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2005/10/13

ドキュメンタリー "Occupation: Dreamland" が少しだけウェブで見られます。

6月に,Occuparion: Dreamlandというドキュメンタリーをここで紹介したのですが(→過去記事),そのドキュメンタリーの一部が,ウェブで見られます(無料)。mpeg4ファイル。

■ファイルの在り処:
http://www.archive.org/details/Occupation_Dreamland
ページの左側のバーに,StreamとDownloadのセクションがありますので,クリックすればストリームを見るなりDLするなりできます。ストリームは環境によってはうまくいかないことがあると思います。

■Downloadのところのファイルの説明:
MPEG4 (9.6 MB) ←ODPoliticNew.mp4
MPEG4 (9.6 MB) ←Occupation_Dreamland_politics.mp4
 この2つは同一内容なのでどっちかだけDLすればOK。兵舎で兵士たちが政治について雑談しているシーン。

MPEG4 (11 MB) ←Occupation_Dreamland_recruit.mp4
 新兵の研修と,新兵のインタビュー。

MPEG4 (14 MB) ←ODtrailerWebDV.mp4
MPEG4 (14 MB) ←Occupation_Dreamland_tralier.mp4
 この2つも同一内容。フィルム全体の予告編。ファルージャを歩く米兵,身振り手振りで住民と話をしようとしている米兵(結局通じなくて「わかんないけどしょうがない」とかいう結論),「バッド・ガイズ」がいるからと語る米兵,乗用車に向けて威嚇発砲する米兵,ちょっと先での大爆発,「ファルージャはほかとは話が違うよ」とカメラに向かって言うイラク人男性(成人と少年)など。

ショッキングな映像(流血など)は含まれていません。別な意味でショッキングではありますが……。

投稿者:いけだ

「怪しいアラブ人」再び?

9月19日に,英軍の管理下にある南部の港湾都市バスラにおいて,なぜかアラブ人のふりをした英SAS隊員2人@「偵察任務」が,なぜか爆発物をたくさん所持していてどういうわけか銃撃戦になってバスラ警察にパクられ,警察署内の拘置施設に放り込まれ,それを受けて英軍がバスラ警察署に戦車で突撃し2人のSAS隊員を「警察内部に浸透しているテロリストたち」から「解放」するという,フレデリック・フォーサイスでも書けないようなドラマチックな出来事(→当ウェブログ過去記事)があったばかりですが,今度はバグダード。

で,結局のところ,情報が少ないのでよくわかんないのですが,どうやって情報を探したかをメモしとくためにも,記事として書いておきます。

まず,日本語で,「11日に,バグダード西方のガザーリーヤ地区でアラブ服を着て変装し爆発物搭載車を爆発させようとしていた米国人2人を数人のイラク人が取り押さえた」と,ロンドン拠点のアラビア語メディアのクドゥス・プレスが,12日に伝えた,という情報を見ました(→「薔薇、または陽だまりの猫」さん経由,「アラビア・ニュース」さん報)。

で,Google News(←クリックしても日本語ニュースになると思いますが,ページの一番下の国名からUKとかをクリックして,英語ニュースに切り替えてください)で,Baghdadをキーワードにざーっと記事を見ました。

それらの中から,「ガザーリヤー地区」の英綴をサマリーに含むものを探し出し(この時点で関連記事1件発見:後述),それから探し出した英綴を検索ワードに加えて,再度記事検索をかけ,その検索結果画面をSort by Dateにして,12日の後の記事だけを見たわけです。

Sort by Dateにすると,APやロイターなどが配信した記事を掲載した米国のいくつもの地方紙の記事がことごとく検索結果としてあがってくるので,何十件という数になりますが,それらはサマリーと記事見出しでふるい落とせば,何十件の中身は実質2~3件です。

で,中国の人民日報が13日に:
"A suicide bomber rammed his explosive-packed vehicle into a US military convoy in Ghazaliyah district, but casualties were not known as the US troops sealed off the area," the source told Xinhua.

