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2005/03/22

私がイラクについて耳にしたこと (2)

米国によるイラク侵略から2年。日本で小泉政権が言葉への最低限の誠意を崩壊させている中、イラクについて何が語られてきたかを振り返る記事です。長いため、間を置いて順次掲載します。(1)はこちら。(※あるいはミラーサイトでのポストをご参照ください。)

私がイラクについて耳にしたこと (2)
エリオット・ワインバーガー
ロンドン・レビュー・オブ・ブックス原文
2005年2月3日

私はペンタゴンの報道官がこの軍事計画を「Aデー」、「衝撃と畏怖」と呼ぶのを聞いた。「バグダードに安全な場所が無くなるまで」、「ヒロシマの核兵器にも似た、数日とか数週間ではなく数分でもたらされる同時的効果が得られるまで」、300発から400発の巡航ミサイルを毎日発射すると報道官が言うのを聞いた。この報道官が次のように言うのも聞いた:「バグダードに座っていて突然自分が将軍で部隊の本部30箇所が殲滅されたと耳にする。さらに町が殲滅されたことも。つまり電力も水道も破壊するということだ。2日、3日、4日、5日のうちに、人々は肉体的にも感情的にも心理的にも消耗し切る」。私は彼が「この作戦の規模はこれまで目にしたことがなく、考えられたこともないようなものだ」と言うのを耳にした。

私は、米軍のチャールズ・スワナック少将が、自分の部隊は「クルミを割るのに両手で使う大ハンマーを使う」ことになるだろうというのを耳にした。

私はペンタゴン報道官が「今回は父親のときの湾岸戦争とはならないだろう」と語るのを聞いた。

私は、サダムが米軍の侵略に対して用いる戦略は、ダムや橋や油田を破壊し、南部への食料供給を遮断して米軍がいきなり何百万人もの絶望的な民間人に食料を提供しなくてはならなくなる状態にすることだと聞いた。私はまた、バグダードは二重のエリート共和国防衛隊で囲まれ、武器と補給品を備え、米軍兵士に対して使う毒ガスや細菌兵器から自らを守るために対化学物質の装備を身につけていると聞いた。

私は米国海軍のローウェル・ジャコビー中将が米国議会に、サダムは「『焦土』戦略を展開し、食料や交通、エネルギーをはじめとするインフラを破壊して、人道的破局を創り出そうとして」、それをすべてアメリカ人のせいにするだろうと語るのを聞いた。

私は、イラクが長距離スカッド・ミサイル----化学弾頭や生物弾頭を備えた----をイスラエルに向けて発射して、「この戦闘を米=イスラエル連合との戦いと見せてアラブ世界の支持を得ようとする」だろうという話を聞いた。

私は、サダムが身を守るために地下壕を強化し迷宮のようにしたと、また、それを破壊するためにはB61Mod11核「バンカーバスター」が必要になるだろうと語られるのを耳にした。

私は米国副大統領[ディック・チェイニー]が「数カ月ではなく数週間」のうちに戦争は終わるだろうと言うのを耳にした。

私はドナルド・ラムズフェルドが「戦争は6日間あるいは6週間は続くかも知れない。6カ月とは思えない」と言ったのを耳にした。

私は、ドナルド・ラムズフェルドが、米軍が歓迎されることについては「疑問の余地はない」と述べたのを耳にした:「アフガニスタンを見れば、人々が路上で音楽をならし、陽気に騒ぎ、凧揚げをし、タリバンとアルカーイダが禁止したあらゆることをしているのがわかる」と。

私は副大統領が次のように言うのを聞いた:「中東の専門家フーアド・アジャミ教授は、解放後、バスラとバグダードの路上は『喜びがはじける』こと確実だと予測している。同地域の過激派たちはジハードの戦略について考え直さなくてはならなくなるだろう。中東地域を通して穏健派が勇気を得るだろう。そしてイスラエル=パレスチナの和平プロセスを推進する我々の力も強まるだろう」。

私は副大統領が「我々が解放者として歓迎されることを私は本当に信じている」と言うのを聞いた。

私はイラク外相[当時]タリク・アジズが次のように言うのを耳にした:「米軍兵士は花をもって迎えられはしない。米軍兵士たちは銃弾をもって迎えられるだろう」。

私は米国大統領がテレビの福音派パット・ロバートソンに「いやいや、我々は全く犠牲者を出さない」と語ったのを聞いた。

私はソロモン諸島の首相が自分の国が「有志連合」の一つにリストされていることについて驚きを表明したのを聞いた:「私は全くそんなことを知らなかった」と。

私は米国大統領が侵略前夜にイラクの人々に次のように語るのを聞いた:「我々が軍事作戦を始めなくてはならないとすると、それが向かう先は皆さんの国を支配する無法者であって、皆さんではない。我々の連合が彼らの力を取り去ったあかつきには、我々が皆さんに必要な食料と医薬品を配布する。我々はテロの機構を分解する。そして我々は繁栄した自由な新しいイラクを建設するために皆さんを手助けする。この自由なイラクでは、隣国に対する侵略戦争は行われず、毒薬工場もなくなり、反対派の処刑も、拷問所も強姦室もなくなることになる。独裁者はすぐに追放されるだろう。皆さんの解放の日は近づいている。

私は彼がイラクの人々に「我々は皆さんの国が自由になるまで手を休めないだろう」と語ったのを聞いた。

以下、続きは順次ポストしていきます。「私がイラクについて耳にしたこと(1)」はこちらをご覧下さい。世界中どこにあろうと気に入らない国に対する侵略戦争を行うのではない、毒薬工場も核工場もない、反対派の処刑も、拷問所も強姦室もなくなるような自由な米国が誕生するのは、いつのことになるでしょうか。

米国がつきつづけてきた嘘をめぐっては、「戦争とテロを巡る40の嘘」(1)(2)(3)(4)もご覧下さい。


投稿者:益岡
2005-03-20 14:41:03