ファルージャ:あれから一年
小泉純一郎首相が「成功させなくてはならない」と述べた2004年11月のファルージャ攻撃。白燐弾による民間人の大量殺人のあと、ファルージャに訪れたのは米軍と手先のイラク軍による監獄化、その中での略奪。
ファルージャ:あれから一年
ダグ・プリチャード
2005年11月12日
Electronic Iraq 原文
2005年11月8日、クリスチャン平和構築チームはファルージャの町を再び訪れた。米軍による大規模なファルージャ攻撃から1周年にあたる日だった。1年前のこの攻撃で、30万人の住民----多くはスンニ派----のほとんどが追放され、産業基盤とサービスが破壊され、家々の3分の1が瓦礫となった。それ以来、どうなっただろうか?
ファルージャの町は、現在、米軍とイラク軍のシーア派兵士たちが支配する多数の検問からなるネットワークに取り囲まれている。米軍海兵隊が発効する身分証明書やそれに相当する許可証がなければ、誰一人、町に入ることはできない。私たちは許可証をもっていたにもかかわらず、町に入るのに75分かかった。これらの検問所は、町の経済生活を窒息状態に追いやっている。基本的な食料品の価格は倍になり、周囲の村をファルージャの市場やサービス、病院から遮断している。人々は、監獄の中に暮らしていると語る。
最初に訪問したのは、大きなモスクを司る導師だった。彼は、町の中心部に住んでいた人々の大部分は戻ってきたが、周辺地域に住んでいた人々は戻ってこれない、というのも、家々の破壊が最も激しかったからだと説明した。電気は中心街で、夜間の数時間しか仕えない。市の工場は再建されていないため、大多数の住民は今も失業している。経済状況は絶望的で、そのため、わずかな再建資金は食料と物資援助という逼迫した必要のために費やされる。学校の多くは再開したが、それらの学校と教育省の事務所は今も米軍が占領している。私たちが導師と話しているときに、米軍兵士とイラク軍兵士たちが一斉家宅捜索を行い、モスクの外に止めてあった私たちの運転手の車を爆破すると脅した。その数日前に、イラク軍兵士はある教師の車を爆破していた。そしてこの日、私たちが到着する直前に、その教師は涙を流しながらモスクを訪れていた。導師は、新たな車に必要な5000米ドルを集める手助けを始めようと述べた。導師は、苦情申し立てをすると、米軍は「イラク軍に話せ」と言うという。イラク軍に話すと、彼らは「おまえたちは皆、サダムのガキだ」と言うと述べた。
私たちはそれから、中心街にある人気レストランの支配人と話をした。彼は町で増えつつある暴力について話してくれた。たとえば、2005年9月、レストラン近くの路上で爆発があった。現場に到着したイラク軍は、いきなり彼のレストランと隣接する商店にマシンガンを乱射した。その数日後、彼は自分の店のドアに、米軍兵士やイラク軍兵士にものを売る者は皆、断首されるという警告が書かれているのを発見した。自分が敵対する二つのグループの板挟みにされたように感じたという。イラク軍へのサービスを断ったときには、数時間、拘留されたが、友好的な警察官によって彼は釈放された。彼はまた、11月1日、新たな爆発がレストラン近くであったのち、危険を逃れるために走って逃げようとした子供たち数人がイラク軍に撃たれ、3人が射殺されたと述べた。その同じ日、イラク軍は新たな道路封鎖を行なった。車を運転してきた老人が道路封鎖に混乱して車で立ち去ろうとしたとき、イラク軍は彼を射殺した。11月6日、米軍兵士たちが彼の叔父の家に乱入し、狙撃ポストとして使うために家を徴用した。兵士たちは、家を創作し、1万米ドルの貯金を見つけ、それを「テロリズムの収入」だと言いがかりをつけて没収した。同じ日、従兄弟がファルージャへの検問を通過しようとしていた。イラク軍は彼の給料200ドルをポケットから見つけ、没収した。
最後に訪れたのは、ファルージャ唯一の病院である。やってはいたが、保育器や麻酔機、発電機などの現代的な設備は大きく不足していた。彼らは、米軍関係者は繰り返し援助を約束はするものの、これまで持ってきた者は毛布と石油ストーブ数台だけだと説明した。病院のスタッフは、暴力による死者の数が増えており、現在では一カ月平均100人から200人に上ると語った。
導師のところを訪れていた一人の男性が、私たちに次のような疑問を投げつけた。「私があなたたちの家にいってすべてをぶちこわして金を盗り、隣人たちにも同じようにしたら、あなたは私に対して何をするだろうか?」
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クリスチャン平和構築チームは全教会が参加する暴力削減プログラムで、歴史的な平和教会を起源とする。訓練を受けたチームのワーカが世界中の紛争地域に住んでいる。CPTは2002年10月以来イラクにいる。CPTについてのさらなる情報はhttp://www.cpt.orgを参照。CPTプロジェクトの写真はhttp://www.cpt.org/gallery。
投稿者:益岡