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2005/03/22

米軍,アブ・グレイブに年少者を拘束(BBC,3月11日)

アブ・グレイブ刑務所(通称)でのいわゆる「捕虜虐待」について,先週,米軍の最終報告書が出されました。報告書の現物は私は見ていないのですが,報道されていたことを記憶にある範囲でまとめると,「一部の不届き者があのようなことを行なった」のであり「軍の責任は,一部の不届き者を止められなかったことに対してはあるが,あのようなことが行なわれたのは軍の責任ではない」という結論であるとのことでした。

私が見たニュースでは,これについて「それで問題が解決するのでしょうか。困ったものですね」と言っているのかな,という印象を受けるような感じの報道でした。

一方,11日の英BBCは,ちょっと違った切り口の記事を立てています。英国は,1)米軍のグアンタナモ収容所(ここでは「苛烈な尋問手段」がとられている)に自国人が拘束されていた 2)英軍もまたイラクにおいて「捕虜虐待」を行なっていた/いる という点で「他人事ではない」という意識があるんではないかと私は強く感じます。

当ウェブログの13日記事(ラフール・マハジャン)とあわせてお読みください。

米軍,アブ・グレイブに年少者を拘束
US held youngsters at Abu Ghraib
Last Updated: Friday, 11 March, 2005, 11:32 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/americas/4339511.stm
※原文が回りくどいところはまとめてあります。そのため,パラグラフの順番が入れ替わっています。直訳ではないので,元の記事とはニュアンスが異なると思います。「少年juveniles」「子どもchildren」「年少者youngsters, young people」それぞれの定義がどうなっているのかは,この記事ではちょっとわかりません。ただ単に同語反復を避けるための言い換えかもしれませんし,それぞれ別の定義があるのかもしれません。

わずか11歳という年齢の子どもたちがアブ・グレイブ刑務所に拘束されていたことが,公式の書類で明らかになった。

この文書には,一例として,酒に酔った米兵4人が17歳の女性の収容者を監房から連れ出し,強制して胸を露出させた上でキスをした,という目撃者証言がある。また,米軍は拘束していたイラク軍司令官の息子(17歳)に泥を塗りたくり,息子が寒さに震えるのを父親に強制的に見させていた,というケースも報告されている。

ペンタゴンは,拘束されていた人々の中に少年がいたことを認めてはいるが,虐待(abuse)を受けた子どもはひとりもいないとしている。

2003年7月から11月まで,アブ・グレイブ刑務所の責任者を務めていたジェイン・カルピンスキー准将が,刑務所に拘束されていた年少者や女性についての詳細を述べた部分が,アメリカのACLUが法的手続きを経て入手した文書のうち,2004年5月にアブ・グレイブ刑務所での虐待(abuse)についての調査の一環としてカルピンスキー准将に対し,ジョージ・フェイ少将【=調査責任者】によって行なわれた聞き取りを書き起こしたものに含まれている。

准将は,同刑務所に収容されていた最も年齢の低い収容者のもとを頻繁に訪れたと語り,ある男の子は「8歳くらいに見えた」と聞き取り調査で述べている。「その子は私にはもうすぐ12歳になりますと言っていました。お兄さん【あるいは弟か?不明】も同じく収容されているとのことでしたが,お母さんに会いたくてたまらないと言っていました。お母さんに電話をかけ(call)させてくれと泣いていました。」

准将によれば,米軍が子どもや女性のアブ・グレイブでの拘束を開始したのは2003年半ば。年少者の拘束事由については,准将は語っていない。

また准将は,この聞き取りにおいて,諜報部職員が,記録を取らずに拘束を行なう合意を成立させていた(had worked out an agreement)と語っている。

ペンタゴンは,対象者が敵性戦闘員であり,したがって戦争捕虜保護の資格は与えられないとの原則に基づいて,いわゆる「幽霊収容者(ghost detainees)」を拘束していることを認めている。

カルピンスキー准将は,米軍司令官は収容者を解放することを嫌がっていた――准将はそれを指して「解放恐怖(releasophobia)」と言っている――と述べている。また准将は,2003年の夏に当時イラクの米陸軍ナンバー2であったウォルター・ウォジャコウスキー准将から,たとえ無実であろうともこれ以上収容者を解放してはならないと言われた,と語っている。

カルピンスキー准将によれば,ウォジャコウスキー准将は「無実の民間人を15000人収容していたって私は構わない。我々は戦争に勝利しつつあるのだ」と述べたという。

ACLUは,米軍施設で拷問された(were tortured)というイラク人4人とアフガニスタン人4人に代わって,ラムズフェルド国防長官を告訴している。長官は,自分も補佐官も虐待(abuses)を黙認したりオーソライズしたりしたことはない,と述べている。

アブ・グレイブでのスキャンダルについての米軍軍事法廷では,兵士7人が有罪判決を受けた。残る2人の裁判は現在も続いている。


ACLUの国防長官告訴については,3月2日のニュース記事(TBSのもの:Googleのキャッシュ)を少し引用しておきます:

 イラクのアブグレイブ刑務所などで起きた虐待事件などに絡み、アメリカの人権団体が、「拷問を容認していた」として、ラムズフェルド国防長官を 告訴しました。

 「ラムズフェルド長官を告訴するのは、彼の承認した政策と、拷問や誤った尋問方法をとったこと、それに彼が拷問や虐待を止めなかったことによる」(人権団体のルーカス・グッテンターグ氏)
 
 告訴したのは「アメリカ自由人権協会」など、2つの人権団体で、イラクのアブグレイブ刑務所やアフガニスタンなどで、アメリカ兵によって拷問・虐待を受けた8人の訴えに基づき、調査を進めていました。

……中略……

一連の虐待・拷問事件に絡んで、ラムズフェルド国防長官という軍のトップがアメリカ国内で告訴されたのは、これが初めてのケースです。(2日 9:01 )


具体的には,長官がグアンタナモ(キャンプXレイ)における「圧迫を加える」尋問方法の容認文書に署名し(2002年12月),グアンタナモでの拷問が発覚してからも「それを黙認する態度を続け」たことについて,「法に基づき適切な処罰を受けるべき」というのが告訴理由。

一方で,BBCには,3月8日に米軍が重傷を負っている収容者を蹴ったり,死体の腕を振らせたりしている様子をビデオに撮影していたという記事が出ています。これについては別に改めて。

投稿者:いけだ
2005-03-14 21:54:08