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2005/01/23

「予想されたほどの混乱はなく」(ジャマイル,1月13日)

バグダードに戻ったダール・ジャマイルのウェブログ,1月13日の記事。「予想ほどの混乱はなく」は「混乱はなく」と同義ではない。

落ち着きの感じられぬ平穏
A Restless Calm ...
Dahr Jamail, January 13, 2005
http://dahrjamailiraq.com/weblog/archives/dispatches/000167.php

すぐ近くの「グリーン・ゾーン」で迫撃砲が炸裂しているなか,私はキーボードをたたいている。迫撃砲は簡単にそうだとわかる――発射されるときに高いピッチの音(thunk)がする。それから間を置いて,静かな夜を貫いて轟音(boom)が響く。遠くでつんざくようなサイレン音が鳴り響き,同時に散発的な銃声がする。バグダード中心部のこの地域では,日が落ちるとともに動きが生じるようだ――つい昨晩も,私の部屋の窓の外で,多くの銃声が,ぱらぱらとしていた。

今日はバグダードのアル=アダミヤ地区に行ったのだが,同地区にある米軍基地は迫撃砲を8回撃ちこまれた。私たちが通りに面した食堂で大きな皿に載ったケバブを食べ終えたところに,迫撃砲の音がした。食事を終えたあとに,私たちのテーブルに年老いた女性がやってきて,残った食べ物をいただけませんか,と言った。

ビニール袋を2枚取り出して,私たちが手をつけてあったサラダと,余ったパンをその中に入れ,女性は私たちにありがとうございます,神の祝福をと言い,そして足を引き引き立ち去っていった……アブ・タラットと私は急いで女性に追いつくと,ディナール札を少し渡した。私たちは,それについては何も話をすることなく,車へと歩いて戻った。

最近みながバグダードは平穏だねと言っているが,おかしなことだ。選挙が近づけば事態は悪化すると予想していたのだ。予想していたよりはましだということだ。もしこれが平穏であるならば……。

平穏とは,軍が毎日攻撃を受けた回数を発表しないことらしい。最後に発表された数字では,認められているだけで1日あたり70だった……おそらく実際はこれよりも多い。

銀行の警備員4人を乗せたヴァンが破壊され,警備員たちを焼き殺すことも,平穏ということらしい。アル=アンバール州(ファルージャと読みかえる)でまた米兵が1人殺されたということも,サマラでイラク兵4人が殺されたことも,デュリュイヤ(Duluiya)ではイラク兵が検問所で車に乗っているイラク人一般市民3人を殺戮した(slaughter)ということも。このほかにも,ラマディの西にあるHiytではロケット弾の攻撃で米軍車両2台が破壊された。やはりラマディの西にあるハクラニヤ(Haqlaniya)では,路上爆弾がパトロール隊のそばで爆発し,米軍車両2台を破壊した。どちらの攻撃についても死傷者数はまだ一切述べられていないが,目撃した人たちは,Hiyt近くの攻撃現場からは血まみれの兵士たちがヘリで搬送されるのを見たと報告している。

Hiytもハクラニヤも,位置的に,ファルージャに近い。

平穏とは,毎日バグダードじゅうで散発的に迫撃砲攻撃や銃撃があることを言うらしい。平穏とは,今日はモスルで自動車爆弾が2台爆発したことを言うらしい――1台はヴァンに積んだ爆弾での自爆で,米軍の車列に当たり損ねて,一般市民(人数はわかっていない)を殺した。もう1台は乗用車に積んだ爆弾での自爆で,イラク兵士2人を殺した。

そして平穏とは,ガソリンの給油を待つために6マイルも並ぶ(photo)ことを言うらしい。

バグダードでしばらく車を走らせれば,必ず給油待ちの列に出くわす。幹線道路(photo)や脇道(photo)に車が列をなし,人々は車から出て外に立って待ち(photo),聖なるガソリンスタンドに向かって列がほんの数メートル動くたびに,人力で車を押す。イラクの失業率は70パーセント,イラク人にとって最も一般的なフルタイムの仕事とは,ガソリンを手に入れることだ。

