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2005/04/10

ファルージャ住民への補償は遅々としていると地元の人々(IRIN、4月4日)

4月4日エレクトロニック・イラク掲載のIRINのレポート。ファルージャという都市とファルージャの人々の現在について。

ファルージャ住民への補償は遅々としていると地元の人々
IRIN
2005年4月4日
Electronic Iraq 全文



ファルージャ発4月4日(IRIN):イラクの首都から約60キロ離れたファルージャ住民への補償は遅々としたペースでしか行われていないと地元の人々は言っている。

イラク政府の調査では、建物の70%が、米軍と反乱勢力(インサージェンツ)との最近の戦闘により破壊された。

そのため、いまだに何千という家族がファルージャ周辺でキャンプ生活を送っており、政府が問題を解決するのを待っている。

2004年11月から2005年1月、戦闘が起きたとき、住民の3分の2が、町を逃れたという。

調査に基づいて、各家族に、損害と財産規模に応じてある程度の資金が支払われることになっている。

「私の家は完全に破壊されたので、家に帰ることはできない。政府は私に、補償リストに名前があがってくるまで辛抱して待つようにと言ったが、その進捗はとても遅い。家族には頭上に屋根が必要なんだ」。ファルージャ出身の住民カリーム・アイダンは、町の外にあるキャンプでIRINにこう語った。

産業副大臣ムハマド・アブドゥル・アル=アアニはIRINに対し、ファルージャでダメージを受けた家のすべてに対して、これまでに補償金を受け取ったのは90家族だけであり、金額はそれぞれ約1500ドルだと語った。

彼はまた、政府は、イラク復興再建資金(IRRF)のうち1億ドルを、補償金および家族が自宅に戻るための支援として割り当てていると述べた。

「我々は、町に対して全部の補償をするためには5億ドルが必要だが、米国[主導の]連合軍は、これまでたった1億ドルしか提供していない。けれども、彼らは、間もなく残りの金額が我々の手にわたるだろうと約束した」とアリ=アアニは補足した。

イラク政府が設置したファルージャ市民補償委員会(CCFC)の会長であるハフィド・アル・ドゥマイミ医師は、IRINに、破壊の規模を評価する調査が行われてきたと述べた。彼は、ファルージャの全地域あわせて3万6000軒の家と8400軒の店が破壊されたと述べた。

アル=ドゥマイミは、60の保育所と小中学校、高校が破壊され、65のモスクと聖地が攻撃でほとんど壊滅し、13も政府建造物が新たなインフラを必要とすると指摘した。

「家々のほとんどは一から再建しなくてはならず、政府は、家族が家に戻り、紛争開始前の状況[に復帰する]ために、政府は家族にもっとずっと多くの支援を提供しなくてはならない。消滅した店舗もある。我々は、政府関係者が誰がどのポストに就くかについて議論し続けることをやめて、ファルージャでやらなくてはならないことが沢山あることを思い出してもらいたい」とアル=ドゥマイミは言う。

しかしながら、この傷ついた町に日常が戻ってくるきざしもみられる。水道管や下水処理工場といった基本使節が修復されているのである。ダメージを受けた学校は復旧され、連合軍あるいはイラク政府が新たな学校を建設している。

公共労働省の上級官僚アフメド・サラーによると、発電所2箇所、浄水施設3箇所、鉄道の駅2つが大きな損傷を受けており、町中の下水と排水施設がダメージを受けているという。

彼は、基本ニーズを供給できるよう専心していると説明した。「ファルージャの家族は各街角にあるタンク入りの携帯水を使うことができ、それによって、我々の仕事がすべて終わるまで安全な水を保証できる。必要な仕事を終えるまでにはそう時間はかからないと信じている」とサラーは言う。

5人の子供を持つ父親で既に退職しているアブ・ユーセフは1500ドルを受け取ったが、家を修復し中にあるすべてを以前のようにするためには、その5倍は必要だと言う。

「なにがしかを受け取ったことについては神に感謝する。補償を今も待ち続けている家族が何千とある。それでも、この金額は家を再建するに十分ではない」。彼はIRINにこう語った。

イラク赤新月社(IRCS)は、ファルージャの人々は、今も町の回りにいる人々も含めて、少なくとも月々の配給袋を受け取るようになったと言う。

米軍海兵隊の上級士官ジョン・サトラー中将によると、9万人近くの人々がファルージャに戻った。20万家族が帰還を待っているという。

「補償を受け始めた家族もおり、病院と学校も開きはじめている。まもなく、ファルージャは、以前よりもはるかによい環境で人々を受け入れることができるだろう」とサトラーはIRINに語った。

関連リンク
国連人道問題調整局



「建物の70%が、米軍と反乱勢力(インサージェンツ)との最近の戦闘により破壊された」とありますが、ほとんどすべて、米軍の空襲や爆撃により破壊されたものです。IRINの報道は、このように、実行主体が曖昧になるような表現を使いがちです。

「全部の補償をするためには5億ドルが必要」とイラク産業副大臣は述べています。ただファルージャに暮らしていたというだけで侵略者に殺された数千人の死者に対して、どのような補償をするのでしょうか。

父親や殺された家族。母親を失った子供たち。子供を失った親や祖父母。その殺人を実行した米軍海兵隊が居座るファルージャで、近しい存在を失った人々が、「以前よりもはるかによい環境で」「ファルージャ」に受け入れられる、というのは、いったいいかにして可能なのでしょうか。自ら、ファルージャ破壊を司令し、その上でこうしたコメントをする人物は、心底、崩れています。


益岡