アブ・グレイブとCIA(ロイター,4月4日)
3月30日にuruknet.info記事に書かれていた件(ミラーのURL)の詳細,という感じです。4月4日のロイターの記事。
アブ・グレイブについての調査で,イラク人の死におけるCIAの役割が示唆される
Abu Ghraib Probe Suggests CIA Role in Iraqi Deaths
Mon Apr 4, 2005 06:04 PM ET
By David Morgan
http://www.reuters.com/
【ワシントン発】ブッシュ政権の法律家は攻撃的な尋問方針を進めていたが,イラクで被拘束者が死亡した数件の事例について,CIAの尋問が一定の役割を果たした可能性がある。
米国当局は,イラクにおいてCIAに尋問され死亡した人物1名についてのみ,正式に情報を開示した。この人物はマナデル・アル=ジャマディさん(Manadel al-Jamadi)で,登録されずにアブ・グレイブに収容されていた「幽霊(ghost)」囚人。2003年11月4日,同刑務所のシャワー室で手かせをされた状態で死亡した。
この件について,アブ・グレイブの軍情報部および軍警察によって軍調査官らに提出された宣誓されたステートメントには,アル=ジャマディさんのケースとつながりのないCIA拘束者の死亡事例が少なくとも4例,言及されている。
ACLUが入手したこの文書は,昨年9月,アブ・グレイブに登録されていないCIAによる拘束者が存在することを最初に明らかにした軍の調査のために集められたものである。
これらの文書は先月,ACLUのウェブサイトにアップロードされた。軍は「OGA」という略語を使っているが,これは「other government agency」の頭文字で,これはまず例外なくCIAのことを指すものである。
1通の文書は,アル=ジャマディさんの死亡する2ヶ月前の2003年9月に,尋問中に死亡した「OGA」被収容者について述べている。別の文書には,10月にも死亡事例があったことが示唆されており,また別の文書では,刑務所のシャワーに鎖でつながれている間に死亡した被拘束者のことが書かれている。また,4通目の文書には,尋問中に心臓の問題で死亡した被拘束者がいたことが述べられている。
これらの疑惑の根拠は,兵士らが聞いたことであるが,兵士らは具体的な裏づけは提供していない。文書には詳細な点はほとんど提供されておらず,証人や軍の兵士や上官の名前は編集されて消されている。
情報当局高官はこれらのステートメントを根拠のないうわさであるなどとして一蹴した。政府はアル=ジャマディさんは海軍特殊部隊に拘束される際に負った傷が元で死亡したとしている。
しかし,2003年11月にイラク西部で軍の尋問中に死亡したイラク軍将校の件については,CIAが役割を果たしたかもしれないと認めている。
アブ・グレイブでの軍調査を進めたジョージ・フェイ少将は,ロイターに対し,アブ・グレイブで尋問に関連して死亡したと確定しているのはアル=ジャマディさんだけだと語った。
しかし同少将のチームが提出した報告書には,アブ・グレイブ以外での少なくともほかに3件の死亡事例に,CIAが関係しているかもしれないとある。軍情報部のassistant deputy chief of staffであるフェイ少将は,「少なくとも3件あるが,もっと多くあったかもしれない。OGAが関わっていたかもしれないし関わっていなかったかもしれない――まだ結論は出ていない」と,インタビューで答えている。
アブ・グレイブ外部での尋問中の死亡は,フェイ少将の任務外であったため,同少将は情報を,当時のイラク米軍司令官だったリカルド・サンチェス中将に渡した。
結局は疑惑は,Richard Formica陸軍准将に主導される調査に任されたが,その調査結果はいまだに機密扱いとなっている。
CIAの監察官は,およそ6件の囚人虐待疑惑についてレビューしているところだが,CIAが関わった可能性のあるアブ・グレイブでの死亡事例は,アル=ジャマディさんのみであると述べている。
同監察官はアフガニスタンでCIAに拘束された人物の死亡事例2件について,法務省に提出している。1件はノースカロライナ州の地裁での裁判となる。
ACLUの法務スタッフであるアムリット・シン氏は,最近CIAは拘束した人物についての情報を公開すべきであるとの連邦法廷命令を勝ち取ったが,軍の文書はCIAに拘束されている人々の死亡事例の件数が実際よりも少なく報告されていることを示している可能性があると言う。「CIAは収容した人々を定石的に拷問していたことを,これらの文書は示唆しています。」シン氏はCIAが軍より苛烈な尋問手法を使う上で,ブッシュ政権が許可を与えたと考えている。
CIAのポーター・ゴス(Porter Goss)長官は,先月の上院委員会で,現在CIAは拷問に関する米国の法律に従っていることは確実としている。一方でCIAは後に,過去においても現在においても,尋問手法は法を守ったものであると宣言するステートメントを出している。
上院情報委員会の委員長をつとめる共和党のパット・ロバーツ上院議員は,現在のCIAの調査で十分であるとし,CIAの拷問を調査すべきとの民主党からの要求に抵抗している。
元情報職員らは,虐待疑惑は2001年9月11日以降の方針変更から生じたものであると考えている。「CIAは,国家安全保障委員会とホワイトハウスからの指示に従っているだけであり,CIAが独自にこういったことを考え出しているわけではない」と,ある元職員は述べている。
2002年8月に法務省によって準備された legal opinionが拷問について定義しているが,その定義は狭く,これが威圧的タクティクスの使用につながったとの批判がある。
アブ・グレイブでの虐待が明らかになったあと,昨夏ホワイトハウスは公式にこのポリシーを棄て,12月に拷問についてのより広い定義に置き換えた。
これとほぼ同じ記事が,aljazeera publishing(カタールではなくUAE:詳細はabout us)にも出ています→CIA interrogations played role in Iraqi detainees deaths, 4/5/2005 9:00:00 AM GMT。こちらは読者の感想・意見が同じページに投稿されています。
投稿者:いけだ
2005-04-05 23:52:54
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