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2005/03/04

ダール・ジャマイルへのインタビュー(3月1日,Seven Oaks)

カナダ(バンクーバー)の雑誌,Seven Oaksのデリック・オキーフによるダール・ジャマイルのインタビュー。3月1日。

なお,下記の原本は,Dissident Voice掲載記事です(Seven Oaksの記事の転載)。

翻訳は極めて荒いです。あらかじめご了承ください。

占領されたイラクについて,ダール・ジャマイルとのインタビュー
An Interview With Dahr Jamail on Occupied Iraq
by Derrick O'Keefe
www.dissidentvoice.org
March 1, 2005
First Published in Seven Oaks Magazine
http://www.dissidentvoice.org/Mar05/OKeefe0302.htm


[編集者注:アラスカ州アンカレッジ出身のダール・ジャマイルは,占領されたイラクにおいて計8ヶ月を,ごく数少ない独立した米国のジャーナリストとして過ごした。ダールはDahrJamailIraq.comのウェブサイトと,人気の高いメーリングリスト【訳者注:日本風に言えば「メルマガ」】を利用して,イラクからの報告を行なってきた。彼の報告は占領されたイラクについて極めて重要なメディア情報源と認識されている。]


オキーフ(インタビュアー):あなたはイラクでエンベッドされていない記者であると紹介されています。こんにちの占領されたイラクにおいて,エンベッドされていないということは何を意味するのでしょうか。

ダール・ジャマイル:エンベッドされていないとは,本来,軍に従軍(エンベッド)していないということで,メインストリーム・メディアの記者とは違って実際にホテルの外に出てイラク人と話をし,街から取材するということです――誰かを代わりに送ってやってもらうのではなく,あるいは軍のプレスリリースを手に入れてそれを第一の情報源とするのでもなく。それが一番大きな違いですね。

オキーフ:あなたが行かれた場所ひとつにファルージャがあります。攻撃された後のファルージャですね。最も最近の米軍による攻撃【訳注:2004年11月の攻撃のこと】の後はどうでしたか。

ジャマイル:いや,私がファルージャに行ったのは昨年の4月と5月です。2004年4月,包囲攻撃の期間中に行ったのと,それから5月に何度か,フォローアップのために。ファルージャで何が起きたのかを記録したわけですね。しかし11月の包囲攻撃の後にはファルージャには行きませんでした。というのは,軍が市の周囲に非常に厳しい警戒線を張って,誰も――とりわけジャーナリストは――中に入れなかったのですね。今でも誰も入れないようにしていますよ。

オキーフ:こんにちのファルージャの状況について,どう認識するのが適切でしょうか。

ジャマイル:そうですね,こんにちのファルージャは強制収容所によく似ています。軍が厳しい警戒線を維持していますし,ファルージャに居住していた人で戻りたいと思っている人は誰であれ,網膜スキャンを受けて指紋を押捺してIDカードを作ってもらわなければなりません。それから非常に厳しい検問所を通過するのですが,完全なボディーサーチが行なわれます。非常にintrusiveなサーチです。それから市に入ることを許可されるのですが,市の少なくとも6割は爆弾でめちゃくちゃになっています。電気も水もなく,むろん仕事などありません。ファルージャに居住していた35万人のうち,およそ25000人が戻ったのですが,自宅の残骸を整理するためです。現時点ではファルージャはまるでまったくの荒地のようです。

オキーフ:ここでのメインストリーム・メディアではそういったことはまるで伝えられませんね。米国の人々の間でのイラクの状況の認識ですが,どういった点が最も大きな誤認識だと思われますか。

ジャマイル:ここ米国でのコーポレート・メディアは選挙以降イラクのことをニュースで伝えなくなっています。レーダースクリーンの範囲外に行ってしまっていますね。びっくりするほどまったく伝えられなくなっている。私の印象では,どうも人々は「選挙があったのだから,イラクも良くなっているに違いない」と思っているようです。しかし事実は,イラクでは問題は解決されたなどとは到底言えない。暴力/攻撃は毎日のペースで続いていて,選挙後も一向に減らないし,インフラストラクチャーは今もまだひどい状態です。撤退のタイムテーブルも示されていません。(北米の)人々は,イラクでは本当のところ実際にどうなのかについて,ひどくミスリードされていますね。

オキーフ:米国でも事実に気づいている人々や反戦運動に参加している人々がいますが,大統領選挙の期間中,運動(activism)が目に見えて減速しました。どうでしょう,米国内で反戦運動が再び盛り返す兆候はありますか。

ジャマイル:3月19日の開戦の日に向けて,集まろうという動きが少しあるようですね。多くの人々が,軍のリクルートに対抗する運動を組織し,懸命に取り組んでいます。また,イラク侵略および占領から巨利を得ている企業にもっと焦点を合わせた動きもあります。ペースはゆっくりとしたものですが,確実に盛り上がっているように思います。

オキーフ:(国連の)元兵器査察官であるスコット・リッター氏とのミーティングでお話になったそうですが,そのときにリッター氏は,ブッシュ大統領は6月にイランを爆撃する計画にゴーサインを出したと断言したとの報が最近ありました。イランについて米国はどのような計画を持っているとお考えでしょうか。またシリアについてはどうでしょうか。

ジャマイル:ブッシュ政権の行動を見れば,1月30日のイラクでの選挙から文字通り数日という期間で,焦点をイランとシリアに移動していますね。両国を名指しし,イラク侵略に至る過程で用いられたのと同じレトリックを使っています。大量破壊兵器のことを言い,核兵器のことを言い,暴政を槍玉にあげて,このいわゆるUS流デモクラシーを受け入れなければならないと言う。

話は戻りまして,リッター氏の述べたことですが,今年6月に大規模なイラン空爆を米軍が行なうということについて,計画が承認されているというリッター氏の情報源は疑いないものだと思います。ブッシュ政権メンバーによる数々のレトリックや欧州訪問は,イランに対する行動に際し橋を架けて人々を同行させようというものですが,そういったものを見ていると,どうもすべてがその方向を指し示しているように見えますね。

オキーフ:現地で実際に何がどうなっているのかを現場から伝えるためにイラクに戻るご予定はおありですか。イランに行かれるご予定はいかがでしょう。

私はイラクに焦点を置いています。イランについて手をつける予定はないですね。イラクには戻る予定ですよ。今のまま行けば,5月に戻ることになると思います。


記事を掲載したDissident Voiceは,米カリフォルニア州に拠点を置いているメディア・ウォッチです。詳細はabout dvのページをご参照ください。

あと,インタビュー中に出てくる「イランへの攻撃は6月に」というスコット・リッターの発言ですが,私はこれを英語でも日本語でも読んだことは覚えているのですが,日本語でのソースがわからなくなってしまいました。閲覧されている方で「このURLで読める」ということをご存知の方がおられたら,どうかコメント欄で教えてください。(コメント欄ではHTMLは使えません。http://www...と入力すれば,自動でリンクされます。)

英語ではRenseの記事とかElectronic Iraqの記事とか(←両者は内容は同一だと思います)。

おまけ:
Seymour Hersh reports plans for war on Iran, broad covert aggression elsewhere, Monday, 17 January 2005
Journalist: U.S. planning for possible attack on Iran - White House says report is 'riddled with inaccuracies', Monday, January 17, 2005


投稿者:いけだ
2005-03-04 00:53:23