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2005/02/24

ファルージャ状況

ファルージャを追放され国内難民となった人々の状況を、国連人道情報局の報告から紹介します。

ファルージャ状況
IRIN報告
2005年2月18日
ElectronicIraq原文

ファルージャ2005年2月17日:アブ・ムサーブとその家族は、冬服も毛布もあまり持たないまま、ファルージャの外にあるキャンプにとどまり、政府が自分たちの家----主とバグダードから約60キロ離れた町ファルージャで米軍とゲリラとの激しい戦いにより破壊された----について下すだろう決定を待っている。

ムサーブは戦闘により家を追われた何百という家族の一人である。この戦闘は2004年11月に始まり、3カ月近く続いてきた。彼の自宅を含む何千人もの人々の自宅はぺしゃんこになり、町には未だに基本的な設備さえないと援助団体は述べる。

国際赤十字社(ICRC)の報道官アフメド・ラーウィはIRINに対し、ファルージャ出身の国内避難民(IDP)たちが置かれている状況に対して、膨大な量の供給品が必要であると語った。

彼はまた、月々の食糧配給の配布にも問題があると語る。

ラーウィはまた、赤十字社は1月14日スタッフがゲリラに殺されて以来、イラク内での活動を停止していると述べる。「安全上の問題から我々は仕事を停止しており、劣悪な治安の中でイラク内部で活動するためにはどうすればよいか評価と検討を行っている。イラクの人々は、我々が中立であることを理解しなくてはならない」と彼は言う。

「ファルージャにいたとき、庭師としての仕事で家族を養っていました。今日、私は何一つ買うことができず、どんな組織からでもいいから援助を待っているところです。私の息子は病気ですが、私には薬を買う金さえありません。どうすればいいか本当にわかりません」とムスタファ・アル=アラニはIRINに言う。彼はファルージャから7キロほどのところにあるサクラウィヤのキャンプにいる5人家族の父親である。

ファルージャの医療スタッフは、ちゃんと機能しているのはファルージャの中央病院と二件の小さな医療センターだけであると苦情を述べる。また、病院が町の入り口近くにあるためアクセスが困難であるとも。彼らはまた、報告されている最も多い症状は、子どもの栄養失調と汚染された水による病気であると述べる。

ファルージャ内にある医療センターの一つで働くアムマル・アル=イサウイ医師はIRINに対し、政府は保険部門に緊急の投資をする必要があり、路上に溢れた瓦礫は健康に有害なので公共省はファルージャの掃除を始めなくてはならないと語る。

イラク保健省(MoH)は、国内避難民が暮らす地域のサービスは手一杯であると報告している。たとえば、サクラウィヤのクリニックでは一日平均600人から800人の診断を行っており、呼吸器疾患や下痢、疥癬が多数報告されているという。人々が密集しすぎており衛生状況がひどいためであるという。

米軍海兵隊第一部隊のピーター・スミス大佐によると、現在ファルージャには8000人近くが暮らしており、また、検問を通って約10万人が町に入ったと語る。ファルージャの総人口は以前は28万人だった。援助組織によると、戦闘の前と戦闘の間に、人口の3分の2が町を逃れたと言われている。

彼はまた、家族は電気や水の欠如に苦しんでおり、また多くの家が修復を要するが、状況はまもなく改善され始めるだろうと語る。「イラク政府は米軍兵士とともに懸命に活動しており、住民が自宅に戻れるよう安全と十分な状況を提供することができるだろう」とスミスはIRINに語った。

サッカーボールやお菓子を子どもたちに与える武装した海兵隊員のあとを走る子どもの姿も目撃されており、日常が訪れた兆しを見せている。けれども自宅の玄関に立ちすくんで町の沈黙を眺めるだけの家族の姿が目に付く。町で聞こえる唯一の音は、今や、日々の治安チェックのために通り過ぎる米軍の戦車の音だけである。

開いている店はほとんどなく、街角に果物や野菜を売る人々がわずかに見られる。電気と水道は今も十分動いておらず、家族は町中に配布された水タンクに水を満たすNGOの支援に頼っている。

NGOたちが心配しているもう一つの問題は、地雷や不発弾(UXO)が残されていることである。報告によると、家々や公共の建物は十分に整理されておらず、また危険を告げる情報も帰還者たちに十分に伝えられていないという。

「私たちはこれ以上の犠牲者を受け入れることができない。とりわけ最も危険にさらされている子どもたちを。ファルージャからUXOを取り除き人々が安全に歩き回れるようにすぐにすべきだ」とあるNGO職員はバグダードでIRINに語った。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は追加でテント200と毛布3000枚、暖房500個と500枚のビニール・シートを、ファルージャに帰還した人々に配布すべく、追放移民省(MoDM)に提供した。

一方、国連イラク支援団(UNAMI)は、声明の中で、水と衛生を担当する部門が7万人以上の国内避難民に対して約700万リットルの水を提供したと発表した。

ユニセフは毎日、ファルージャのすぐ外にあるハバニヤ、アミリヤ、カルマ、サクラウィヤの国内避難民が暮らす場所の約6万6500人に、毎日40万リットルの飲み水をトラック輸送している。

ユニセフは、ファルージャおよび周辺コミュニティ出身の推定10万人の子どもたちが、学校が占領され、破壊されまた人で溢れているために、まるまる一年の勉強を失う危険に晒されていると述べる。ファルージャ市内にある95の学校のうち開いているものは一つもなく、周辺地域に362ある学校のうち機能しているのは125校だけであるという。

イラク赤新月社がハバニヤとアミリヤ、サクラウィヤに送った最後のコンヴォイは3週間前で、毛布と持ち運び用水・食料供給を運び込んだという。

「我々は、ファルージャのIDPの援助の責任を新政府がとることを期待する。そしてファルージャ市内でできるだけ早く妥当な生活環境を保証し、彼らを援助する我々に最低限の安全を提供することを望む」とICRCのラーウィは言った。

この情報は国連IRIN人道情報局の「アフリカ=英語」サービスに提出されたものであるが、必ずしも国連の見解を反映しているものではない。さらなる情報・無料の購読・キーワードの変更については、Irin(atmarkhere)ocha.unon.orgにメールであるいはhttp://www.irinnews.orgにアクセスすること。この記事を再掲・複写・アーカイブ化あるいは再投稿する際には、このクレジットと断り書きを必ず入れること。商用サイトへの再掲にはIRINの書面での許可が必要である。

家を破壊され、仕事を失い、難民キャンプで病気の子どもを抱えた家族に訪れる冬。そうした人々を置き去りにしたまま喧伝される「選挙」。米軍が投下したクラスター爆弾の不発ボムレットが残される町。

反対勢力の攻撃で阻害される救援活動。町を破壊し尽くし人々を追放したあとで「間もなく安全になる」とのたまう米軍大佐。

占領軍兵士のあとを子どもが追うのが「正常さ」のきざしだとは、私にはどうしても思えません。そもそも占領軍が居座っていること自体、異常な状況以外の何ものでもないように思えます。

投稿者:益岡
2005-02-23 01:22:39