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2006/03/25

CPTメンバー解放についての記事類(2) 救出作戦について

CPTの3人の解放について、各種記事類。「救出作戦」についてのもの。

23日のBBC記事、British Iraq hostage Kember freedによれば、

……多国籍軍によって解放された。

……

3人の救出は、イラク時間午前8時(GMTで午前5時)のことだったと考えられている。これに先立つ1週間、英軍が主導し米軍とカナダ軍の特殊部隊が参加した作戦が行なわれていた。

この作戦について当局者から明かされていることは非常に少ないが、拉致した者たちは誰もその場におらず、一切の発砲なく、また誰も負傷しなかったということはわかっている。


とのことで、とりあえずは「米軍ではなく英軍主導」で、「作戦は流血なく完了した」こと、「現場からは拉致犯は既に姿を消していた」ことがわかります。

私としては、「イケイケで乱射狂的な精神」にのっとって実行された作戦ではないということに、ひとまずは安堵を覚えます。殺されるいわれもない人が殺されることなく3人が戻ってきたということには、イラク戦争およびその後の占領についての見方がどうであれ、誰もがひとまずは安堵できるんじゃないかと思います。。。ってこれもまたunthinkableがnormalになってるような気もするのですが。

さて、というわけで英メディアは「SAS祭り」になってます。Google NewsでSASで検索すると、うさんくさーと思うくらい。(笑)

SASは、先日の記事(「アメリカの外交政策のパシリになるために英国陸軍に入隊したのではない」として軍を退役した28歳の元SAS隊員のインタビュー)でちょっと触れた通り、英陸軍の特殊部隊です。駐英イラン大使館人質救出作戦(1988年)が特に有名です。

そうやたらと新聞記事になることはないSASが、ここまで多くの記事で見出しになり、「SASと思われる」というような断定を避けた表現以外で語られるのは、成功した人質救出作戦のときくらいではないかと私は思いますが。

ガーディアンの、ずばり"SAS frees Kember and Canadian hostages"という見出しの記事(24日付け)によると、「通常は作戦に特殊部隊が加わっているとはっきり認めることはほとんどない英国政府が、この作戦はSASが主導したと、自ら進んで述べた」とのこと。珍しい。今回の件には何か特別なものがあるんですかね。確かにこれで、SASのイメージは上がるかもしれないけど。。。

ともあれ、今回の救出作戦についての記事。

まずはBBC。(網羅的になりすぎていて、あんまり整理された記事ではないのですが。)

How Iraq hostages were freed
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/middle_east/4837602.stm

記事から読み取れる「作戦」の流れなどはこんな感じです。

水曜日の夜に米軍が拘束した2人の男が非常に重要なことを知っていた。うち1人はCPTの3人が拘禁されている家の場所(あるいはその手がかり)を知っていた。その情報が翌朝米軍にもたらされ、救出作戦が実行に移された。

米軍スポークスマンの発言(正確な訳ではなく要約):
「軍が(=英米カナダとオーストラリアの特殊部隊で編成)その家に踏み込むと、中に3人がいた。負傷などはしていなかった(in good condition)。家の中に拉致犯はおらず、いたのは、縛られた人質3人だけだった。」

BBCの軍事記者フランク・ガードナーによると、救出に関わったのは、多国籍(英、米、カナダ、オーストラリア)の特殊部隊、警察の交渉人、およびイラク人の仲介役と考えられる。また救出作戦は教科書的な作戦で、先頭に立ったのは英軍兵士(つまりSAS)。
英国のジョン・リード国防大臣は、「数週間かけて準備をした」と述べている。

英国のジャック・ストロー外務大臣は、作戦担当チームを賞賛した上で、一般市民(civilians)が「背後で(in the background)」作戦に関わっていたことを認めている。


米軍スポークスマン、Major General Rick Lynchの会見の内容は:
Kidnapped Christian peace activists rescued in military swoop
http://www.irishexaminer.com/pport/web/...

それから、これ系の報道では絶対外せないテレグラフ@絶賛「SAS祭り」中:
SAS moved at dawn as prisoner cracked
By Oliver Poole in Basra
(Filed: 24/03/2006)
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?...

