イラク人レジスタンスからのメッセージ
私たちが9/11をやったのではない
イラク人レジスタンスからのメッセージ
2005年1月17日
ギャリー・ラップ
CounterPunch原文
1月13日ロイター通信とケーブル・ニュース・ネットワークはイラク発の大変興味深い短いビデオについて報道していた。このビデオは「世界中の人々へ」向けられたものであった。私はこれをantiwar.comからリンクされているInformation Clearing Houseから2004年12月19日に既にオンラインで見ており、これは重要だと考え以下の草稿を書いていた。これがニュースに値すると判断するまで主流派メディアで3週間もかかったのは何故か不思議である。
このビデオは「イスラミック・ジハード軍」と呼ばれるグループの「メディア部隊」により英語でエレガントに作られている。冒頭の軍楽とともに現れる書かれたメッセージから、イスラミック・ジハード軍がイラク・イスラム軍とイスラミック・ジハード旅団とが合体してできたものであり、軍は他の9組織及び「様々な支援細胞」とともに「ムジャヒディーン共同司令部に報告する」組織であることがわかる。
このビデオがこれからも長いこと入手可能であるとは思えないので、関心のある方はサイトをただちにチェックしてほしい(サイトは、http colon slash slash informationclearinghouse dot info slash article 7468 dot htmである)。
メッセージの書き起こし原稿もこのサイトにあるので、お望みならば、印刷して友人にそれを回覧することも可能である。もちろん、私は皆さんにそうするよう示唆しているわけではない。テロリズムに「物質的援助」を与えることを禁ずる法律があり、もし私がこの資料(米国政府がテロリストと判断しているグループが作成した)を回覧するよう求めるならば、私は定義上、支援していることになるからである。同様に私はこのビデオのプレゼンテーションについて「妥当な」とか「感動的な」といった形容詞も使わない。ただ無感情にまとめるだけにする。
このビデオはレジスタンス運動を「恐怖よりも原則を選び取った単純な人々」によって行われているものとしている。この選択は、侵略だけでなく国連の「制裁----それを私たちは真の大量破壊兵器と考えています----」からももたらされている。
ビデオは侵略を地政学的な言葉で説明しており、単細胞的にイスラムと西洋の戦いだとか、阿呆みたいに神と邪悪の戦いだとか言ってはいない。語り手は、「私たちは大洋と海を越えて英国や米国を占領しに行きはしませんでした」と宣言する。「また私たちは9/11を行なってもいません。これらは、成長しつつある中国と強固に統一する欧州の前で、世界のエネルギー資源を統制しようという真の計画を隠蔽するために犯罪者たちが持ち出した嘘の一部なのです。この大規模で増大しつつある対立の中で、世界中でまどろむ人々のために、イラク人がその被害を一手に引き受けなくてはならないというのはアイロニカルなものです」。
ビデオは暗に、イラク人レジスタンスを帝国主義的グローバル化に反対する国際運動と結びつけており、「英国でと米国でとを含め、この戦争とグローバリズムに抗議して路上に出たすべての人々」に感謝している。ビデオは戦争に対して「賢明でバランスの取れた」立場を維持したことについてフランスとドイツに感謝し、アメリカ合州国の人々に対しては「終わりなく再生される恐怖」により「全体的に苦しめられている」として同情を表明している。
ビデオは世界中の人々に、「戦争と制裁に反対する世界的な前線を作るよう」呼びかけている。ここでメッセージは少し不思議なものとなる。この戦線は「改革と秩序をもたらす」「賢明で思慮深い人々により統御され」、「現在の腐敗したものに代わる」「新たな機構」を創生するものであるべきと述べているのである。けれどもメッセージは同時に現実的で具体的でもある:「米ドルの仕様をやめ、ユーロや他の通貨を使いましょう。英米製品の消費を削減するかやめるかしましょう。シオニズムが世界を終わらせる前にシオニズムを止めましょう」。
死亡した外国兵士のおぞましい写真とともに、ビデオは次のように語る:「私たちは、彼らの真の敗北を世界に見せるためにもっとカメラを沢山もっていればと望んでいます」。ビデオでは敵は「敗走」しうち倒されていると述べ、同時に、侵略者たちの苦しみに同情を示している。もし「皆さんが武器を捨てるならば」、「私たちは皆さんを守り、イラクを脱出させるでしょう。皆さんの前に何人かに対してしたように」とも語っている。
恐らくは米国が「外国人戦士たち」がイラクに入ってきて[!]ゲリラの中でかなりの役割を果たしていると非難したことに対する応答として、「私たちは武器や戦士を求めません。というのも、既に沢山あるからです」と述べている。
最後に、話してはなめらかで自信のある声で、侵略してきた敵に向けて、「家へ、家族のもとへ、愛する人々のもとへ帰りなさい」と促している。これはあなたの戦争ではない、またあなたたちはイラクで真の大義のために戦っているわけではない。そしてジョージ・W・ブッシュに対しては、「あなたは私たちに『かかってこい』と言いました。そこで私たちはそのようにしました。他に挑発はあるのでしょうか?」と問うている。
グループの名前に反して、語り手はイスラム主義を政治的ドクトリンとして宣伝してはいない。彼は神にも宗教にもまったく言及していない。例外は、米軍兵士に対して、皆さんは「私たちとともに圧政と戦うのを選ぶことができます」と言い、「私たちのモスクや教会、家に避難することができす」と言っているときを除いては。そして、一度も、ただの一度も、彼は「私たちは皆さんの自由を憎んでいます」とは言っていないのである。
ギャリー・ラップはタフツ大学の歴史学教授で、比較宗教学の兼任教授。「Servants, Shophands and Laborers in in the Cities of Tokugawa Japan」「Male Colors: The Construction of Homosexuality in Tokugawa Japan」「Interracial Intimacy in Japan: Western Men and Japanese Women, 1543-1900」の著書がある。彼はまたイラク・アフガニスタン・ユーゴでの冷酷な戦争の年譜である「Imperial Crusades」に執筆している。メールはgleupp(atmarkhere)granite.tufts.edu.
「至高の国際犯罪」である侵略をイラクに行い、人口30万人の都市に化学兵器による空襲を加えて数千人を殺し町を廃墟にし、政府自身が拷問を許可する覚え書きを配布して、収容所に押し込んだ民間人を含む多数の人々に体系的に拷問を加え、石油を略奪し、農家には自家製の種子を使わせず米国大企業の遺伝子組替種子の利用を強制する。
これら政策を行なってきたジョージ・W・ブッシュは、「自由」と言う言葉を就任演説で、四十数回も用いたとのことです。侵略の自由、略奪の自由、空襲による無差別殺人の自由、国際法に違反する自由、拷問・強姦・殺人・略奪の自由。
日本のメディアの多くは、犯罪者の声を大本営発表として流し続けています。
投稿者:益岡
2005-01-22 12:16:38
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