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2005/07/01

7月2日,3日にNHK-BS1でイラク関係ドキュメンタリー番組放送

NHK-BS1の日曜夜10時ごろからの「BS世界のドキュメンタリー」,7月3日(日)はイラク関係の番組2本です。2日(土)にもイラク関連が1本。

2日に放送されるのは,「バグダッド撤退アーカンソー州兵 任務終了」で,これは以前に総合テレビで放送されたものではないかと思います。(やや不確実。)

3日放送分の1本は「ザルカウィ・イラク武装勢力リーダーの実像」(制作はフランス),もう1本は「イラク 拡大する軍事ビジネス」(制作はスイス)。(<「スイス」ってのがちょっとえぐくないですか? 気のせい?^^;)


BS1の主な番組より:
BS世界のドキュメンタリー
後10・10~11・00、後11・10~深夜0・00

「ザルカウィ・イラク武装勢力リーダーの実像」
後10・10~11・00
 イラク国内で起こっている数多くのテロ事件の首謀者としてアメリカが行方を追っているザルカウィの人物像に迫る。これは、レバノンのテレビ局が中東の人脈を生かしザルカウィの生涯を取材した素材をもとにフランスのプロダクションが追加取材のうえ完成させたドキュメンタリーである。ヨルダンに生まれ80年代アフガニスタンでソビエトに対してムジャヒディン(戦士)としてジハードを戦ったザルカウィは、サラフィストと呼ばれるイスラム原理主義の一派と接触したことで頭角をあらわし、この一派のネットワークを頼って活動の舞台をイラクに移したという。
 番組は、ザルカウィとビンラディンの関係は欧米で言われているほど密接ではないとし、欧米がイスラム世界についてより正確な情報を持つことの重要性を訴えている。 

[前説] 柳澤解説委員
[原題] Zarqawi:The Making of a Terrible
[制作] フランス/2005年

「イラク 拡大する軍事ビジネス」
後11・10~深夜0・00
 イラクに英米仏から多数の民間軍事会社が進出、自国の元兵士などを警備員として送り込んでいる。その総数は1万5千人といわれ、アメリカを除く各国イラク駐留部隊の総数に匹敵する。元兵士は石油施設や要人の警護にあたることで多額の報酬を米軍やイラク省庁から得ている。
 スイスのディレクターが、イラクで活動する民間軍事会社数社に密着取材、単なる警備をこえた任務を行う元兵士たちの「軍事ビジネス」の危険性を浮き彫りにする。

[原題] Warriors for Hire
[制作] スイス/2004年


Zarqawi:The Making of a Terrible については,検索してもこの放送を紹介した日本語の記事しか見つからないので,詳細は不明です。(フランス制作なので,フランス語で探さないと何も出てこないのかも。。。)

Warriors for Hire は,tvcatalunya.comで昨年10月に放映(←リンク先はスペイン語)。これによると,制作はMichel HeinigerとJean-Philippe Ceppi,撮影はPhilippe Roulinだそうです。


余談ですが,Warriors for Hire で検索したらこんなページがヒットして,ケルト模様で埋め尽くされているので「アイルランドのPMCなのか?」と思ったのですが……メインのページを見て爆笑しました。確かに「戦士貸します」企業ですが。(笑)

また,同じくWarrior for Hireで検索した結果ですが,2004年4月にSalon.comに掲載されていたPeter W. Singerの文章が,ファルージャ関連です。もう少し詳しく言うと,ファルージャなどでいかに「軍のアウトソーシング」が行なわれているかを説明した文章です。

そういえば先週末,NHK総合での「NHKスペシャル」で,「軍事ビジネス」を特集していました。番組の最後の方で取材に応じていたオランダ人の「民間軍事企業社員」(傭兵)――バグダードでステイしていたホテルが爆弾にやられ,同室の同僚(南アフリカ人)は即死し(すごい血だまりが部屋に),自身は左目を失明,右腕のひじから先と右足の親指を切断という大怪我を負った方のインタビューでしたが,その方がオランダの新聞の取材に応じたあと,「イラクに行くにはどうすればいい」という電話をかけてきた人が120人もいたそうです。ひじから先のない腕と視力を失った目とを隠さずに撮影された写真を掲載してあって,「イラクには行くな」と大書きした記事だったにもかかわらず。この元傭兵の方は,そういった電話には「俺にはもうコネもない。とにかく行くな」と返事をしているとのことでしたが。

これだけの怪我を負って,会社から支給された補償金(<用語は不正確かも)は,日本円で100万円くらいだったそうです。オランダは決して「物価の安い」国ではありません。100万円程度ではその後の生活はどうにもなりません。仮にこのケースが米軍人であった場合は,100万円をはるかに超える(多分10倍の)補償があります。(なお,参考までに,米軍の軍事行動で死亡・負傷したイラク人への補償は,100万円よりはるかに低いです――物価水準の違いを考慮しても,「補償」と呼べる金額とは言いがたいし,さらにその補償とやらの支払いはスムーズに進むわけではありません。この点を米議会にプッシュしたのが,先日バグダードで標的を外した自動車爆弾にやられて死んだマーラ・ルジカの組織。)