すっごい筆がのってて「彼らの、長い118日が、終わったのだ」調の記事ですが、事実関係についての部分を中心に要旨(「翻訳」ではありません):

CPTの3人が拘禁されている場所はここだということが確実になったときには、SASのブラック・ユニット(SAS's Black unit)はグリーンゾーンの英国大使館内で(←注目)出動準備が完了していた。

3人の居場所を確実に知っていると思われる男が前の晩に拘束されており、既にアメリカとカナダの特殊部隊とSASは合同していた。

拘束された男は、その日の夜が明けるずっと前に、3人が拘禁されている家とその家のある地域の詳細を喋った。

ぼやぼやしているとその情報は古くなってしまうので、作戦は3時間でまとめられた。

日の出のころには、彼ら特殊部隊はバグダード北西の市境から数マイルのところにある建物で待機していた。

その後どうなったのかについて詳しいことは明らかにされていない。今後同様の事件が発生した場合に、手の内がすっかり知られているということがないように、限られた範囲でしか明かされていないためだ。

作戦はSASが先頭に立った。彼らは家の玄関のドアを蹴破り、すべての窓を割って家に入った。1人用の部屋に、3人がまとめて入れられていた。拉致犯の気配はなかった。家の外では、部隊のメンバーが拉致犯の手がかりを求めて捜索していた。

バグダードでの誘拐事件というと、身代金の支払いがお定まりだが、今回はそういうことはなく情報(intelligence)のおかげで解決したのだと内部の人間は強く主張している。

米軍は、水曜の晩に事情を知っているイラク人を拘束したことがキーとなったと言うが、作戦に関与したすべての人が、これは数百時間を費やした調査の結実であるということを強調している。つまり長い時間をかけて航空写真を分析したり情報源から得られた情報を分析したりしてきた結果である、と。

今回、事態を動かすきっかけとなったのは、2週間前にトム・フォックスさんが遺体で見つかったことだった。

フォックスさんの遺体を調べた結果、処刑されたのではないという結論が導き出されたのだ。これまで、イラクでは処刑の場合は頭を撃ち抜いていた。しかしフォックスさんの頭は撃たれていなかったのだ。

フォックスさんは、腕に3発、胸に3発が撃たれていた。拷問の痕跡と考えられたあざは、格闘した証拠と考えられる。

調査担当チームは、フォックスさんは単にアメリカ人だから殺されたということではないと結論づけた。おそらく、脱出しようとしているときに殺されたのだろう――そうであるとすれば、彼の殺害の様子をおさめたビデオがないことも辻褄が合う。イラクでは通常、政治的動機での殺害では必ず殺害の様子をおさめたビデオが出される。

拉致犯はおそらく、事態をコントロールできなくなっていた。そして彼らの意図せざる行動が、新たな手がかりとなった。18日までには、救出への望みは増していた。

調査に近い人たちは、一切取引はなかったと強く主張する。拉致犯は英国側が断固として身代金の支払いに応じないということを知っており、それゆえに、身代金交渉などをすれば、人質の命を危険にさらすことになるからだ。

彼らが言うには、作戦のスピードゆえではないかとのことだ。作戦は、理想的には24時間監視してから行なわれるが、今回はほとんど時間をかけずに実行されている。あるいは、前の晩の男の逮捕で、拉致犯たちはすぐそこまで追っ手が迫っていることを知ったのかもしれない。

しかし、拉致犯が網をかいくぐって逃げたことは、昨日の救出作戦に陰りを投げかける。また同じことが行なわれるかもしれない、ということだけでなく、いまだ拘束されている7人の西洋人についての情報が得られる見込みも薄くなったからだ。また、復讐として7人のうちの1人の斬首が行なわれるという事態にもなりかねない。


ガーディアン記事によると、このタスクフォースにはMI6の人も参加していたそうです。(言うまでもないことではありますが。)

The Timesは、「すげぇぞSAS!」的な記事なんですが、作戦についてはテレグラフよりもさらに詳しいです。

Two minutes to freedom in SAS mission
By Nick Meo in Baghdad, Michael Evans, Daniel McGrory and Tom Baldwin
March 24, 2006
http://www.timesonline.co.uk/article/0,,7374-2101201,00.html

特に興味深いところだけ引用して、内容を日本語化:

Task Force Blackとして知られる秘密部隊がある。司令官はSASの将校だ。彼らは何ヶ月にもわたり、静かに、イラクの戦争犯罪者(<誰のことかわからん)を追跡し、人質を捜索してきた。

Task Force Blackは、米軍、英軍、オーストラリア軍の特殊部隊員250人ほどで構成され、諜報部員にバックアップされている。CPTの3人が昨年11月に連れ去られたあとで、ロンドン警視庁は訓練を受けた交渉人を、カナダは誘拐事件の専門家を送り込んだ。また、FBIやMI6の職員もバグダードに入り、犯人との直接交渉を仲介する人物との接触を試みた。

