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2005/02/07

イラク選挙に関する簡単なガイド(1)

ファルージャ2004年4月』著者の一人で「ファルージャの目撃者より」を書いたジョー・ワイルディングのイラク選挙ガイド。

占領下で米軍による攻撃と監視、レジスタンスによる爆弾攻撃が行われている中、基本的な対立政党の立候補などもないそもそもからのイカサマ選挙ですが、それでも技術的詳細は大切だと思いますので、紹介します。

イラク選挙に関する簡単なガイド
ジョー・ワイルディング
2005年1月27日
原文

1.イラク人は政党や個人にではなくリストに投票する。
・個人や政党の候補は非常に少なく、大多数はリストの一部となっている。例えば、「シーア派中枢リスト」や他のシーア派リストいくつか、そしてクルド人のリストがいくつかある、などなど。
・リストには合計で7000人以上の候補が含まれているが、その多くは安全上の問題から名前さえ挙げられていない。
・したがって、人々は人物や政党の信頼性や政策にもとづいてではなく、エスニック・グループや民族集団、宗教グループなどにしたがって投票することを余儀なくされることになる。

2.イラクの人々には大統領や首相を選出する機会はない。
・選挙により275名からなる国会が作られ、国会で3名からなる大統領評議会が選ばれる。その評議会が首相を選ぶ。「暫定法」には書かれていないが、選出は275名の議員の中から行われることになる。

3.国会に選ばれた議員の中で地域を代表する者はいない。
・米国の元総督ポール・ブレマーは、イラク全体を一つの選挙区として、選挙は全国比例制となった。
・投票数の275分の1の票を得れば、同じ町あるいは州から他に何人が選ばれていようと当選する。
・この投票制では、全国レベルで投票率が高いグループが過剰に代表を多く選ぶことになる。例えば、治安状況が良好で人々が選挙を望んでいるクルディスタンでは、クルド人代表を多く送り込むことになりそうである。もちろん、過去数十年にわたってクルド人は自らの代表を持たなかった(これはウィンストン・チャーチルとその後継者たちのおかげでもある)が、単にその不正を逆転させるだけでは解決にならない。

4.イラクの広い範囲で投票が可能とは思えない。
・暫定政権指導者アヤド・アラウィは、4つの州で治安状況から投票が難しいと述べている。彼はその中に人口の半分が集中するバグダードが含まれていることは述べなかった。
・ファルージャの人々は投票登録もできず投票カードも手にしていない。
・多くのイラク人が、たくさんの攻撃や争乱は占領軍が秘密作戦を引き起こしていると考えている。このような秘密作戦は、暫定首相アラウィと現在の米国属州総督(「大使」)ジョン・ネグロポンテの常套手段である。治安上「投票が難しい」地域は、「お気に召さない」候補に有権者が投票するかも知れない地域である。
・いくつかの地域では脅迫があった。フェリシティ・アーブスノットは、ある家族を地元の店員が訪れ配給手帳を「安全のため」よこせと求めたことを報じている。配給手帳は投票のIDとして必要なので家族は断ったが、後にその店員は涙ながらに再びやってきて、全員の配給手帳を集めないと家族を殺すと脅されていると語った。

5.投票規則と誰が候補になれるかは基本的に米国が決めている。
・投票規則を定めたのは「独立イラク選挙委員会」とか何とか言う委員会である。このグループのメンバーは、一人か二人を除いて、ポール・ブレマーが「権力」を6月に委譲する前に指名した。
・委員会は候補や組織を除外する絶対的権限を持っている。委員会は何人もの候補を禁じたが、秘密になされたため、誰も誰がどのような理由で立候補を禁止されたかわかっていない。法のしかるべき手続きは存在せず、禁止前に候補に対して禁止を立件することもない。
・参加する候補と組織は宣誓してブレマーが押しつけた法律に忠誠を誓わなくてはならない。
・立候補禁止条件の一つは「道徳的劣行」である。これ自身はさほど珍しくはない----例えば、一定の犯罪で有罪判決を受けた人の立候補を禁じている国は多い。けれども、この禁止事項は米国が暫定政権に指名し大規模な汚職で有罪判決を(不在裁判で)受けたアフメッド・チャラビや、サダム支配下のイラクでスクールバスや映画館などの爆撃を司令したCIA工作員であり米国に指名された暫定政権首相アヤド・アラウィには適用されない。

6.亡命/国外投票者が結果を左右すると考えられる
・イラクの外に住んでいる極めて多くのイラク人が投票できる。英国に三カ所、米国に数カ所そして世界中で14カ国に投票所が設置される。在外有権者に有権者登録をする誘いは選択的になされているようである

・国連は在外投票が不正を伴いやすいとして反対したが選挙計画者たちは聞き入れなかった。
・在外投票者はイラク内部の人々のように安全上の問題がないため、投票できる人は投票すると思われる。
・投票資格の基準は不明確であるが、イラクに住んだことがなくても両親がイラクに住んだことがあれば投票できるようである。

7.政党や個人の中には米国から資金供与を受けている者もある。
・米国共和党と結びついた組織である国際共和インスティチュートは一部のグループのキャンペーンに資金を提供しており、それらグループは極めて有利となった。
・同インスティチュートは在外投票も組織していると考えられている。
・このインスティチュートはベネスエラでクーデターを仕組んだりしている。

以下第8項から第11項までは続く。


投票者:益岡
2005-02-04 08:43:37