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2006/12/17

米軍は再び病院への侵入攻撃を行った

2004年4月。ファルージャで米軍の狙撃手は意図的に救急車を狙撃しました。年老いた病人を救い出そうとした、あるいは流産しかけた女性を診療所に運ぼうと向かった救急車を。その後も米軍はこうした戦争犯罪を繰り返してきましたが、今回は、ファルージャで再び米軍が行った戦争犯罪について。

米軍は再び病院への侵入攻撃を行った
ダール・ジャマイル&アリ・アル=ファディリー
2006年12月15日
Electronic Iraq 原文

ファルージャ発(IPS)。イラク人医師たちと医療スタッフは、米軍が再びファルージャ総合病院に侵入捜査を加えたことで激怒している。

この侵入捜査は、12月7日、路肩爆弾が爆発してイラク人警官4人が死亡し2人が負傷したのちに行われた。負傷者はファルージャ総合病院に運び込まれた。

この攻撃の直後に、ファルージャを「パトロール」していた米軍海兵隊員が銃撃により負傷した。

「米軍兵士たちは発砲された方向に向けて銃撃を返し、それからすぐに(ユーフラテス)河をわたって総合病院に向かいました。狙撃者を撃ち負傷させたと考えたのでしょう」と、目撃証人はIPSに語る。

「米軍兵士たちは、負傷したレジスタンス戦士たちが、あそこのいわゆる病院に行くのだと勝手に想像しているようです」。引退したある外科医は、IPSにこう話した。「レジスタンス戦士たちがあの場所を信用していないことを私たちは知っています。米軍から何度も侵入捜査を受けており、また、あの病院では何もかもが不足しているのですから」。薬品も機材もないため、病院は最低限の機能しかしていないと、この外科医は説明する。

ファルージャ総合病院にいた目撃者によると、米軍兵士たちは「まるで軍事標的ででもあるかのように」病院を襲撃したという。

「米軍兵士たちが入ってきた乱暴なやり方に私たちはパニックを起こしました。ドアを蹴り開け、鍵の掛かった扉は爆破したのです」と、ある看護婦が語る。「医師の一人が兵士たちに、鍵の掛かったドアを開ける鍵を持っていると言いました。けれども米軍兵士たちは彼の顔に銃を突きつけたのです。それから、兵士たちは、私たちに建物の外に出ろと言い、翌朝の早い時間まで、私たちを庭に押し込めて監視していたのです」。

米軍兵士たちは「気温が5度を下回ったにもかかわらず、暖をとるために毛布を取りに行くことさえ認めませんでした」とこの看護婦は言う。

医者や医療スタッフは拘束されて侮辱を受け、中にはテロリストと呼ばれた人もいたと目撃者たちは語る。それで病院は閉鎖され、もはや最低限の治療さえできない状態になっている。

「米軍兵士たちのこうした振舞いに、私たちは慣れています」とある病院職員はIPSに語った。「顔を地面に押しつけられ、手錠をされたのはこれが三度目です。米軍兵士たちは、医療関係者に対してとりわけ凶暴にふるまいます。自分たちがテロリストを呼ぶ人々を私たちが第一に支援していると考えているのでしょう」。

米軍は、大隊戦闘チーム5の海兵隊員がファルージャ総合病院に侵入したのは、海兵隊員二人が前日ファルージャで負傷したあと戦士を捜し出すためだと説明した。

イラク「多国籍軍」の報道官ブライアン・サラス中佐は記者団に対し「連合軍が病院の捜査を行ったのは、ファルージャの市民が診療をうけるために病院が安全な場所であることを確実にするためだ。ファルージャ市民には診療を受ける資格があるんだから」と語った。

同病院はこれまでにも何度も米軍の襲撃を受けてきた。とりわけ、2004年4月と11月に米軍がファルージャに加えた攻撃の際に。

2年前の2004年12月13日、IPSは、米軍がイラクの保健医療関係者をファルージャ周辺およびファルージャ市内で妨害しており、意図的に救急車を標的にしていると報じた。2005年11月、IPSは、米軍がラマディで二件の病院に侵入したと報じた。

