.comment-link {margin-left:.6em;}

teanotwar - mirror/archive (Japanese fonts required)

Official mirror site of our blog, for those who can't access it, http://teanotwar.blogtribe.org, due to the technical problems, firewall setups, etc. http://teanotwar.blogtribe.org/のミラーリングを目的としています。記事部分に何も表示されていない場合は下までスクロールしてください。個別記事へのリンクは,記事の投稿時間のところをクリックすれば表示されます。

2007/01/13

アメリカ合衆国はイラクの子どもたちを合法的に殺せるのか?

米英を中心として対イラク経済制裁が強制される中、イラクの人々に薬を配ってアメリカ合衆国政府から罰金を科された米国市民バート・サックスが、米国そして世界の無法化に抗して提訴した裁判の背景を述べる。

最高裁への質問
アメリカ合衆国はイラクの子どもたちを合法的に殺せるのか?
バート・サックス
2007年1月4日
CounterPunch原文

「米軍の誘導ミサイルが幼稚園に着弾し、105人の子どもたちを殺すシーンを想像してほしい。しかも、その誘導ミサイルが、幼稚園に着弾することを知りながら発射され、さらに、1カ月間にわたって毎日、異なる幼稚園に向けて誘導ミサイルが発射され続けることを想像してほしい」。

「これだけ多くの子どもを国家政策として殺すのは、言語に絶する行為である。アメリカ合衆国総司令官は、野蛮人として非難されるべきだろう。ところで、対イラク経済封鎖は、まさにこれと同じ被害をイラクの子どもたちにもたらした」。

6カ月前のシアトル・タイムズ紙論説欄からの引用である。この10年間、私はただ一つの基本的な質問を問いたかった。経済制裁が野蛮なものかどうかではなく、それが合法なのかどうか。アメリカ合衆国は、何年にもわたってイラクの子どもたちを毎月何千人も死に追いやる政策を合法的に行うことができるのだろうか?

今月提訴する申立ての中で、私はついに、アメリカ合衆国最高裁判所にこの点を問う機会を得ることになる。

私は、どのような死がどのように起きたかを示す必要がある。ユニセフは「(経済制裁がなければ)1991年から1998年の8年間で、[イラクにおける]5歳未満の子どもの死は50万人少なかっただろう」と報じている。『ニューイングランド医学雑誌』は、「[湾岸戦争により]イラクの発電所が破壊されたことで、浄水と水道施設が完全に停止し、とりわけ子どもたちの間で、コレラや腸チフス、胃腸炎が広まることになった」と説明している。

2004年、ロバート・フィスク(7度にわたり英国最優秀国際ジャーナリストに選ばれている)は次のように語っている。「つまり、アメリカ合衆国と英国は、爆撃作戦と経済制裁の結果として、イラク人民間人が物質的に苦しみ、病気や死がもたらされることを熟知していたのである。生物戦争という言葉が事態をよりよく表すかも知れない。1991年の湾岸戦争がイラク人民間人にもたらしたことの性格は今や明らかになっている:爆撃は今、死はもっとあとで」。

アメリカ合衆国の軍・政府関係者は、米国の政策が、こうした結果を引き起こすことを意図していた、あるいは、理解していたのだろうか? 我々は「長期的な影響をもたらすために」イラクの発電所を爆破する。1991年、米国空軍のウォーデン大佐(湾岸戦争における空軍戦の立案者と言われている)は、こう述べていた。もう一人のペンタゴン爆撃政策立案者は、もっとあからさまに、「それが上下水道に影響を与えることに気づいていない、と人々は言う。さて、[国連の経済]制裁を通して我々は何を達成しようとしていたのだろう? イラクの人々を救う? そうではない。我々は、インフラを攻撃することで、経済制裁の効果を加速しようとしているのだ」。

1998年、アイダホ州出身のクレイグ上院議員は対イラク経済制裁に関する上院聴聞会で、「食料を武器に使うのは間違っている。人々を飢えに追いやり従わせるのは悪しき外交政策だ」と証言した。1996年、マドレーヌ・オールブライトが全国TVで、イラクで50万人の子どもたちが死んだことは「その価値があった」が、サダムが国連に従ってさえいれば子どもが死ぬことはなかったろう、と述べたことはよく知られている。けれども、1991年に、彼女は、そこで述べた自分自身の立場そしてベーカー国務長官の立場にまったく反して、「サダムが政権の座に就いている限り、国連の経済制裁は続けられる」と述べているのである。

アメリカ合衆国政府官僚たちが、自分たちの政策によって何をしているか知らなかったなどと言うことは誰にもできない。

1997年、私は、どうしても必要とする市民に薬を提供するために、イラクを旅した。それに対して、アメリカ合衆国政府は私に1万ドルの罰金を科した。私は罰金支払いを拒否すると発表した。シアトルの弁護士何人かが、無償で私の支援を申し出てくれた。私たちの訴訟は、地方裁判所から始まり、上訴審へと進められた。

広く思われているのとは逆に、アメリカ合衆国の政策が、国際法に違反して、強制のための道具として飢餓や伝染病を利用し、民間人を標的として死をもたらしてきたことを示すことは困難ではない。

けれども、法廷はアメリカ合衆国による経済封鎖を無効にすることを拒否した。事実審裁判所によると、米国は(ソマリアとともに)子どもの権利条約を批准していないので、その規定は該当しないという。ジュネーブ条約も「自動的に執行される」ものではないので、助けにならないという! さらに、米国が部分的に批准したジェノサイド条約も「いかなる手続きにおいてもいかなる関係者によっても施行されるべき実質的あるいは手続き的権利を法は保証していない」らしい。最後に、法廷は、アメリカ合衆国議会が国際慣習法を侵害したいと望むならば、そうするだろうし、アメリカ合衆国の法廷はそれを阻止するに無力であると裁決した。

アメリカ合衆国最高裁が別の裁決を下すことを望む。問題は単純である。国際的なふるまいには一定の規定----ユス・コーゲンス(強制規範)と呼ばれる----がある。それらは、法の支配にとって最も基本的なものであるため、いかなる国家もそれを侵害してはならないものである。ジェノサイド、侵略戦争、戦争犯罪、人道に対する罪は、それらに含まれる。外国の政府を従わせるために50万人の子どもを殺すことも、やはりそれに含まれる。

バート・サックスはシアトル在住。薬を配りにイラクを訪問したのち、米国政府から1万ドルの罰金を科された。サックスは罰金支払いを拒否した。彼の文章は、http://bertoniraq.blogspot.comで読める。

投稿者:益岡