英軍の秘密作戦担当兵士が、ひげをたくわえイラク人の服装をして、宗教指導者や部族の長老と会い、誘拐犯についての情報を収集した。衛星写真や電話の傍受などの情報は、緻密に調査された。報酬を支払って雇ったインフォーマントや地元のリーダーやイラク警察から寄せられる情報は、嘘ばかりだった。しかし水曜の夜に拘束された男は、秘密を語ったのだ。

SASは拉致犯の拠点はバグダードの西部、al-Hurriyah地区であると判断した。ここは主にスンニ派の反乱者(mainly Sunni insurgents)の拠点であり、数十件ものイラク人誘拐を行なった犯罪ギャングの拠点である。水曜の夜に拘束された男は、正確な住所を明かし、場所の様子を説明し、3人が拘禁されている家とその傍の道路のスケッチを描いた。

……

23日午前3時ごろ、救出部隊責任者のSAS司令官がグリーンゾーンの基地(<テレグラフによれば「英国大使館」)に隊員を招集した。部隊は主にSAS隊員で構成され、英陸軍パラシュート連隊第一部隊と英海軍の兵士50人がバックアップしている。50人全員が、タスクフォース・マルーン(Task Force Maroon)というコードネームを持つSpecial Forces Support Groupの隊員である。


この3つの記事を読めば、前日から当日までの流れはわかります。つまり、前日の晩に拘束された人物が、(おそらく米軍で)取調べを受け、深夜1時とかくらいに家の場所などの詳細情報をゲロった。その情報を元に救出作戦が立案され、作戦に当たる部隊が数時間のうちに召集され、夜明けには現場近くで待機。SAS隊員が突入し、縛られていた3人を発見し、救出した。一方で家屋周囲では捜索も行なわれたが、拉致犯の姿はなかった。(男が情報源になる/なったことが拉致犯にわかったのかもしれないですね。「あいつが捕まった→居場所がばれる」的な形で警戒して逃げたとか。)

さて、上記タイムズの記事に次のような一節があります。
the hostages were cut free, taken out of the building and bundled into the back of an army Land Rover. Less than two minutes after the rescue force had entered the building, the three Westerners were on their way to freedom.

人質はいましめを解かれ、建物の外に連れ出され、英陸軍のランドローバーに乗せられた。救出部隊が建物に入ってから2分もしないうちに、彼ら3人の西洋人は、自由への道についていた。


解放されて「自由への道」についた3人が向かった先は、同じ記事にheavily fortified(厳重に要塞化された)という形容詞つきで出てくる、バグダードのグリーンゾーンです。

バグダードでは、「自由」は要塞化されている、という皮肉に見えてしかたありません。気のせい?

投稿者:いけだ

■トラックバック先:
【イラクでのアメリカのやり方は「不法」として、SAS隊員が軍を除隊】Sean Rayment, Telegraph.com(2006/3/12)@反戦翻訳団さん、3月22日
http://blog.livedoor.jp/awtbrigade/archives/50223624.html
※記事中で反戦翻訳団さんの訳文(by 203号系統さん)を一部使わせていただきました。

■追記:
英語には日本語の「おつかれさま」を言うための表現方法がないと、英会話まわりではよく言われますが、英国の閣僚が今回のケースでどう発言しているかを見ると、「よくやった、おつかれさま」の表現方法がわかるかもしれません。

CPTメンバー解放についての記事類(1) CPTからの声明

CPTの3人の解放について、各種記事類。まず、CPTからの声明と、それについての反響。

声明を日本語化したもの(岡田剛士さんによる)が、原文(英語)とあわせて、P-navi infoさんに掲載されています。

■イラクで拉致されていたCPTのメンバーが解放 (CPT声明全訳あり)(3月23日)
http://0000000000.net/p-navi/info/news/200603232142.htm

 私たちはHarmeet Soodenの帰還を歓喜と共に迎えます。……

 私たちはJim Loneyの帰還を歓喜と共に迎えます。……

 私たちはNorman Kemberの帰還を歓喜と共に迎えます。……

 私たちは、悲しみの涙と共に Tom Foxのことを覚えます。……

 HarmeetとJim、Norman、そしてTomは、イラクの人々が直面している苦闘を知るために赴きました。武力紛争によって破滅的な状況にある一つの国で非暴力的なオルタナティブを実現しようとする、そうした正義と平和のための情熱ゆえに、彼らは赴いたのでした。

