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2006/10/27

家を追われた300万人のイラク人には「暗い未来」が待っている:UNHCR

2003年、米軍のイラク侵略移行、さらに増加するイラク人難民。ところが、イラク侵略を行い後押しした各国は、そうした難民を援助する国連機関への寄付金額を劇的に減らしています。

家を追われた300万人のイラク人には「暗い未来」が待っている:UNHCR
2006年10月23日
IRIN
Electronic Iraq 原文 

ダマスカス: 家を追われイラクの別の地域や近隣諸国に逃れることを余儀なくされた300万人以上のイラク人について、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、「暗い未来」が待っていると述べる。中東地域におけるUNHCR事務局の予算が、来年は半減されることになったからである。UNHCRジュネーブ本部のイラク・ユニット調整官アンドリュー・ハーパーは、IRINに、資金提供国が拠出金を減らしているため、2007年にはUNHCRのイラク・プログラムを思い切って減らさなくてはならないと語った。中東におけるUNHCRの活動の中でイラクはかなりの比重を占めている中、ハーパーによると、このイラク向け予算の削減により中東地域全体の予算が約半分に減るが、現在の予算でさえ、すでに、「実質的な結果を出すためには、まったく不十分である」。


UNHCRの推定によると、イラク国内で避難民となっているイラク人は150万人以上おり、そのうち80万人は2003年以前に家を逃れた人々で、75万人が2003年以来、家を追放された人々である。さらに160万人が、近隣諸国で難民となっている。そのほとんどは、シリアとヨルダンにいる。

「世界中でUNHCRが関係している中で、イラクは最も大規模な追放が最も最近起きているところである。ところが、さらに多くのイラク人が家を追われ、そうした人々の必要性は高まっているにもかかわらず、人々を援助するための資金は減らされている」とハーパーは言う。「ますます大きくなっているこの人道的危機は、ほとんどの支援国のレーダー網から漏れているようだ」。さらにハーパーは、この予算削減により、UNHCRの優先プロジェクトをいくつも停止しなくてはならないと付け加えた。その中には、シングル・マザーや病人、老人など、イラク人難民の中で最も弱い立場にある人々の所在を確認して支援することも含まれる。

アメリカ合衆国、EU諸国、日本そしてオーストラリアからのUNHCRイラク・プログラムに対する支援額は、米国主導のイラク占領が始まって以来、急降下している。イラクの致命的な暴力を逃れ、ますます多くの人が難民になっているにもかかわらずである。

UNHCRのイラク・プログラム向け予算は、2003年には1億5000万米ドルだったものが、2006年には2900万米ドルへと落ち込んだ。その予算のうち4分の1は、シリア、ヨルダン、トルコ、レバノンという近隣諸国にいるイラク人難民の必要を満たすために割り当てられている。

シリアには中東地域で最大のイラク人難民コミュニティがある。2003年4月にサダム・フセイン元大統領の政府が崩壊する前、シリアに住んでいたイラク人の数は10万人と推定されている。一方、地元のNGOは、現在シリアにいるイラク人コミュニティの規模は80万人であると見積もっている。

UNHCRが5月に発表した報告書によると、国連ユニセフと世界食糧計画は、約45万人のイラク人が「困難に直面し、それはますます悪化している」と述べる。これは、イラク人難民の「曖昧な法的地位と安定しない収入」によるものである。シリアの人口は約1900万人である。

10月20日、UNHCRの主任報道官ロン・レドモンドは、毎月4万人以上のイラク人がシリアに到着しているという。

シリアの首都ダマスカスに住むイラク人難民の間には、命をつなぐ援助がカットされる見込みであるという絶望が広まっている。

「シリアには何万人ものイラク人がいるため、仕事を見つけることが出来ません。この支援がなければ、私たちは路上で物乞いをしなくてはなりません」とダマスカスに住む62歳のイラク人難民ハジ・ジャマルは言う。

シリアにいるイラク人難民全員のために、私は、国連がこの状況の世話をすることを求めます。そして、この支援がなければ、来年、貧しい人々が新たに何千人も、シリアの路上をうろついていることになるでしょう」と彼は付け加えた。

ダマスカスのUNHCR代表代理ローレンス・ジョルスは、ダマスカス事務所は2006年予算として130万ドルを要求したが、70万ドルしか受け取らなかったとIRINに語った。つまり、2006年の予算は、シリアにいるイラク人難民一人当たり、UNHCRの活動に必要な費用やイラク人以外の難民への支出を考えなくても、1年に1ドルにも満たない額しか使えないということである。

シリアにいるイラク人難民の大多数はダマスカスの郊外にすんでいるが、社会経済的環境は悪化する一方である。彼ら彼女らは公立学校に通い、医療を受けることができるが、ビザ更新のため6カ月ごとに国外に出なくてはならず、また、労働許可を得ることができないため、失業率は高い。

「イラクの人々が最初にここに来たときには、資産を持ってきたため、支援を必要としない人々は多かった。2年たって、状況はかわり、難民の多くは、もはや自活できないでいる」とジョルスは話す。

「イラクの状況は悪化する一方で、回復する見通しは見えない。難民の人々を受容するために受け入れ国を支援する十分な資源がなければ、二次的難民化が起きて人々はヨーロッパに行くだろう。何かするなら今だ」。

UNHCRは現在、ドナー諸国に、2007年のイラク・プログラム向け予算を約2500万ドルに拡大するよう求めている。

このニュースは国連人道ニュース・情報サービスIRINから届けられるが、必ずしも国連やその機関の見解を反映するものではない。IRINの文書はすべて無料で再ポスト・再プリントできる。使用条件については、IRINのコピーライト・ページを参照のこと。IRINは、国連人道問題調整局のプロジェクトである。

投稿者:益岡