「アラブ映画祭2005」(東京・赤坂)
■アラブ映画祭2005■
――上映作品17本のほとんどが日本初公開という、
日本初の本格的なアラブ映画祭――
日時:4月15日(金)~24日(日)
場所:東京・赤坂、国際交流基金
入場料:当日1,000円(1回券)※または5回券で4,500円
サイト:http://www.jpf.go.jp/j/culture_j/topics/movie/arab.html
イラクの映画が9本上映されます。詳細は公式サイト参照。
1)『アリアとイサーム』 1948年/32分/モノクロ/監督:アンドレ・シャターン
2005年4月15日(金)14時30分、4月23日(土)12時30分
→「フランス人が監督を担当した、現存する最古のイラク映画」だそうです。ストーリーは、「古い部族社会の犠牲となった若い男女の悲劇を描いた、イラク版の“ロミオとジュリエット”」。
2)『夜警』 1967年/90分/モノクロ/監督:ハリール・シャウキ
2005年4月16日(土)12時、4月22日(金)14時
→「公開2週間で9万人を動員した伝説の大ヒット作」だそうです。「1968年カルタゴ映画祭金賞を受賞」した作品。1967年というと第3次中東戦争ですが、イラクではバクル将軍のバアス党クーデターの前年に当たります。
3)『乾き』 1972年/90分/モノクロ/監督:ムハンマド・シュクリ・ジャミール
2005年4月16日(土)19時、4月22日(金)16時30分
→「干ばつの村の過酷な現実をドキュメンタリー・タッチで力強く描く、イラク映画全盛期の傑作」。1972年は、サダム・フセインが実権を掌握した翌年に当たります。
4)『葦の詩人』 1999年/55分/カラー/監督:ムハンマド・タウフィーク
2005年4月15日(金)14時30分、4月23日(土)12時30分
→「アラビア語書道家であり詩人でもあるイラク人、ムハンマド・サイード・サッカールの人間像に迫ったドキュメンタリー。一人の人間として、そしてアーティストとして、亡命を余儀なくされたサッカールの苦悩と、異郷の地での日々を描き出している」。1999年……イラクは経済制裁下。ただしこの映画はスウェーデンで製作されているようです。
5)『異邦のトウモロコシ』2001年/37分/カラー/監督:カーシム・アビド
2005年4月15日(金)14時30分、4月23日(土)12時30分
→「イタリアに暮らす7人の亡命イラク人アーティストを追うドキュメンタリー」。監督は元バグダッド映画学校校長。
6)『忘却のバグダッド』 2002年/112分/カラー/監督:サミール
2005年4月18日(月)16時30分、4月21日(木)19時
→これは時間が取れれば見たい。「映画史100年の中で表象されてきた『アラブ人』『ユダヤ人』像を、4人のイラク系ユダヤ人とイラク系ユダヤ人を親に持つ女性社会学者が語る、自己史を織り混ぜたドキュメンタリー」。
7)『少女ジヤーン』2002年/94分/カラー/監督:ジャノ・ロジェビアーニー
2005年4月22日(金)19時、4月24日(日)12時30分
→「孤児院を建てるため破壊された町を訪れたクルド系アメリカ人のディヤーリが出会ったのは、化学兵器で右頬が焼けただれた10歳の孤児の少女ジヤーンだった」。昨年見た映画ですが、クルド人によるクルド語の映画『わが故郷の歌』(クルドの音楽家父子3人のドタバタ調ロードムーヴィー)にも、絶妙な距離感で化学兵器という重いテーマがありました。
8)『葦の男』 2003年/77分/カラー/監督:アーメル・アルワーン
2005年4月21日(木)14時、4月24日(日)10時30分
→「アメリカ軍によるイラク爆撃の直前、果敢に撮影された」作品であるとのこと。主人公を演じた俳優は「イラクを代表する名優であり、2004年カルタゴ映画祭では最優秀男優賞を受賞した」。
9)『露出不足』 2005年/74分/カラー/監督:ウダイ・ラシード
2005年4月16日(土)14時30分、4月19日(火)14時
→「イラク戦争後のバグダッドで撮影された、初の長編劇映画」。映画のタイトル(英語でUnderexposure)が、とても重いです。
「アラブ映画祭2005」では、これらイラクの映画9本のほか、アルジェリア、エジプト、レバノン、モロッコ、シリア、チュニジアの映画、さらに、ドキュメンタリー『ルート181 パレスチナ‐イスラエルの旅の断章』(→参考:P-navi infoさん)を上映。
上映スケジュールは公式サイトでご確認ください(270分ある『ルート181』だけは別料金となります)。
いけだ