もう少し,「写真」について。
1月21日のElectronic Iraqに,Omar KhanによるNotes on a Photographic Messageという記事があります。
今は読むだけでいっぱいいっぱいで,日本語にすることができなくて申し訳ないのですが,ニューヨーク・タイムズ紙の1面に掲載された,「バグダードの街角のポスター」(選挙を呼びかけるもの)を撮影した報道写真をめぐる文章です。
この「街角に貼られている投票呼びかけのポスターの写真」と,15日ジャマイル記事(バグダードのヤルムーク病院のモルグでの写真)や,20日ジャマイル記事(昨年11月に米兵が身元確認のための資料として撮影した写真)とを立て続けに見て,私の頭はぐるんぐるんしています。
いずれも,「そこにあるものを写し取った」という点では,「真実の写し(mere images of the truth)」(Sontag)です。現実に,こういう図柄のポスターがあり,そのポスターを壁に貼る人がいた。現実に,病院のモルグには腐敗しつつある死体がたくさんあった。現実に,ファルージャではたくさんの死体があって,それに番号札を添えてカメラにおさめた。
あれもこれも,実際にあった/あるもの。
文章がうまく書けなくて申し訳ないのですが,いくつか箇条書き形式で,写真が見られるURLを掲載しておきます。ソースはすべて,英ガーディアン。
■2004年11月,ファルージャの戦士たち:
http://www.guardian.co.uk/gall/0,8542,1346911,00.html
撮影者:Ghaith Abdul-Ahad(これらの写真に対応する記事はこちらです)
※なお,Ghaithは,昨年9月のハイファ・ストリートの記録もしています→当該記事。
■2005年1月11日,ゴーストの町(ファルージャ):
http://www.guardian.co.uk/gall/0,8542,1387763,00.html
英チャンネル4で放映されたニュース・フィルム(→当ウェブログでの記事|フィルムのスクリプト)
■2005年1月18日,選挙(バグダードなど):
http://www.guardian.co.uk/gall/0,8542,1393185,00.html
アラウィの顔の一部のどアップの写真のポスターの前に,黒覆面にカラシニコフの男性がいる写真がありますが,この黒覆面は,キャプションによると,イラク警察の人だそうです。
蛇足ですが,私はこれに非常によく似た写真を見たことを思い出しました……北アイルランドのベルファストで,ボビー・サンズというIRA活動家(獄中でハンスト死)の似顔絵を描いた壁の前にいる,黒覆面のIRAテロリスト,という写真。
■2005年1月,英軍「拷問/虐待」:
http://www.guardian.co.uk/gall/0,8542,1393803,00.html
※多忙のためフォローできてないのですが,南部のバスラの収容施設で英軍the Royal Regiment of Fusiliersの兵士が,拘束されているイラク人を「拷問/虐待」したことで,ドイツで開かれている軍事法廷に提出された証拠写真。米軍がアブ・グレイブで撮影していた写真のうち表に出たものよりえげつない(としか言いようがない)ものもあります。
それから……Faizaさんが撮影したバグダードも。(最近投稿されているのは,滞在先のシリアやヨルダン,エジプトのものです。次の写真は,2004年5月に撮影されたもの。バグダードのカフェにて。)
投稿者:いけだ
2005-01-23 03:59:10
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