(ガザリヤ地区で,米軍車列に爆発物を積んだ車両が突入し自爆,米軍が一帯を封鎖しているので死傷者数は不明と,情報源が新華社に語った)

と報じているのですが(なお,引用箇所の前の段落より,これは水曜日の話),Google Newsでは「水曜日にガザリヤで自爆」ないし「水曜日にガザリヤで自動車爆弾」の記事はこれだけ。時差の関係かな。。。(1つの事件についていくつもの記事が米英で報じられるのですが。)

いずれにしても,この記事は「水曜日」すなわち12日の出来事についての記事なので,12日付のクドゥス・プレスの報じた「11日の事件」内容とは別件なのでしょう。

ともあれ,この「ガザリヤ地区」というのは,新華社/人民日報の報じた「自動車爆弾」とは別件を報じているKnight Ridder(米)の記事に,the troubled Sunni neighborhoods of Amariyah and Ghazaliyahとあるように,スンニ派の地域だそうです。

で,上に書いたように,Google NewsでBaghdadで検索したときにヒットした記事が下記。Blackanthem.comというところの記事なのですが,このサイトは私は見るのは初めてですが,キャプチャ画像(下)に「連合軍のテロに対する勝利」というバナーが表示されているを見ていただければわかるようなスタンスのメディアのようです。レポートしてる人も,By Pfc. Luke Allen, 1/10th Mountain Division PAOですから軍人ですね。

news


これ↑が,11日のガザリヤでの出来事について伝えるその記事です。内容は:
11日,イラク軍が,バグダード西部のガザリヤ地区で自動車爆弾を作ろうとしていたテロリストたちを捕らえた。彼らイラク軍はパトロール中に,シルバーのメルセデスに爆発物を搭載していた男3人を発見した。3人の身柄が拘束されたため,何ら損害はなかった。容疑者は現在,イラク警察に拘束されている。

http://www.blackanthem.com/TheAllies/
military_2005101204.html


……ということで,(米軍ではなく)イラク軍とイラク警察がこの「テロリスト」を逮捕し,身柄を預かっている,という内容です。

一方で,Google Newsではuruknet.info(イタリアで運営されているニュースサイトみたいなもの)に掲載されていた「イラク・レジスタンス・レポート」の記事も見つかりました。これがですね(以下,関係のある箇所だけ……同じことが何度も書かれているのは英語への翻訳後の編集が丁寧ではないのだと思います):

Iraqis apprehend two Americans disguised as Arabs trying to detonate a car bomb in a residential neighborhood of western Baghdad's al-Ghazaliyah district on Tuesday.

A number of Iraqis apprehended two Americans disguised in Arab dress as they tried to blow up a booby-trapped car in the middle of a residential area in western Baghdad on Tuesday.

Residents of western Baghdad's al-Ghazaliyah district told Quds Press that the people had apprehended the Americans as they left their Caprice car near a residential neighborhood in al-Ghazaliyah on Tuesday afternoon (11 October 2005). Local people found they looked suspicious so they detained the men before they could get away. That was when they discovered that they were Americans and called the Iraqi puppet police.

Five minutes after the arrival of the Iraqi puppet police on the scene a large force of US troops showed up and surrounded the area. They put the two Americans in one of their Humvees and drove away at high speed to the astonishment of the residents of the area.

Quds Press spoke by telephone with a member of the al-Ghazaliyah puppet police who confirmed the incident, saying that the two men were non-Arab foreigners but declined to be more precise about their nationality.

Quds Press pointed out that about a month ago, the Iraqi puppet police in the southern Iraqi city of al-Basrah arrested two Britons whom they accused of attempting to cause an explosion in the city. The Britons were taken into custody by the Iraqi puppet police only to be broken out of prison by an assault of British occupation troops. That incident has created a tense relationship between the British and the local puppet authorities in al-Basrah, Quds Press noted.