この番組は途中からしか見られなかったのですが,見終わったあと,英国の作家フレデリック・フォーサイスの小説『戦争の犬たち』のキャット・シャノンの「プロ」具合と,最後の数ページに示された彼の明確なヒロイズム/ヒロイックな行為をぼんやりと思い出しました。

■NHKスペシャル,『“戦争”請負人~イラク・民間軍事会社の実態~』をご覧になった方の記述:
「OUT」さん,6月29日
「Y's WebSite : Blog ~日々是好日~」さん,6月26日


投稿者:いけだ

ファルージャへの注目

 
検問と夜間外出禁止令。2004年4月と11月の米軍による侵攻と虐殺・破壊後、町全体が人質にとられているファルージャの状況。

ファルージャへの注目
クリスチャン平和構築チーム
2005年6月30日
Electronic Iraq 原文

クリスチャン平和構築チームによる2005年6月20日イラク状況の評価。

検問所:チームの車は午前10時13分に検問所についた。55分後、検問所を通過した。二列になっていて、各列に米軍兵士一人がついていた。一つの列はトラックのもの、もう一つは車のものだった。CPTの車がそこについたときには、どちらの列の米兵にも通訳はいなかった。第二の検問所で、米軍兵士たちには、一人のイラク人補佐がついていただけだった。

ある店員の話:チームは、食料品店の店長たちにインタビューした。彼らは、大きな心配事は、売るための製品を手に入れるのが困難なことだと述べた。ファルージャ住民以外はファルージャ市に入れないため、兄弟たちがバグダードに行って製品を買い付けなくてはならない。検問所に午後7時に着くならば、引き戻して夜を別の場所で過ごさなくてはならない。というのも、通常、検問所を通過するためには3時間かかり、ファルージャでは10時から外出禁止となるからである。

顧客の話:食料品店の店長たちとチームが話をしているあいだに、たくさんの人が入ってきて、自分たちが直面している深く傷つく生活環境について話をした。人々は、イラク国家警備隊(ING)兵士は日常的に侮辱的な言葉を吐き、しばしば肉体的にも人々を虐待すると述べた。多くの商店主たちの経済状況は暗澹たるものだとも語った。ファルージャ住民以外はファルージャ市に入れないため、以前の多くの顧客が別の場所に行く。たとえば、その結果、地域の大きな自動車修理店が一店、そのために閉鎖したと行った。さらにING部隊への攻撃があったあとの日々に、INGのパトロールと車列は、進行先を空けさせるために空に向けて発砲するだけでなく、しばしば、進路から他の車を追い出すために車に向けても発砲したと彼らは語った。

インフラ:公共労働省のある職員は、30万人の住民からなる都市に、現在、可動可能なゴミ集めトラックが10台しかないと述べた。最大のごみ捨て場は市の北部にある。しばしば、米軍やINGが、そこへの唯一の道を封鎖する。市は3カ所代替のごみ捨て場を設置したが、地元住民は、ごみ捨て場が封鎖されているとゴミと廃棄物を路肩に捨てる。チームはまた、昨年11月の米軍攻撃の矛先となった市の南部ではいまも電力も水もないと知った。市の残りの地域では、一日6時間から8時間、電力が供給される。

病院の報告:ファルージャ病院のある職員は、この5日間に、INGに対してゲリラによる大きな爆弾攻撃が二度あったと述べた。最初の攻撃では民間人2名が殺され60人が負傷した。第二の攻撃では6人の民間人が死亡し、10人が怪我をした。この職員は、病院では、過去1カ月に、腸チフス、サルモネラ、マラリアの症例が見られると述べ、それは市の劣悪な衛生状況と浄水事情によるものだと言う。大きな問題は、外出禁止時間帯(夜10時から朝6時)の緊急処置である。救急車が必要な人は救急処置施設(病院以外に市に二カ所ある)を呼び出す。次いで救急処置施設は軍のエスコートを求め、それが来るまで患者のところに行くのを待たねばならない。この大気のために、より迅速に対処していたならば助かっただろう複数の人命が失われている。

クリスチャン平和構築チームは全教会が参加する暴力削減プログラムで、歴史的な平和教会を起源とする。訓練を受けたチームのワーカが世界中の紛争地域に住んでいる。CPTは2002年10月以来イラクにいる。CPTについてのさらなる情報はhttp://www.cpt.orgを参照。CPTプロジェクトの写真はhttp://www.cpt.org/gallery


投稿者:益岡