時間しか電気が来ないのだが,それはさておき,世界で最も危険な首都の友人たちにとってはつかの間の平常。

しかし,平常な時間はここで終了。

今日,バグダード南部で警察署に自動車爆弾が突っ込んで8人を殺した。そのうちの3人はイラク警察だった。この爆発で10人が負傷した。

バグダード警察副所長のBrigadier Amer Ali Nayefとその息子のハリード・アメール警部補が,今日,バグダード南部のドーラ地区で暗殺された。彼らの車は今朝出勤途中で銃撃を浴びせられた。この1週間足らずの間に暗殺されたイラク人高官は2人目だ。この前の火曜日に,バグダードのアリ・アル=ハイダリ州知事が,6人のボディガードと一緒に,銃撃されて暗殺されたばかりだ。

しかし,州知事殺害の目撃者の語る事件の詳細は,ニュースには流れなかった。車列はよく連携された攻撃で襲われた。バグダードの街路に沿って立つタバコ売りの露天に配備された戦闘員が2グループ,知事を待っていた。さらに,近くの商店の屋上にもガンマンたちがいた。車列が襲撃され,知事らの車は逃れたが,ガンマンを満載した車に追跡され,そしてガンマンたちは仕事を完了した。撃たれた民間人は,知事のボディーガードの放ったランダムな銃撃に当たった者たちだけだった。

ファルージャの破壊(demolition)は続いている。ファルージャ内部にいる私の情報源の2人が,それぞれ別の区域に住んでいるのだが,軍は今では家屋を燃やしていると報告している。ブービー・トラップを発見し,家屋の中で家具を積み上げてガソリンをかけ,燃やしているということのようだ。

それでも依然として,今日もまた海兵隊員がひとりファルージャで殺された。

バグダードでは今日,またブラッドレー戦闘車両が破壊された。レジスタンス(the resistance)は攻撃に際し,より大きな爆弾を使っている。この爆発で兵士2人が死亡し,4人が負傷した。

そんなに前のことではないが,やはりブラッドレーが1台,こういった大きな爆発物で爆破されている。そのときは兵士6人が死亡した。

バグダードじゅうにサイレンが鳴り響く。ランダムな銃撃が,いつものごとく,市のあちこちではっせいする。そして英軍は400名増員する。

選挙に関しては,バグダードではいくつかすてきな看板【photo】が見られる。投票をしようと呼びかけるものだ。

私のイラク人の友人たちの何人かは,投票するのはイラク人の2割くらいに過ぎないだろうと言っている。誰が彼らを責めることができよう? レジスタンスは,選挙の日には投票所を狙撃すると宣言している。投票所に自爆の自動車爆弾が突っ込んでくる可能性も高い。いかなるタイプの選挙であれ,その前にセキュリティを改善すれば,かっこいい看板【photo】よりも,人々を投票所に向かわせる効果が高いだろう。

というわけで,いつものごとく,占領されたイラクというおそろしいカタストロフィーは,日に日に悪化しつつある。
Posted by Dahr_Jamail at January 10, 2005 06:06 PM


投稿者:いけだ
2005-01-18 21:32:18