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2005/03/30

Nine Inch Nails, The Hand That Feeds

nin_thtf_cut.jpg
上の画像をクリックしてください。歌詞の聞き取りをしました。

これは、米国人であるトレント・レズナー(Nine Inch Nails)が、イラクで、あるいはアフガニスタンで(あるいはその他の場所で)人々に銃を向け、建造物を破壊し、有形・無形のありとあらゆるものをブッ壊している米兵に向かって投げた問いかけです。

NINに暗黒大魔王みたいな役割を期待していれば「へ?」という曲でしょう。ネット上のフォーラムなどでは、トレント・レズナーがこの政治的な曲を、5年以上ぶりのアルバムからのファーストシングルにしたことに対して異論も出ています。

ですが個人的に私は、5年以上の沈黙を破るのがこの曲であったことが、非常に嬉しいです。

■この曲が収録されているアルバム(amazon.co.jpリンク):
Nine Inch Nails' new album, "With Teeth"

投稿者:いけだ(画像も)
2005-03-30 13:54:41

イラク侵略を検討する

ファルージャ2004年4月』著者の一人ラフール・マハジャンがイラク侵略から2年を振り返る。

イラク侵略を検討する
ラフール・マハジャン
2005年3月28日
EmpireNote原文

9日前は、イラク戦争開始から2年だったが、マイケル・ジャクソン裁判とテリー・シャヴォ事件と競合したため、イラクについてはあまり多く放送されなかった。今日から12日後には、サダム・フセイン政権崩壊二周年がやってくるが、おそらくそのときにはジェンとブラッドの離婚騒動が大ニュースとなっているだろう。

イラクにレーザービームのような焦点をあてている我々のような者でさえ、しばしばニュースのサイクルの中で最近の状況を分析するだけになってしまい、より大きな歴史を語らなくなってしまうことがある。一周年・二周年といったときは、大きな図式を捉え直すのに良い機会だろう。

世論調査で、アメリカ人は、いつも、ベトナム戦争で米軍が殺したベトナム人の数を約10万人くらいと推定してきた。これは、2001年9月11に殺された人の数を100人くらいと推定したり、ナチスに殺されたユダヤ人を20万人と推定することに相当する。米国の政策がイラクの人々に加えたダメージを正確に推定することは決定的に重要である。

今回の侵略が行われる前から、イラク社会は壊滅的状況にあった。湾岸戦争の際、米軍は恐らく約10万人のイラク人を殺し、発電所を含むイラクの市民生活インフラを意図的に標的として破壊した。それ以来、イラクは12年にわたる経済制裁を受けたため、イラク再建は極めて困難、実質上不可能となった。大多数のイラク人は、基本的な医薬品や教育資料、きれいな飲み水などといった生活必需品を手に入れることができなかった。2003年3月の侵略までに、こうした米国の政策はイラクという国と社会を崩壊状態にしていたのである。

世界中で、1990年代に識字率が低下した国はイラクだけである。子どもの肥満が深刻な問題だったイラクという国で、約4分の1の子どもが栄養失調となった。最も信頼できる推定では、様々な理由で5歳未満の子ども60万人が余計に死亡し、さらに数十万人の老人が死亡した。この数値は、平和時と比較しての超過数ではなく、1980年代の破滅的なイラン=イラク戦争時と比較しての超過死亡者数である。

しばしば経済制裁によるこれらの死者のほとんどについてサダム政権が非難されたが、線量の記録はそれと矛盾している。経済制裁問題をめぐって活動してきた我々は、それ以上に悪いものはないと考えていたが、実際には、現在のイラク占領は、経済制裁とサダムの残虐さをあわせたよりも多くの人々を殺している。

結果が徐々にわかってきている。ジョンズ・ホプキンス大学とコロンビア大学、ムスタンシリヤ大学の研究者が行なった研究は、2004年9月、政権変更後の超過死亡者を9万8000人と結論した。誤差範囲は大きいが、調査方法を考えると、おそらくこの数値は過少推定である。そしてこ注目すべきことに、の「超過」の基準となっているのは、通常の時ではなく、2002年と2003年、サダム支配と経済制裁の時期であり、既に恐らく少なくとも年間5万人の超過死者(イラン=イラク戦争を基準として)が出ていた時期である。しかもこれらすべての数値は、2004年11月の恐ろしいファルージャ攻撃の前の状況である。今日までに占領下で殺された超過死亡者数を、1970年代以来なかったイラクの想定的な通常状態を基準に考えるならば、20万人はゆうに超えている可能性が高い。

そのうち3万人から4万人----戦闘員が半分、民間人が半分----は、米軍により直接殺された。超過死者の残りは、他の原因、例えば犯罪やレジスタンスの攻撃、強制的失業、保健医療のさらなる崩壊、再建の不在などといった、米国の政策がもたらした原因によるものである。

この気の滅入る現実が主流メディアで報じられることはまず決してない。ベトナムでと同様、事態は「曲がり角まで」来ているという軍のプロパガンダの総攻撃を受けている。イラクから最近戻ってきたバーバラ・ボクサーは、楽観的である。というのも、彼女によると、イラクの米軍最高司令官たちから「とても、とても楽天的な報告を受け取った」からということらしい。

実際には、事態は悪化している。イラク人と外国人戦闘員による暴力はともに続いており、イラク人の死者数は増加の一途をたどっている。外国人戦闘員にはシリア人やイエメン人も含まれるが、大多数は米国人と英国人であり、この米英の外国人は、ファルージャで最近行なった攻撃だけで数千人もの人々を殺しており、その後アル=アンバル州で行なった「リバー・ブリッツ」といった作戦により数百人を殺している。

ガスを求めて並ぶ人々の列はますます長くなっている。いっときは戦争前よりわずかによくなった電力供給も、今やひどく悪化している。バグダードで一日約7時間の電気である。再建はほとんどまったくなされておらず、割り当てられた184億ドルのうち費やされたのは20億ドルだけであり、この頃ではそのほとんどが「治安」すなわち私営の傭兵に使われており、イラクの人々のためには使われていない。失業率は30%から60%と推定されている。

昨年4月イラクで、スンニ派アラブ人だけでなくシーア派も、私に、この占領はサダム・フセインよりも悪辣だと言った----そして事態は今、それよりもさらに悪化している。どうやら、ブッシュ政権は、イラクに、サダムと経済制裁をあわせたよりも劣悪な政府をイラクに創り出すという困難な離れ業を達成したようである。この同じ政権が嫌々ながらも認めた選挙は、これを埋め合わせるに十分ではない。


投稿者:益岡
2005-03-29 23:19:35