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2006/01/24

バスラ石油労働者組合委員長の国際平和会議での声明

 
イラクのバスラ石油労働者組合の委員長、ハッサン・ジュマー・アワドによる、2005年12月10日ロンドンでストップ・ザ・ウォー連合が開催した国際平和会議での声明。

バスラ石油労働者組合委員長の国際平和会議での声明
ハッサン・ジュマー・アワド
2006年1月11日
ZNet 原文

慈悲深く哀れみ深い神の御名において、

友人、反戦活動家、哀れみ深いみなさん、

戦争に反対し平和を提唱するこの会議に参加すべく招待してくださったことに感謝の意を表明したいと思います。みなさんもご存じの通り、イラク占領は、現在の国際情勢において最も重要な問題の一つです。このような会議は、世界の人々に、占領軍の最近の軍事行動の展開について知らせるために重要かつきわめて有用だと思います。ご存じのように、私たちは、邪悪な者たちが支配を追求し、権利と財産を強奪するような世界に暮らしています。世界全体に平和が広まるために、私たちは悪の力に対抗してしっかりと立ち、抗議の声を一つにして連帯を実践しなくてはなりません。というのも、悪の力を恐れさせるのは、人々の団結だからです。そのために、私はみなさんにイラク労働者、とりわけ石油労働者----アメリカとその連合軍が代表する悪の力を抵抗により悩ませています----からの挨拶を伝えに来ました。労働者たちは占領軍に反対し続けて抵抗し、石油施設に占領軍が近づくのを阻止し、また外国企業に反対し続けています。石油労働者は、占領が始まって2カ月後にアメリカ合州国がつれてきた外国の独占企業に足止めをくらわせることでこれら企業に抵抗しています。これらの企業は米国の戦車の保護を受けています。けれども、私たちの組合が最初にした行動は、KBR[ハリバートン]を私たちの油田地帯から追放することでした。こうして、イラク労働者は悪の力に対して勝利を勝ち取ったのです。

友人のみなさん、

私たちの組合は、占領軍がバグダードに到達してから11日後に再構成されました。2003年4月20日のことで、多数の活動家がこの任----イラクに広まっていた混沌と治安の不安定化の中できわめて困難なものでした----にあたりました。組合の再構成の主な目的はよく知られています。第一に、イラクの国家行政がアメリカ合州国の支配下に落ちた中で労働組合員の主張を確保すること、第二に、アメリカの目的がイラクの石油を支配することにあることは十分知っていたので、石油部門の生産メカニズムを守ることでした。これらの理由から、組合は石油部門で再構成されたのです----というのも、私たちはアメリカの意図を知っており、イラクに対する戦争を始めた主な目的の一つは石油にあると知っていたからです。

兄弟姉妹のみなさん、みなさんもご存じのように、イラクの石油資源は世界第二の規模で、だからこそ、二つの川の流れる地に対して戦争が仕掛けられたのです。私たちの愛するイラクに対してアメリカとその同盟者たちが仕掛けた悪辣な攻撃について少しお話することをお許しください。世界に向けて示された戦争の理由は、当初、イラクが大量破壊兵器を所有しているというものでした----犯罪者ブッシュは意図的に1991年からそうした兵器を探してイラクの南北をかけまわりながらまったく見つけることができなかった[国連]査察委員会の存在を無視しました。第二に唱えられた理由はテロリズムに対する戦争でした。けれども、ブッシュと米国政府は、テロリズムがどこを拠点としているかきわめてよくしっていたのです。ですから、それらがイラクに対する戦争を仕掛けた理由ではありません。理由は、私が述べたようなものであり、さらに付け加えれば、主な理由のもう一つは、イラクがイスラエルの治安にとって大きな脅威となっていたからです。私たちそしてここにいるみなさんも、アメリカ合州国の本当の意図を知っています。アメリカは自分の利益のために世界全体をよろこんで破壊する準備ができており、その利益は、イラクの石油を支配し、その富を自ら自由に使うことに依存しているのです。

兄弟姉妹のみなさん、私たちは、この戦争の目的をはっきり知っており、軍事占領がそれに続く経済占領のための第一段階であることを知っています。アメリカはイラクのインフラを破壊しました----アメリカは学校を破壊し、大学を破壊し、病院を破壊し、工場を破壊し、人権を侵害しています。人権侵害の中には、暫定統治法[米国総督ポール・ブレマーが発布したTAL]による、労働組合その他の組織の結成の禁止があります。アメリカ合州国と英国の政治家たちは、イラクに民主主義を構築しようとしていると主張しています。イラクは独裁政権だったため、民主主義がなかったからです。けれども、残念ながら、彼らが言うところのいわゆる「民主主義」は、米軍や英軍が通りかかったときには殺されるのを恐れてイラク市民が立ち止まらなくてはならないようなものです。誰もが、彼らが言うところのいわゆる「民主主義」がこのようなものであることを知っています。暫定行政当局の法律は、デモを法により罰すべき犯罪としました。

私たちの経験では、アメリカ合州国はいかなる意味でも誠実でありません。繰り返し、彼らは治安責任はイラク人に委譲されたと宣言しますが、そのたびごとに私たちは占領軍が至る所を練り歩いているのを目にします。私たちは、ある程度安定して安全な場所に定期的に危機を意図的に作り出すと思っています。誰にとっても明らかなように、その理由は、占領軍の駐留延長を正当化することにあります。安定と安全が広まるならば、占領軍は立ち去らなくてはならなくなるからです。けれども、アメリカは今このときに撤退したがってはいません。作戦を完了していないからです。占領の第二段階であるイラクの経済的な占領を達成していないからです。だからこそ、米国政府は現在、石油と製造部門の私有化と生産共有合意[PSA]計画を含む経済計画を推進しようとしているのです。

ここから、私は、私たちの労働組合の立場を明確にしたいと思います。これは、イラクの人々にも知らせてあるものです。

1. 占領軍は、即時無条件にイラクを撤退しなくてはならない。

2. 私たちは、イラクの人々の安全と権利に悪質名手を加えようとするあらゆる者に断固とした決意をもって反対する。

3. イラクの人々に対するテロリスト攻撃を非難し、人権尊重の重要性を強調する。

4. 外国の軍隊を標的として攻撃し、占領者を追放しようと試みる名誉あるレジスタンスを支持する。

5. 私たちは[石油部門における]外国企業の侵略を許さず、生産共有合意を認めない。また私たちは、全力をあげて、ハリバートンやKBR、シェル社等々に反対する。

6. 私たちは、私営化とPSAに反対する私たち労働組合を支援するよう、愛国的な勢力と反戦運動と平和を愛する人々にお願いする。

7. 私たちは、イラクの[対外]債務の無条件取り消しを求める。これらの債務はイラクの人々をまったく利することなく、前政権を利しただけだからである。

最後に、みなさんの幸運と成功をお祈りし、世界の自由な市民すべてにとってのワークショップとなっているような自由で民主的で団結したイラクでみなさんにお会いすることを待ち望むことにします。もう一度、この会議の主催者に感謝を表明します。

平和と神の慈悲と祝福がみなさんに訪れますよう。

投稿者:益岡