今よりさらに多くのガソリンスタンドが閉鎖され,闇市でも供給が途絶えるようになったらどうやって仕事をしようかと考えつつ,また渋滞にはまっていたときに,私はアブ・タラットに「ロバが使えないかなあ」と言ってみた。「きみは車を運転する。僕はロバの背中に乗って,ノートに書いたり写真を撮ったりする。」

「なるほど,そりゃ確かに選択肢としてはありだね」と彼は笑う。「ガソリンを運ぶタンクローリーを盗もうとするよりは,絶対まともなアイディアだし。」

前にそれを考えたことがあるけど。

今日は,前政権の諜報機関にいた男性に話を聞いた。その人は私に,ファルージャに行きたいかと訊いた。

「いや,やめておきます,今は」と私は言った。小さなテーブルを挟んで向かい合って座り,ミランダというオレンジジュースを飲みながら,私はその男性と話をしていた。部屋はカーテンを閉めているので暗い。男性は名を明らかにしないという条件で,私に話してくれている……私の衛星電話は彼に渡してあり,さらにその電話はこの建物の別な場所に置かれている。

「通話中でなくても衛星電話は場所がわかるので」と,男性は私に説明した。「SIMカードを抜かない限りは,どこにあるのかがわかってしまう。」

役立つ情報だ。自分がそれを活用することがなければいいが。今のイラクでは,こんなに興味深い話が続々と出てくる。

男性は,ファルージャについて知っていることを,ざっと話してくれた。軍が市へ入るメインのチェックポイント2箇所と,破壊され尽くしたたファルージャの残された部分を隔てている主要な道路を管理している。「今もまだ,占領者に対抗する現地のムジャヒディーンから,1日に25回の攻撃がある」と彼は言う。「レジスタンスは今日に至るまでファルージャの大きな面積を掌握している。」

これがどの程度正確なのか,だれにもわからない。ファルージャの周囲は軍の警戒線で囲まれ,それが本当なのかどうかを確認することは,今はほぼ不可能である。

男性の話では,攻撃の期間に殺された人々のうち,戦士はわずか3パーセントであり,残りは一般市民であるという。これは少々低すぎると私は確信しているが,米国側の,死者2000人のうちの1200から1300人が戦士であったという推定よりは,真実に近いことは確かだ。そしてファルージャで殺された人は一人残らず戦士であったというアラウィの声明よりは,絶対に,真実に近い。イラク赤新月社のメンバーでさえも,遺体の過半数,少なくとも60パーセントは,女性と子どもと老人のものであった,と述べているのだから。

男性は突然「ということで,これで終わりです」と言い,インタビューは終了。

私たちは男性にお時間をどうもありがとうございましたと礼を述べ,通りに戻る。

バグダードのそこかしこで,上空に,白い軍事偵察バルーン(photo)が浮かんでいる。

ピックアップ・トラックの荷台に間に合わせのマシンガンを持って乗り込んでいるイラク軍(この前まではイラク国家警備隊Iraqi National Guardという名称だった)のほとんどが,黒いフェイスマスクを着用している。てっぺんに50口径銃を据えつけ,ロケットランチャーを背負った兵士たちが乗り込んでいるハムヴィー【注:Humvee,米軍の多目的車両】と比べると,イラク軍はおもちゃを持った子どもに見える。米兵たちの顔はヘルメットとゴーグルで隠されている。

この「平穏な」時間も,バグダードは落ち着きは感じていない。1月30日に向けて時計が時を刻んでいくにつれて,何かを待っているような雰囲気が感じられる。あたかも,私たちはみな,今にも爆弾とか激しい戦闘が始まるのを待っているかのようである。あるいは,選挙後までそれは起こらないかもしれない……誰にもわからない。

今日の午後,幹線道路で車を走らせていると,1台のヴァンが通り過ぎていった。そのヴァンに乗っていた男性が,車に向けて拳銃を振っていた……車は道を空け,そのヴァンはスピードを上げて進んでいくことができる。

こっちもつられて笑ってしまうほど,腹の底からゲラゲラと笑って,「これが俺たちの文明」とアブ・タラットが言い,そしてものすごくきつい「ゴールド・シール」のタバコにまた火をつける。

ここでは,笑わなければ,精神状態はあっという間に崩れてしまう。

Posted by Dahr_Jamail at January 13, 2005 06:16 PM


投稿者:いけだ
2005-01-22 20:34:00