たくさんのイラク人医師が、イラクで、「テロリズムを支援している」との嫌疑を掛けられ、様々な期間にわたり、米軍に拘束されている。米軍兵士に拘束されたり殺されたり、あるいは民兵「死の部隊」に殺されることを恐れて、多くの医師が国外に逃亡した。

独立組織のイラク医師協会は、先月、2003年以前に登録されていたイラク人内科医3万4000人のうち、半分以上が国外に逃れ、さらに、少なくとも2000人が殺されたと発表した。

ジュネーブ第一条約第12条は、「軍隊の構成員及びその他の者で、傷者又は病者であるものは、すべての場合において、尊重し、且つ、保護しなければならない」と述べている。さらに、同条文には、「それらの者の生命又は身体に対する暴行は、厳重に禁止する」とある。

また、ジュネーブ第一条約第24条は「傷者若しくは病者の捜索、収容、輸送若しくは治療又は疾病の予防にもっぱら従事する衛生要員、衛生部隊及び衛生施設の管理にもっぱら従事する職員並びに軍隊に随伴する宗教要員は、すべての場合において、尊重し、且つ、保護しなければならない」と述べている。

ジュネーブ第四条約の第18条には、「傷者、病者、虚弱者及び妊産婦を看護するために設けられる文民病院は、いかなる場合にも、攻撃してはならず、常に紛争当事国の尊重及び保護を受けるものとする」とある。

All rights reserved, IPS Inter Press Service( 2006) . Total or partial publication, retransmission or sale forbidden .

テロリストたちが、医者や看護婦を「テロリスト」と呼ぶ倒錯。

投稿者:益岡

イラク:追い詰められた軍は絶望的な戦略に向かっている

米軍によるスンニ派地域での包囲とテロ攻撃で多数の民間人が殺されています。シニヤーで、ドゥルイヤーで、ファルージャで、ラマディで。

イラク:追い詰められた軍は絶望的な戦略に向かっている
ダール・ジャマイル&アル・アリ=ファディリー(IPS)
2006年12月12日
ZNet 原文

ファルージャの住民によると、米軍主導の占領に対するレジスタンスが増加している地域に暮らす住民は、ますます酷い集団的懲罰に晒されているという。

バグダードの200キロ北にある人口2万5000人の町シニヤーは、2週間にわたり、米軍に包囲されている。

IPSは、以前、シニヤーでの動乱について報じたことがある。1月20日、米軍が6マイルにわたり砂壁を構築してレジスタンスの攻撃をチェックしようとして失敗したときである。

豊富な石油を有する爆発寸前のサラヘディン州のベジ近くに位置するシニヤーでは、イラクのほとんどの地域で統制を失った占領軍が用いるおぞましい戦略が生々しいかたちで示されている。

「2週間にわたる包囲のあいだに、13人の子どもたちが死にました。米軍兵士が、シニヤーの総合病院を閉鎖し、さらに医師たちに診療所を開かせなかったためです」と同市のある医師は、衛星電話を通してIPSに語った。

この医師は米軍からの報復を恐れたため、匿名を条件に語ったものである。米軍の封鎖により市が外の世界から遮断されていたため、IPSは電話で彼と話をせざるをえなかった。

「米軍がここで包囲網を敷いたのはこれが初めてではありませんが、今回の包囲は殺人行為です」と医師は述べた。

バグダードの米軍広報士官はIPSに対し、電話で、米軍は「シニヤー市内及び周辺地域でテロリストと戦うためにしなくてはならないことをしている」と述べた。さらに「医療支援を妨害はしていない」とも。

IPSがこの士官に、市内の医師から逆の情報を得ていると説明すると、彼は「それはうそっぱちだ」と答えた。

この包囲は、シーア派が支配しヌーリ・アル=マリキ首相が率いる政府への怒りを生み出している。マリキはシニヤーでの死について意見を表明していない。スンニ派の人々は、彼がバグダードのシーア派地域サドル・シティ周辺の米軍の検問を解除するよう命じたこととの大きな違いにはっきり気づいている。

