食糧配給の不足が心配を引き起こしている
バグダードで水不足が深刻化しているという情報があります。食料配給も不足していることが憂慮されています。
食糧配給の不足が心配を引き起こしている
IRIN報告
2005年7月25日
Electronic Iraq 原文
人口の約25%は、公共配給体制に大きく依存している。
バグダード発、2005年7月25日(IRIN)
イラクにおける毎月の食糧配給物資の不足が政府の政策立案者たちと国連世界食糧計画(WFP)に憂慮を引き起こしている。とりわけ、イラク人口のほとんどが今も食料援助に依存しているからである。
「油とお茶、砂糖、米と洗濯石鹸が全州で不足している」と、通商省の食料担当国営企業の副社長アリ・マズロンは言う。通商省は公共配給システム[PDS]のもとでの食料物資配給に責任を負う。
WFPは今月すでに大幅な日用品の不足を報じていた。「PDSの7月期はすでに進められている」とWFPは7月中旬に述べている。「しかしながら、多くの州で日用品供給が大幅に不足している」。
「この状況は、水と電力の不足が続いていることによりさらに悪化している。さらに今や、ガスや灯油、石油がますます不足している」。
マズロンは、不足の理由はいくつかあると語る。第一に、治安の欠如があるため、イラクで操業しようとする輸送会社がほとんどないと彼は言う。というのも、シリアの西部国境で、運転手への誘拐や脅迫があるためである。
また、イラクの食料と日用品のニーズに対して供給者の対応も遅いと彼は続ける。
「一カ月にわたってお茶も砂糖も油もない。買うこともできない」とバグダードの主婦サミラ・ジャバルは言う。
現在、お茶はスリランカとインドから、米はタイと米国から、砂糖はブラジルとアラブ首長国連邦から、油は世界中の様々な国から輸入されている。
「大問題だということはわかっているが、現在のところできることはあまりない。われわれ自身、予算がさらに来ることを待っているんだ」とマズロンは言う。ただし彼は見込まれるあるいは受け取った数値については詳しく述べなかった。
「WFPは配給の不足に憂慮している。というのも、それはイラク人口のうち最も貧しい人々に悪影響を与えるからだ」とWFPの中東・中央アジア・東欧担当報道官カレド・マンソールはカイロから語った。
月々の食糧配給は、イラクの多くの人にとって唯一の食料源である。WFPとイラク政府が2004年に公表した基本調査では、人口の約25%が公共配布システムに大きく依存しており、11%が赤貧である。
今年、イラクの食料安定状況について評価するためのさらなる調査が予定されている。
2003年3月に戦争が始まる前、援助団体は、イラク人人口の60%が食料援助に依存していたと述べていた。けれども、サダム・フセイン支配下で正確な評価をする方法はなかった。
PDSは1990年代初頭に、サダム・フセインのクウェート侵略後の国連による経済制裁ののちにイラク政府が設置したものである。イラク政府が「食料のための石油プログラム」適用に合意して以来、それはより効率的になった。このプログラムは、イラクの石油収入をPDSへの継続的な食料品供給を確保するために使うものである。
通商省は2004年9月以来、食料の輸入と配布に全面的な責任を負っている。
WFPは2003年と2004年に大規模にPDSを支援したが、現在は、最も貧しい地域だけでの学校給食プログラムを支援している。これまで、この活動のもとで2万トンの日用品が提供された。けれども、WFPはこのプログラムとPDSへの改善のために4000万米ドルが不足していると述べている。
イラク計画省は、とりわけ貧しいあるいは傷つきやすい立場の人々に対する社会保障ネット・プログラムを含む計画をもっているが、それらの計画について正確な詳細はわかっていない。
援助活動家たちは、イラク政府関係者はPDSを現在の需要にあうようにしようとしており、それには改革と貨幣鋳造が必要であると言う。月々の食糧配給は14カ月前から進められている。
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投稿者:益岡