「軍の絶え間ない侵入捜査に、私はもう耐えられない」
「軍の絶え間ない侵入捜査に、私はもう耐えられない」
リナ・マスフィ
2007年1月23日
IRIN
Electronic Iraq 原文
バグダード発。私の名はリナ・マスフィ。32歳で研究所の助手をしており、子どもたちを育てるのに必要な収入を得るために1日10時間働いています。
この3カ月、私の生活は地獄のようでした。米軍とイラク軍の兵士たちが、12回以上、私の家に侵入し捜索したのです。
夫のカリルは、2003年、米軍がイラクを侵略したときに殺されました。閉鎖された道を車で通っていて、米軍兵士に射殺されたのです。
私はハイファ通りに住んでいます。現在、バグダードで最も危険な地区の一つです。この地区は、ゲリラが多いことで有名です。イラク軍と米軍の兵士たちがこの地区で活動を強化しているのはそのためで、彼らは絶え間なく家々に侵入捜査を加え、男たちを逮捕して尋問しています。
先月、彼らは、23歳になる私の弟ファエークを捕まえました。彼は私の家に同居していました。薬学専攻の学生ですが、兵士たちは彼を捕まえ、無罪であることがわかったあとも、1週間にわたって彼を拘束していました。戻ってきたときには、拷問を受けた痕があり、苦痛で幼児のように泣いていました。
軍の絶え間ない侵入捜査に、私は耐えられません。兵士たちが家に侵入するとき、必ず家のドアを壊すのです。ドアをノックすることすら知らないのです。ある日、私は兵士たちに、呼び鈴をならさずドアを破壊して侵入するのはどうしてかと聞きました。彼らは私をあざ笑い、お前はバカだ、と言いました。
家の家具は、兵士たちが乱暴に捜索を行うため、すべて壊れてしまいました。皿やコップも兵士たちが捜索で壊したため、もうありません。
私には子どもが二人いますが、ほとんどいつも子どもたちは怖がっています。4歳になるムハンマドは、夜、よく眠ることができません。毎晩、悪夢を見て、起きては泣くのです。おじさんを連れ去ったように自分も連れ去られることがないようにと私に求めながら。
娘のファディアはまだ8歳ですが、学校に行きたがりません。兵士たちが家に侵入してきたときに私がいないと、兵士たちは弟に何か悪いことをするのではないかと心配しているからです。家にいれば、弟が怖がらないように守ることができるからです。
私が暮らしている地区は、絶え間ない戦争のさなかにあります。自分の家に出入りすることさえ安全ではありません。店はほとんどしまっています。野菜や米などの食料品を買うために、5キロも歩かなくてはなりません。
ときどき、仕事からタクシーで戻ってくると----仕事場は家から45分かかります----、道路が閉鎖され、至る所で弾丸が飛び交っていたりします。
そんなとき、子どもたちの身に何か起きたのではないかと心配になり、私も泣き出してしまいます。弟がいることはわかっているのですが。家に着けば、ムハンマドが泣いていて、ファディアが怖がっていることはわかるのですが、ずっと家にいるわけにもいきません。今、私が仕事を辞めれば、子どもたちを食べさせることができなくなるからです。
ハイファ通りでは、毎日3人の遺体を見るのは当たり前で、先週のように、8人の遺体があったこともあります。戦士たち、罪のない民間人、そして兵士たちの遺体です。誰も遺体の処置をしようとしません。遺体に近づこうとすると、次の犠牲者になってしまうからです。
逃げる場所もありません。いつか再び平和な中で暮らせるようになることを望みながら、この絶望的な状況に耐えるしかないのです。そうなるまでに何十年とかかるように思えたとしても。
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投稿者:益岡