 この4人は、彼らを守ってくれるのは、神の愛の力、そしてイラク人協力者たちと国際的な協力者たちの力だけなのだ、ということを知っていました。私たちは、多国籍軍によるイラク違法占領が、今回の誘拐、そしてイラクにおけるたくさんの悲しみと苦難をもたらした不安定さの一番の原因だと確信しています。この占領は終わらなければなりません。

 今日、この喜ばしい知らせに接して、私たちの信仰は、私たちの敵がたとえ私たちの友人に大きな苦難をもたらし、その家族に悲しみをもたらす行為に加担していたとしても、そうした敵を愛することを求めています。JimとNorman、Harmeet、そしてTomをイラクへと赴かせた預言的な非暴力のスピリットゆえにこそ、私たちは、復讐のスピリットに従うことを拒否します。私たちの友人に勇気を与え、このかんの数ヶ月にわたって彼らのスピリットを持続させてくれた慈悲深き神に、私たちは感謝します。

 ……


これを読みながら、イラクの人たちについて私が「よかった!」と思ったのは、これまでどういうケースがあっただろうかと思い出していました。

まずは、2004年、シーア派の行事「アシュラ」のときに、ものすごいでかい爆弾が爆発した際、取材に行っていたサラーム・パックス(元祖「バグダード・ブロガー」)が一時音信不通になってしまって、数日後に無事が確認されたとき。

それから、2004年9月、バグダードのハイファ・ストリートで取材していたG(Ghaith Abdul Ahad:元バグダード・ブロガーズのひとり)が英ガーディアンに書いた記事を読んだとき――それは単に、Gが死ななくてよかった、というだけのことにすぎない。Gが撮影した現場の写真の中の人たちは、死んだ人か、死につつある人でした。米軍の攻撃があったときにそこにいた人のなかで、生きのびたのは写真を撮影したGだけ。

バグダードで何か爆発があったとか、「捜索」作戦が行なわれたとか聞くたびに、バグダードのブロガーが何か書いているのを確認しては、「よかった、彼/彼女は無事だ」と安堵するのは、すっかりノーマルなことになっています。モスルで何かあるたびに女子高生ブロガーズやそのご家族のブログを確認してはほっとするということもノーマルで、ほとんどルーティーン化してさえいます。

大多数の人たちは、英語でブログやってないってのが現実なのだけれども、それを知っていてもやはり。

Khalid Jarrarがムハバラト(俗称)に連行された件では、彼らご家族とはほかのブロガーよりも強いつながりを私は持っているから(翻訳とかしてる点で)、Faizaが「息子が解放されました」と書いたときのモニタのこちら側での気持ちは、「安堵」を超えていました。

むろん、何度かあった「解放された外国人人質」のニュースでも「よかった!」と思いました。

けれど、そういった「私の安堵」の背後には、いかほどの暴力と流血と死があることか。

再度、CPTの声明より(source):

During these past months, we have tasted of the pain that has been the daily bread of hundreds of thousands of Iraqis: Why have our loved ones been taken? Where are they being held? Under what conditions? How are they? Will they be released? When?

 この数ヶ月間、私たちは、イラクの数十万もの人々の日々のパンとなってしまっている苦しみを味わってきました。つまり、なぜ私たちの愛する人々が連れ去られてしまったのか? 彼らはどこに拘留されているのか? その人々が置かれているのは、どんな状況なのか? かれらの状態はどうなのか? 解放されるのだろうか? そして、いったい、いつになったら? ──と。


****************

一方で、これは資料的にメモしておきたいから書くのだけれども、このCPTの声明に対して物申す的な記事もあります。

Activist group fails to thank rescuers
By Richard Beeston, Diplomatic Editor
March 24, 2006
http://www.timesonline.co.uk/article/0,,7374-2101199,00.html

THE Christian group whose activists were freed in a British-led raid in Baghdad yesterday did not thank their rescuers but instead called on them to withdraw from Iraq.

