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2005/02/07

イラク選挙に関する簡単なガイド(2)

ファルージャ2004年4月』著者の一人で「ファルージャの目撃者より」を書いたジョー・ワイルディングのイラク選挙ガイド(続)。


イラク選挙に関する簡単なガイド
ジョー・ワイルディング
2005年1月27日
原文

8.誰が選挙に勝っても、占領は続く
・米軍は巨大な基地をイラクに設けており、イラク撤退の意志はない。
・米国はイラクでの戦争に既に1000億ドル以上をつぎ込んでいる。ブッシュはさらに戦争継続経費として800億ドルを求めている。
・米国政府関係者は、多くは匿名で、選挙は米国政府が定めた条件の範囲内でのみ自由になされることが認められるという点をはっきりさせている。ある関係者によると、米国は一定範囲での神権政治を「我慢する」準備があるという。
・匿名のシーア派関係者が述べたように、イラクの候補は「停止線」の存在に気付いている。選挙で選ばれた者たちは自ら選んだ政策を自由に実施することができない。

9.新政府は既に手足を縛られている
・次の投票(憲法をめぐるもの)はブレマーが決めた法律のもとで行わなくてはならないことになっている。18州知事の3人が集まれば、憲法が90%の票により賛成されたとしても、拒否することができる。
・ブレマーだけでなく占領者が新たな法を実施することは不法行為である。というのも、占領者は占領した国の法律を変えることを許されていないからである。それにもかかわらず、ブレマーはイラクのあらゆるものを私営化することを決め、暫定政権はそれに署名して法とした。これにより100%の外国による所有あるいは少なくとも40年にわたる海外への租借が認められた。資源や生活設備、公共サービスがそれに含まれている。
・治安が悪いため、今のところほとんど売却されたものはないが、この不法な法は将来の政府をも拘束するとされている。
・イラクは負債の輸出に対する比率で言うと世界で最も大きな負債を抱えた国である。サダムが行なった戦争により今や1800億ドルにのぼる大規模な負債を抱えることとなった。西側諸国とIMFは喜んでサダムに貸し付けや武器売却を行なっていた。その中にはクルド人を攻撃するために使われた化学兵器や関連ハードウェアも含まれている。それに加えて、クウェート侵略の賠償請求(300億ドル)がある。この請求は主として想像しがたいほどリッチな石油企業等から出されている。イラクが負債の返却をできなかったときにずっと積み上げられてきた複合的な利息も加えられ、負債額は巨大である。
・パリ・クラブ等は「構造調整」プログラムのヒモ付きで負債削減パッケージに合意した。これによってイラクはアルゼンチンやルーマニアをはじめとする世界資本主義の破滅的政策に追いやられた諸国の後を追う
ことになる。負債免除の3割は無条件で、3割は「標準的IMF政策」を受け入れることにかかっており、2割はIMF政策実施をめぐる3年の評価にかかっている。イラクはそれに抵抗する切り札を何一つ有していない。
・IMFが示した条件のうち2つは次のようなものである。一つはイラク石油産業を「開放」すること(極めて安くブッシュ屋たちに売却する)。もう一つは食糧配給の削減である。食料の配給は現在行われている唯一の主な社会福祉プログラムで、これを廃止する理由は、現在は金のない人々も無料で食料を得ているが
、代金を支払うべきだというものらしい。有力な議員候補はこれらすべてに合意している----だからこそ資金援助を得て有力候補となることができたのである。
・条件つきながら約束された期間の負債免除の後に残された負債は、今後何十年もイラクを奉仕的状況に置くに十分以上の額である。

10.イラクには自由なメディアは一つもない
・アラウィとお仲間たちは、メディアは政府の見解を反映した出来事のバージョンを発表しなくてはならないとの規則を発布した。
・アラウィに「敬意を払わない」メディアは禁じられる。
・これに従うことを拒否したために、アルジャジーラとアルアラビヤそして多くの小さな報道局が既に禁止された。

11.イラクの人々はこの選挙を求めて闘ってきた
・昨年、イラクの人々は選挙実施を求める大規模なデモを行なった。他のデモに対して「連合軍」が発砲してきたことを考えると、イラクの人々が身の危険を犯して選挙を求めたといっても誇張ではない。
・占領軍・占領者が譲歩して選挙をねじ曲げ自分たちの有利に使おうとし始めたのは、それまで静かだったエスニックグループや地域の人々が何千人も不満を表明するのに直面したときである。
・選挙に押しつけられたねじ曲げに対する反対は全国に広がっている。占領に反対する何千人もの人々がイラク全土で拘束された(戒厳令のもとで)。
・明らかに望ましい選択肢は占領を終わらせることであるが、暫定政権----選挙委員のことは言うまい----よりも遙かに人々の意向を反映しているグループであるイラク国民基金会議(INFC)の選挙をよりフェアにしようとするための要求がある:
1)国際的なおよびアラブ・イスラム世界で公平性と誠実さで信頼を集めている人々からなる委員会によって選挙を監視すること。
2)この委員会は選挙のあらゆる段階で地方委員会を指導すること。
3)透明性と誠実性のあらゆる基準に反して米国人元統治官により指名されたいまだに匿名の常設選挙委員会を基本的に変えること。最低限:
a.選挙に参加するリストから代表を加えること。
b.誠実さで知られるイラクの現・元判事を多数加えること。
c.恣意的に候補者を選挙から除外する権利を取り除くこと。ただし、法的手続きで有罪とされた候補の場合を除く。
4)あらゆる都市と町で安全で公平な選挙実施の手だてを採ること。以下のように:
a.町や近郊へのあらゆる軍事作戦をただちに停止すること。
b.選挙の少なくとも1カ月前にすべての占領軍を町や近郊から撤退させること。
c.とりわけ特定の告発を受けていない者をはじめとして、政治的立場にかかわらず、あらゆる政治囚を釈放すること。

本リストの作成とその理解にあたっては、ダール・ジャマイル、エワ・ジャシウィックス、荒野の声のガブリエル・カーライル、そしてイラクの沢山の友人たちに感謝する。


投票者:益岡
2005-02-05 17:15:05