ドキュメンタリー映画,『Little Birds』
綿井健陽さんのサイト:
http://www1.odn.ne.jp/watai/
映画公式サイト:
http://www.littlebirds.net/index.html
※予告編を見ることができます(Windows Media PlayerまたはQuicktimeが必要です)。
紹介記事がオンラインで読めます。
→東京新聞 2005年3月18日
東京新聞さんの記事から少し引用します:
「Little Birds」(小鳥たち)
映画のタイトルは、戦争の風景とコントラストを描くように、街中で聞こえた鳥の声と、一つのエピソードにちなむ。
映画の主人公のアリ・サクバンさんは、朝食の準備中に家を爆撃され、三人の子を失った。娘たちの小さな墓標に書き込まれた言葉に涙する。
<お父さん、泣かないで。私たちは天国の鳥になりました>
イスラムの教えには「子どもが死ぬと鳥になる」という言い伝えがある。綿井さんは鳥に亡き子の姿を重ねて、思った。「鳥の鳴き声は、イラクの人々の泣き声。自分たちと同じ人間の泣き声だ」
話がいきなり飛びますが……こうの史代『夕凪の街 桜の国』(双葉社,ISBN 4575297445,800円+税:参考)を先日購入して読んだのですが,一度読んだらどうしても頭を離れなくなってしまった1行があります。
羽根を焼かれためじろが地べたを跳ねていた
『夕凪の街』は,1945年8月から10年を経過して後の物語です。飛べなくて「地べたを跳ねて」いためじろは,おそらく,そのときに主人公が五感で知覚したそのほかのものよりも小さくて些細な光景だったことでしょう。
そのめじろは声を出していたのかなあ,と,あれとこれとが結びついてしまいました。
話はさらに逸れますが,『夕凪の街』にはさらに頭に染み付いてしまったことばがあります。
わかっているのは「死ねばいい」と
誰かに思われたということ
思われたのに生き延びているということ
昨年12月の綿井さんの文章(イラクを取材したときのもの)の中に,
生き残ったものが罪の意識を背負い、本来罪を背負わなければならない者が、何も問われない。
という1文があります。
英ガーディアン/オブザーヴァーのジェイソン・バーク記者の昨年9月の記事に,サドルシティの米軍スナイパーの言ったことが書かれています。
「時には罪悪感を感じるべきだろうなと思うこともあるが,実際には罪悪感は感じない。自分が撃った奴らは撃たれて当然の奴ばかりだった。別に何とも感じない。」
『Little Birds -- イラク 戦火の家族たち』は,今のところ上映が決まっているのは,東京(K's Cinema:新宿3-35-13 3F),大阪(シネ・ヌーヴォ:西区九条1-20-24),名古屋(シネマテーク:千種区今池1-6-13今池スタービル2F)の3館のようですが,他の都市での上映も決まり次第上記公式サイトで告知があるのではないかと思います。
また,今年8月以降(予定)は自主上映会の開催もできるとのこと。詳細は公式サイトの説明ページをご参照ください。
なお,この映画の短いヴァージョン(テレビ用)が昨年10月に上映された(私は都合がつかず見にいけなかったのですが)59分のフィルムだそうです。
あと,この映画,「ナレーションも音楽もない」(東京新聞記事より)のだそうです。
2003年9月に放送されたNHKスペシャル「私を変えた9・11」が,ナレーションなし&効果音楽なしでした(取材対象者がラジオやCDをかけるなどしてマイクに入る音楽はあり)。単なる受け身の印象論ですが,ナレーションも音楽もないことは,非常によかったです。
投稿者:いけだ
2005-03-22 08:45:22
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