「1パーセントの確率」――ファルージャ訪問記(CPT,3月16日)
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確率は1パーセント
The One Percenters
Cliff Kindy, Electronic Iraq
16 March 2005
http://electroniciraq.net/news/1906.shtml
ぽつぽつと残された弾痕と女子生徒たち (photo: CPT)
ファルージャへの途上,モハマドはCPTのスタッフに言った。「今日あなたがたがファルージャに入るのを拒絶される確率は99パーセントだ。」CPTの5人とムスリム・ピースメイカー・チームの2人,地域の人権活動家2人にイラク人の友人たちが2人,ファルージャ市の外にある工場に集まって,いつでもファルージャ市に入れる状態だった。入れる見込みは薄かった。今日は既に,宗教省の代表団が米兵によって帰らされているのだ。
訪問団の一員であるイラク人が,病院とファルージャでまだ活動している診療所のために車椅子や医薬品を持ってきていた。昨年11月,米軍によるファルージャへの壊滅的大規模攻撃は,病院や診療所への攻撃で始まった。伝えられていたところによると,これらが標的となったのは,昨年4月の攻撃での民間人犠牲者を伝えたから――そしてその報道のために世論が攻撃反対になったからだという。
訪問団は何ら問題なくファルージャに入った。おそらく医薬品を持ってきていたからだろう。訪問団は市の中心部からユーフラテス川の橋を渡って,5台の車椅子を押していった。病院へと続くその橋は,歩行者しか通行できない。それから訪問団はたったひとつの診療所を訪れた――人口20万のその市にひとつだけ残った診療所へ。
カオスと廃墟――ファルージャ市 (photo: CPT)
訪問団がいくつかの地区に車を走らせると,破壊された都市の姿が見えてきた。主要な道路は,歩いたり車を運転したり買い物をしたりしている人々で混雑していた。商店は営業していたが,多くは11月の攻撃での損害のため使用不可能である。独立したジャーナリストやNGOの報告では,ファルージャの家屋の65パーセント以上が破壊されるかあるいは非常に大きな被害を受けていて,居住不可能である。訪問団はしないの家屋や商業の大規模な破壊を確認した。市の再建チームのメンバーのひとりが,市にある55のモスクのうち30が米軍およびイラク治安部隊により攻撃され,電気・水道のインフラのほとんどを破壊した,と語った。
市の中心部のモスクのシャイフとイマームと会ったが,それは意味深いことだった。訪問団は,イラクのシーア派代表者たちや米英のキリスト教徒で構成されていた。ファルージャのモスクでこの訪問団は,スンニ派ではない外部の者がファルージャの再建を支援する方法を探った。シャイフは訪問団に対しこう忠告した。「私たちは心を開いています。けれども境界線は閉じられています。」シャイフは米軍の治安命令で来訪者が市に立ち入れないことを指している。そして彼は「あなたがたがキリスト教徒として,キリスト教徒がいかに善良であるかを示すためにおいでになるのであれば,私どもにはあなたのお力は必要ではありません。しかしあなたがたが人間として,私どもの悲劇を世界に伝えるためにおいでになるのであれば,歓迎します」と言葉を続けた。
戦闘で多くの学校が被害を受けるかあるいは破壊された。この写真の学校もそのひとつである。戦闘が終わったとき,再開できる学校は再開し,建物の損害を修復しようとした。 (photo: CPT)
訪問団はひとつのテント村を訪れ,少なくとも4つの大家族に歓迎された。そのテント村は,それらの家族が市外の難民キャンプから市内に戻り,「自宅」としている。目の届く限りあらゆる方角の家々はほとんどすべて,空からの攻撃やブルドーザーによってぺちゃんこに潰されている。住民たちは「私たちが去ったときは,この地域の家はどれもちゃんと立っていましたし,レジスタンス戦士はひとりもいませんでした」と言う。空き地の向こうにある学校も,家々と同じ運命をたどっていた。
ファルージャの人々は大規模な再建という作業をしなければならない。99パーセントうまくいかないだろうと言うこともできよう。ファルージャを後にして,CPTスタッフのひとりは言った。「ファルージャの人たちの確率は1パーセントだね。」
先のことを考える余地もほとんどなく,ファルージャの女子生徒は,米国主導の攻撃で破壊された建物で授業に出席しなければならない――ファルージャ市 (photo: CPT)
破壊された家屋――ファルージャ市 (photo: CPT)
投稿者:いけだ
2005-03-22 23:46:36
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