イスラム教の二つの流れであるシーア派とスンニ派の間ではセクト的対立が高まっている。世界的にはスンニ派が多数派であるが、イラクではシーア派が多数派であると言われている。

マリキ政府に参加しているイスラム党の幹部アブドゥル・カレーム・アル=サマライは、バグダード衛星チャンネルの中で、シニヤーで13人の子どもたちが死んだのは「包囲によるもので、米軍がシニヤー市の医療を阻むよう命じたからだ」と述べた。

バグダードの北約60キロにあるもう一つの小さな町ドゥルイヤーもまた、この3週間、米軍に包囲されている。

「彼ら(米軍)はドゥルイヤー(サマラ近く)に何度も包囲網を敷いた。最も最近の包囲は、先週、一部だけが解かれた」とサマラ市議会のサミール・ムハンマドはIPSに語った。

ジュネーブ条約は集団的懲罰を禁じている。国際法は、ある国を占領している勢力は、その地の民間人を保護する責任があると述べている。

バグダードの西にある、アル=アンバル州のファルージャは、米軍の攻撃と嫌がらせを受け続けていると、ファルージャの住民たちは語る。

「どうして彼らは、誤りを認めて立ち去らないのでしょうか」。ファルージャ出身のカラフ・ダウード(55歳)はIPSにこう語る。「米軍はファルージャ全土で攻撃を受け、米軍兵士たちは殺されているのです。それに対して米軍がしていることはといえば、報復として民間人を殺し、ファルージャを経済的に窒息させることだけです」。

レジスタンスの狙撃手たちが米軍兵士への攻撃を行った3日後、ファルージャの電力供給が遮断された。米軍の車両はファルージャ周辺で日常的に攻撃を受けている。

ファルージャ住人の何人かはIPSに対し、ファルージャでは1日に平均して一人の民間人が、米軍の発砲で殺されていると語った。米軍による家々への強制侵入捜査は激化している。

ファルージャ駐留米軍司令官は、先月、地元メディアに対し、一日に平均して5件の攻撃が自分の部隊兵士とイラク軍部隊に対してなされていることを認めた。ファルージャ住民の圧倒的多数は、米軍兵士のファルージャからの無条件撤退を求めている。

一方、ファルージャのあるアル=アンバル州の州都ラマディでは、状況はさらに悪化している。ラマディの住民はIPSに対し、米軍戦闘機やヘリコプターからの爆撃で多くの民間人が殺されたと証言している。

11月17日、IPSは、米軍がラマディの家数件を砲撃し、35人の民間人を殺したと報じた。

ラマディの部分的封鎖は続いており、マリキ政府が結成した新たな民兵ダンが「テロと戦う」という名のもとに、ラマディから若者を狩りだしていると住民は苦情を述べている。

この民兵団は、最近、ラマディにあるアンバル大学を制圧し、学生たちに嫌がらせを始めた。民兵がキャンパスに入り込む前までは、米軍兵士たちが大学への本道を封鎖していた。

「彼らは大学の学長にまで嫌がらせを加え、学長のことをアルカーイダのボスと非難しています」と、匿名を条件に大学教授が語った。「学長は化学の教授で、一生を科学に捧げ、博士課程と修士課程の指導を行ってきた、とても平和的な人なのに」。

コンピュータ接続がしばらくおかしかったことと、教育基本法改悪反対で夜いろいろ出かけていたため、情報紹介に間が空きました。

ファルージャの状況については、まだお読みでない方は、改めて『ファルージャ2004年4月』をお読み下さるよう。現在、アンバル州の各地で米軍が町を包囲し、医療行為を妨害していることが、その地に暮らす人にとってどのような状態を意味するのか、よりはっきりとわかると思います。

投稿者:益岡