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2005/05/14

サンデー・タイムズ・マガジン,5月1日号:特集「イラク」



英国の新聞「ザ・サンデー・タイムズ」の5月1日の号を,英国から送ってもらいました。サンデー・タイムズには付録で「サンデー・タイムズ・マガジン」というカラーの冊子がついてくるのですが,5月1日号は『特集:イラク――あれから2年』でした。

このサンデー・タイムズ・マガジンが全体的にどんな感じなのかがわかる程度に,特集部分の写真を撮影し,オンラインアルバムの形式でアップロードしてあります。
http://nofrills.hp.infoseek.co.jp/stmag01may2005/

リンク先ページで,サムネイルで画像が表示されます。マウスでポイントするとちょっと拡大されます。クリックするとフルサイズで見られます。(強烈なものもあるので,卒倒してしまいそうな方はご注意ください。)

いけだ

銃弾とお菓子と(CPT,5月10日)

銃弾とお菓子と
Bullets and Candy
Matthew Chandler, Christian Peacemaker Teams, 10 May 2005
http://electroniciraq.net/news/1952.shtml

水曜の朝――
アル=カハル通りという名前なのだが,「通り」というよりは「大通り」って感じ――少なくとも「大通り」的な存在。トム・フォックスと僕は,バグダードのアル=アダミヤ地区のスンニ派法学者を訪ねるところ。そしていつものごとく,アル=カハル通りは大渋滞。車という車がクラクションを鳴らし,しかしそれでどうにかなるというわけでもなく。そのとき,後ろから一斉にクラクションの音。そしたら車が道を譲り出したわけだ。驚いた。がっつり隙なく武装した軍服のイラク人を満載した1台の白いトヨタのピックアップ・トラックが,窓の外をスピードを出して通っていった。その後ろから2台の青いBMW,それからまたピックアップが1台――ありとあらゆる方向に拳銃やライフルの銃口を向けながら。やたら熱い将校が,ぐずぐずしている車に向かって何か叫ぶ。「どけどけどけ,どかないと撃つぞ」とかそんな感じだったんじゃないかな,たぶん。脅しの言葉をはっきり言う必要なんかないんだろう,彼には。

木曜の午後――
僕やCPTの仲間たちに怒涛のプレゼントをすることが楽しみだという友人がいる。たいがいはケーキだ。さらに,何か必要なものはないかとうるさいほど訊いてきてくれる。今日はこの友人の家に挨拶に行く僕を迎えにきてくれたわけだが,彼の家に行くのは1年ぶりにもなる。彼は大はしゃぎだ。というわけで僕は,(彼にとっては)新しいフォルクスワーゲン・ゴルフの助手席に乗り込んだ。座席がゴツゴツしてて座り心地が悪かったけれど,黙ってた。彼がエンジンをかけ,この車についてちょっと会話。すると「ちょっとごめん」と彼が僕のお尻に手を伸ばす。反射的に,前かがみになる。彼はシートカバーの下から9ミリの拳銃を取り出して,マガジンをチェックして,彼の側のドアのところにしまいこんだ。「申し訳ない」と彼は言った。「こんな状況だからね。」

金曜日の晩――
イラクに来るのも4度目にもなれば,家族や友人への気の利いたおみやげ探しが大変になってくる。でも今回は地元の市場でおみやげを買うぞと決意していたわけだ。日が落ちて,市場は大混雑。若い人たちが靴を見て歩き,お母さんたちが着る物を子どもにあてがってサイズを見ている。売り手と買い手が値段の交渉をしている。何か趣味のいいアクセはないかと目を皿にして,右側にあるキオスクのおもちゃの銃の並んでるところを通り過ぎ……待てよ。これ,おもちゃじゃないよ。黒いアバヤを来た女の人に,売り手が拳銃のクリップリリースをこうやるんだと示している。その横で,その女の人の左側にいる女の子が目を凝らして見ている。右側にいる男の人は,デオドラントスプレーのテスターをしゅっ。

土曜日の朝――
「どうぞ」と若い司祭が招きいれる。「ようこそいらっしゃいました。」ジャスティン・アレクサンダーと僕が入り口をまたいだところで,司祭は僕たちを止める。「申し訳ないのですが」と彼は自分のカラシニコフをドアのそばにあるソファから取り上げて,銃口を僕たちに向ける。「どうかびっくりしないでください。ここは司祭の詰め所であって,警察の詰め所じゃありませんから。」銃を部屋の隅に立てかけながら,司祭は声を殺して笑う。こっちは2人とも曖昧な笑みを浮かべて,お掛けくださいと言われるまま腰を下ろす。司祭がお皿を出してくれる――半分にはキャラメルが載っている。あとの半分には7.62口径の銃弾。そして「これが私たちの悲劇ですよ」と彼は言うのだ。