概要(「レジスタンス・レポート」っぽい修辞は忠実には日本語にしていません):
火曜日,ガザリヤ地区において,アラブ人の扮装をしたアメリカ人2名を,複数のイラク人たちが取り押さえた。アメリカ人はブービートラップが仕掛けられた自動車爆弾を,住宅街のど真ん中で爆発させようとしていた。

同地区の住民はクドゥス・プレス(Quds Press)に対し,火曜日(10月11日)の午後,ガザリヤの住宅街の近くでカプリス(<車種の名前)を置いて立ち去ろうとしていたアメリカ人を,イラク人が取り押さえた,と語った。彼らが挙動不審だったので地域住民らが取り押さえた。そのとき,それがアメリカ人であることがわかり,住民らはイラク警察に連絡した。

警察が現場に到着して5分後に,米軍の大きな隊が現れて一帯を包囲。米軍は2人のアメリカ人をハムヴィーの1台に乗せて,スピードを上げてその場を去った。住民たちはぽかんとしていた。

クドゥス・プレスが電話で話をしたところ,ガザリヤ警察の警官がこれを事実であると認め,また,2名はアラブ系ではない外国人だったが,自分たちの国籍についてはっきり述べることは拒否した,と言った。

1ヶ月前にバスラで英国人2名が拘束されたことについても,クドゥス・プレスは言及している。

【その「自動車爆弾」がガザリヤの住宅街の「ど真ん中」なのか「近く」なのかがぶれているのは原文のまま。バスラについての「1ヶ月前」の記述も原文のまま。】


ガザリヤ地区,いろいろありますね……(@_@) ??? 何が何だか。。。

つまりこういうことですかね。

出来事1:
11日の午後,ガザリヤでアラブ人の扮装をしたアラブ人ではない外国人2名が自動車爆弾を仕掛けていたところ,住民に発見され,警察が呼ばれたが,自動車爆弾を仕掛けていた男2人は,急に現れた米軍に連れて行かれた。爆弾車の車種はCaprice。(レジスタンス・レポートおよびクドゥス・プレス)
# Capriceというのはシヴォレーの車ですね

出来事2:
11日,ガザリヤで,イラク軍が,自動車爆弾を仕掛けていた男3名を捕らえた。爆弾車の車種はメルセデス。(Blackanthem.com)

出来事3:
12日,ガザリヤで,米軍車列に,爆発物を積んだ車両が突入して自爆した。(新華社/人民日報)

でも一番何が何だかわからないのは,やはり「出来事1」です。

ちなみに,Ghazaliyahの末尾のhをトルにしてGoogle Newsを検索すると,「朝9:45にガザリヤで米軍パトロールの近くで自動車爆弾,被害なし」という12日付けの記事もあります。

なお,「クドゥス・プレス (正式にはQuds Press International)」は,Gulf Newsによると,"London-based Quds Press International, one of the most important pan-Arab news agencies"(ロンドンに拠点を置き,最も重要な汎アラブの通信社)だそうです。「クドゥス(Quds)」は「聖地」の意味で,この「クドゥス・プレス」以外にも,「クドゥス」という語を含む新聞はあります。

また,バスラの英軍の件については:
ウェブログ「属国のビーチガール~a beach girl in occupied Japan」さん記事,「バスラ続報 (1)」と「バスラ続報 (2)」で,英国の報道がしっかりフォローされています。

英軍SASは「対テロ部隊」として非常に有名で,イラン大使館占拠事件(1980年,ロンドン)での突入シーンが資料映像としてテレビのニュースで流れたりしますが,彼らが突入しなければならないようなテロ事件はそうそう頻繁にあったわけではなく,むしろあんなことこんなことを行なったり,そんなこともやってたり……。また,イラクの英軍の最高司令官で,マイケル・ジャクソンというついつい笑っちゃうようなお名前の将軍は,1972年1月の「血の日曜日」事件@デリー(ロンドンデリー)で,非武装のデモ隊の人々に銃弾を打ち込んだパラ部隊の2番目の司令官として現場にいました。「血の日曜日」については,事件から30年以上を経てやっと,真相が究明されようとしています(まだ最終報告書は出ていません。)

投稿者:いけだ