昨日英軍主導の捜索でクリスチャンのグループのメンバーが解放されたが、そのグループは、救出者に感謝するどころか、救出者に対しイラクから撤退せよと呼びかけた。


引用したのは、記事の第一パラグラフ。つまり最も目立つ場所であり、最も明確に「筆者の主張」を打ち出す場所です。

記事ではその後CPTの声明やメンバーの発言を紹介し、その後で「CPTは他の援助団体が撤退したあとも、イラクに居座った」的なことが書かれ、CPTのメンバーが護衛をつけずにあちこちに赴いていることなどが、非難する書き方で書かれています。

The Times(米国ではNYTと区別するために、the London Timesと表記されることがある)はルパート・マードックのニューズ・コーポレーションの一員。この新聞は、こういう「“正論”を“正々堂々と”言う」系の記事を読みたい読者をたくさん持っているのだろうということで。

(ちなみに、同じthe Timesでも日曜のthe Sunday Timesは別組織で、編集方針も違います。また、低俗系タブロイドのthe Sunとその日曜版のthe News of the Worldも、the Timesと同じグループ、つまり一種の「系列」で、the Sunはthe Timesよりもっとあからさま。)

このthe Timesのような論調は、ネットをうろうろすればほかにも見つかるんですが、こういうのは1つメモすれば事足りるんでこれだけで。

ただし注目すべきは、the Timesがこのような書き方をしているということだけではありません。

ガーディアンなどに書かれているのですが、英軍司令官のマイク・ジャクソン将軍は、チャンネル4ニュースでのインタビューで、解放された人から解放した(解放してくれた)兵士への感謝のことばがないことについて「悲しい」と述べているそうです。

正確な発言とその発言の文脈を見るべきなので、チャンネル4のサイトから。

General Jackson interview
Published: 24 Mar 2006
By: Jon Snow(←チャンネル4のニュースキャスター)
http://www.channel4.com/news/...

Q: Does it help when - however well intentioned, people put themselves in this position? You have somebody who voluntarily goes out there, decides they're going to be a peacemaker, they oppose your presence there, and then you have to divert resources from what you are really doing - which is to protect the civil population, in order to rescue them...?

A: Well indeed. Part of this in my view; part of what we are doing is to take Iraq out of a pretty dark age and help it - with all the difficulties - but to help it progress to something rather better ...

Q: But there are more people saying they are going to go out and try and make peace... what do you say to them?

A: Well I would say please abide by the very clear advice you are given by the Foreign Office - I would say that to any British traveller.

Q: And don't go?

A: Well that is what they are saying. Yes. But equally, the point I was coming to; when I was reflecting upon moving Iraq into a better future - part of that is that people are free in a way that we understand - to make their own decisions, if that flies in the face of such advice, so be it...

There is a very fine balance here but I would urge people, because I am slightly saddened that there doesn't seem to have been a note of gratitude for the soldiers who risked their lives to save those lives.

【意訳:ところどころよくわからない部分があるのですが強引に。「誤訳」はご指摘ください】
キャスター:どんなによい意図であれ、自分のせいでこうなったという場合に、だからといってどうなんでしょうか? つまり、現地に行くのだと自発的に言い出して、平和をつくるのだと言う人がですね、あなたがた(=軍隊)がいることには反対している。そしてこういうことになったら、そういうことを言う人たちの救出のために、本来の任務にあたるべき人員を割かなくてはならない――本来のというのは、(イラクの)一般市民を守ることですが。

ジャクソン将軍:そうですね。私個人の考えでもありますが、(それとは別に、)われわれがやっていることとは、イラクを暗黒時代から出し、イラクを助けることですから。いかに困難であろうとも、イラクがもっとよい状態になるのを助けることですから。

キャスター:しかし、現地に行って平和をつくるのだと言う人たちが増えていますよね……そういう人たちについてはいかがおっしゃいますでしょうか?

ジャクソン将軍:そうですね、とにもかくにも、外務省から出されている非常にはっきりとした勧告(=退避勧告)に従って、思いとどまっていただきたい。英国人で渡航しようという人全員にそう申し上げたいですね。

キャスター:つまり行くなと?

ジャクソン将軍:そうですね、外務省はそう言っているわけですから。しかし同様に、私が言いたいのは、イラクをよりよい未来へと動かすことを考えますと――それには私たちが理解しているように自由に、人々がなれるということも含まれますが――自分自身で決断できるようにですね、ああいう勧告はうっとおしいだけというんでしたらそうでしょうが……

非常にデリケートな問題ではありますが(=「自由」な英国において政府の言うことに従えという点で)、しかし私としてはやはり強くお願いしたい。というのは、命を賭して彼らを救った兵士たちに対する感謝のことばが一言もないようですが、そのことで私は少々悲しく感じておりまして。


※The Timesの記事は24日付けで、マイク・ジャクソン将軍のインタビューは24日の夜のニュースですから、the Timesが将軍のこの発言を受けて記事を書いたということではありません。記事中に将軍への言及もありませんし。


投稿者:いけだ