Christian Peacemaker Teams is an ecumenical violence-reduction program with roots in the historic peace churches. Teams of trained peace workers live in areas of lethal conflict around the world. CPT has been present in Iraq since October, 2002. To learn more about CPT, please visit www.cpt.org. Photos of CPT projects may be viewed at www.cpt.org/gallery


いけだ

土井敏邦さんの自主制作映像,『ファルージャ2004年4月』試写会(5月18日・東京)

『米軍はイラクで何をしたのか―ファルージャと刑務所での証言から』(504円,岩波ブックレット)の著者で,ジャーナリストの土井敏邦さんの自主制作映像,『ファルージャ2004年4月』の試写会の案内メールをいただきました。

「転送・転載歓迎」とのことですので,メールの文面をほぼそのまま掲示します。(改行箇所や太字の処理など見た目の整形と,会場の地図へのリンクのみ,手を加えました。)

来週水曜日,5月18日の午後7時から,場所は東京都文京区の文京区民センター(下記URLに地図)です。
http://www.city.bunkyo.lg.jp/shisetsu/kumincenter/


【転送・転載歓迎】

ドキュメンタリー映像「ファルージャ 2004年4月」試写会のご案内
(※一般の方も参加できます。)

前略

 ドキュメンタリー映像「ファルージャ 2004年4月」がやっと完成し、5月15日から市販を開始します。

 4月下旬に一度、試写会を開き、ご参加いただいた方々からの貴重なご批評、ご意見をいただき、その後少し手を加えました。英語版もまもなく完成し、18日から市販を開始します。

 完成のご報告もかねて、今回はとくにマスコミ関係者のみなさんを対象に、以下のようにもう一度、試写会を開きます。

 もちろん、前回、時間のご都合などでご覧いただけなかった方にもぜひご参加いただければ幸いです。これが最後の試写会となります。

 なお5月15日から、日本語版、英語版ともにVHSとDVDの2種類で市販します。

 単価はVHS、DVDともに 3500円(団体は10000円)(税込・送料別)

 申し込みは以下のところにお願いいたします。(お名前と送り先、お求めの種類と本数を銘記ください。折り返し、代金の振込み先を通知されていただきます)

(Eメール) falluja2004@hotmail.co.jp
(FAX)  045-311-3772

 また広告用のチラシ(カラー)もできましたので、広報・宣伝にご協力いただける方にはチラシをお送りします。必要な枚数と送り先をお知らせください。

 よろしくお願いいたします。

草々

5月14日 土井敏邦

〔試写会のご案内〕
ドキュメンタリー映像・「ファルージャ 2004年4月」


(日時)
5月18日(水)午後7時より(上映時間:55分)

(場所)
文京区民センター(2階)(TEL:03-3814-6731)
http://www.city.bunkyo.lg.jp/shisetsu/kumincenter/
*アクセス
(都営三田線「春日」駅(出口「A2」より1分)
(都営大江戸線「春日」駅 (同上)
(南北線「後楽園」駅(出口「6」より3分)
(丸の内線「後楽園」駅(出口「4b」より3分)

(入場料)
無料

(内容)
 イラク戦争終結からまもない2003年8月と、2004年4月、米軍によるファルージャ侵攻直後の5月初旬のファルージャを取材。なぜファルージャが占領への抵抗の拠点となったのか、だれが米軍と闘ったのか、住民はどのような被害を被ったのかを、住民の証言を元に追ったドキュメンタリー。

2003年4月、米軍による住民デモ銃撃事件
2004年3月、米人警備員4人の遺体焼却事件
2004年4月、一族31人の爆死現場/農民家族13人の爆死
医療関係者の証言/米軍と闘った住民の証言/集団墓地の現場など。

〔アラビア語・英語(字幕付)〕

(取材・撮影・編集) 土井敏邦
(製作)土井敏邦/ファルージャ侵攻の記録を残す会

――試写会の案内メール,ここまで


●この映像作品のレビュー:
Kayo Photo Gallery, April 28, 2005

●土井敏邦さんの記事・書籍などについて:
当ウェブログ,2004-07-01
当ウェブログ,2004-08-08
当ウェブログ,2004-08-10
※取り急ぎ,当ウェブログの過去記事からのみ。ご容赦。

なお,土井さんの映像作品と,私と益岡さんが編集・翻訳した書籍のタイトルが一致しているのは,ミニマリズム(?「それ以外はやりようがない」ということ)ゆえだと私は思います。

いけだ