ラマディへの目
2004年4月と11月のファルージャ攻撃。4月には600人と言われる人々が、11月にはさらにそれを大きく超える数の人々が、米軍により無差別に殺されました。今、ラマディで米軍は同じことを繰り返そうとしています。
ラマディへの目
2006年6月12日
Electronic Iraq 原文
ラマディ中心部のモスク
ロサンゼルス・タイムズ紙は、ラマディに対する米軍主導の攻撃が差し迫っていることを示す兆候があると報じている。ラマディはアンバル州の一都市で、暗殺されたアルカーイダのイラクにおける指導者アブ・ムサブ・ザルカウィに忠誠を誓う人々を含め、ゲリラが自由に行動できる都市である。
占領軍は、2003年の侵略以来、ラマディを制圧しようとしてきた。川沿いにあるこの都市の住民は、政治的な策略や、米軍による攻撃、ゲリラの攻撃にこれまでもさらされてきた。そうした闘いが、今や、頂点に達しようとしている。
2006年4月19日、ラマディをパトロール中の米軍海兵隊兵士と通訳がイラク人女性たちに、近所での活動を聞いている。
「この数週間のうちにインタビューをした部族の指導者達と町を逃げ出す家族からわかることは、40万人の住人がゲリラと米軍の交戦に巻き込まれ絶望的な状況にあるということだ。食料も医薬品も供給が不足し、ガソリンが不足し、町の公共サービスが停止しているため、価格は急上昇している」と、ロサンゼルス・タイムズ紙の特派員ミーガン・K・スタックとルイーズ・ルーグは書いている。
同紙の報道は以下のように続いている。
米軍とイラク軍は、土曜日までに町の周囲に警戒線を張ったと、住民とイラク人官僚は語る。住宅地のいくつかに空襲が加えられ、兵士達が拡声器をもって路上に出、住民に、まもなく激しい攻撃が行われると警告している。ラマディの警察所長ターシーン・デュライミはこう語った。
米軍関係者は、ラマディ攻撃が進められていることを認めもせず、否認もしなかった。
何千という家族が町に取り残されていると、逃げ出してきた人々は語る。金や交通手段がないために逃げ出せない人々が沢山おり、一方で、子どもたちの学校での期末試験が終わってから逃げようと、試験終了を待っている人々もいる。
「状況は破滅的です。サービスも電気も水もありません」とラマディと州都とするアンバル州の元州知事シャイフ・ファサール・ガウードは語る。
「ラマディの人々は二つの厄介者の板挟みになっています。激しい武装ゲリラと、米軍・イラク軍兵士です」。
住民は、とりわけ、既にラマディに駐留していた米軍を補強するために派遣された1500人の米兵が到着したことを憂慮している。米兵とゲリラの紫外線は数カ月にわたって続いているが、米軍兵士の派遣により、住民は、ゲリラから町を奪い返すための大規模攻撃が近いのではないかと緊張している。
「ラマディは地獄になりつつあります」とモハメド・ファフダウィは語る。42歳の彼は、4人の子どもを連れて、2週間前にバグダードに逃げてきた。「信じられないことです。アメリカ人は、全兵力をラマディに連れてきたかのようです」。
米軍指導者は否定するが、2004年11月に米軍が近くのファルージャに加えたのと同じような大規模な攻撃を示唆する兆候は多数ある。ファルージャ攻撃について、ワシントン・ポスト紙は昨年「ファルージャにある3万9000軒の住居のうち半分以上がダメージを受けた。約1万軒が完全に破壊されるか、これ以上住めないほどのダメージを受けたと米軍関係者は語る」と報じている。
ファルージャはいまだにこの破滅的な攻撃から復興していない。その攻撃では、占領米軍は、病院を侵入捜査し、命に関わる医薬品や食料援助の搬入を妨害し、数え切れない程の罪のない人々を殺し、犠牲者を生きたまま焼いてしまう無差別発火兵器である白燐爆弾を町の一部に雨のように投下した。
ラマディは、以前のファルージャとどうよう、イラク人ゲリラの一部にとってある種の本部のようになっていた----米軍兵士は数カ月にわたり、こうしたゲリラと市街戦を繰り広げてきた。ラマディのゲリラは警察志願者を殺し(1月に70人)、部族の指導者たちを暗殺していた。
エレクトロニック・イラクはラマディで起きることを追跡する予定である。毎日チェックして下さい。
ラマディ関連ニュース(2006年6月13日改訂)Ramadi: Fallujah Redux, Dahr Jamail (12 June 2006) Fear of Big Battle Panics Iraqi City, Los Angeles Times (11 June 2006) Heavy Street Fighting in Ramadi, Informed Comment (10 June 2006)
背景:Wikipedia on Ramadi U.S. Will Reinforce Troops in West Iraq, Washington Post (30 May 2006) Insurgents hamper U.S., Iraqi forces in Ramadi, AP (22 May 2006) Marines From Iraq Sound Off About Want of Armor and Men, New York Times (25 April 2005) US General Gets Earful From Men in Sunni City Who May Forgo Polls, Los Angeles Times (30 January 2005) More blood, More chaos, Dahr Jamail's Iraq Dispatches (21 November 2004) Young Marines frustrated by lack of progress, Boston Globe (12 August 2004) Among Troops, Growing Doubts About Mission, Leaders Who Sent Them, Knight-Ridder (21 July 2004) 'US soldiers started to shoot us, one by one' , The Guardian (21 May 2004) US-Led Forces Risk Being Sucked Into Guerrilla War, Reuters (8 April 2004) Revolutionary violence engulfs Iraq, AP (7 April 2004) Anger and faith fuel Iraqi resistance, Boston Globe (9 October 2003) Iraq Town Blames U.S. Troops for Fatal Explosion at Cadet Graduation, Knight-Ridder (7 July 2003)
ファルージャで何が起きたかについては、私たちが訳した『ファルージャ2004年4月』(現代企画室)のほか、土井敏邦さんのDVD『ファルージャ2004年4月』、4月と11月に現地にいて虐殺を撮影したイサム・ラシードさんの『ファッルージャからの証言』を、ぜひご覧下さい。
また、色々なかたちで、ラマディで起きつつあることを知らせ、反対の声を広めていただけると幸いです。
投稿者:益岡