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2006/12/30

サダム・フセイン死刑執行。

12月30日午前6時(現地時間:日本時間正午)、サダム・フセインの死刑が執行されました。

※ここに至るまでのエントリ:
(2006-12-30 02:33) サダム・フセインの身柄、イラク側に引き渡される。
(2006-12-30 09:33) サダム・フセイン死刑執行間近
(2006-12-30 11:31) サダム・フセイン死刑執行直前

BBC報道のキャプチャ画像のコラージュ(画像クリックで原寸):
bbc30dec06-sddm-tickr.png

BBC記事URL:
【→注:30日午後7時ごろ(日本時間)、BBCのアップデートにより、見るとかなり重い気持ちになるかもしれない写真が、否応なく目に入るところに貼り付けられました。流血などではないのですが、ご注意ください。】
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/6218485.stm

↑ここにIraqi TVとあるのですが、これはAl-Huraのことなので(米国出資のテレビ局)そっちも見てみましょう。
http://www.al-hura.com/
hura30dec2006.png

記事はこれ:
http://www.wnd.com/news/article.asp?ARTICLE_ID=53569

■追記:
BBC記事アップデート(1)@Saturday, 30 December 2006, 03:39 GMT
Two co-defendants, Saddam Hussein's half-brother Barzan al-Tikriti and former Iraqi chief judge Awad Hamed al-Bandar, were also expected to be executed.

バルザン・イブラヒム・アル=ティクリーティ(サダム・フセインの異父弟で、元イラク大統領顧問共和国防衛隊司令官)と、アワド・ハミド・アル=バンダル(元革命裁判所長)の死刑も執行されることになっていた。

この人たちについては過去記事(下記)参照:
http://teanotwar.seesaa.net/article/26845794.html

■追記2:
BBC記事アップデート(2)@Saturday, 30 December 2006, 03:51 GMT

バルザン・イブラヒム・アル=ティクリーティとアワド・ハミド・アル=バンダルも処刑されたそうです(Two co-defendants, ... Barzan al-Tikriti and ... Awad Hamed al-Bandar, were also executed.)。【→後に否定。追記6参照】

また、
"Criminal Saddam was hanged to death," state-run Iraqiya television announced, as patriotic music and images of national monuments were broadcast.

A scrolling headline read: "Saddam's execution marks the end of a dark period of Iraq's history."

国営イラクテレビは「犯罪者サダムが絞首刑」とアナウンスし、愛国的な音楽と国家的モニュメントの映像が流された。テロップでは「サダムの処刑は、イラクの歴史の暗黒時代に終止符を打つ」とある。

「国営イラクテレビ」は、2003年に米軍がバグダードに入ったあとに設立されたテレビ局です。
http://en.wikipedia.org/wiki/Al_Iraqiya

■追記3:
BBC記事アップデート(3)@Saturday, 30 December 2006, 04:13 GMT

04:13 GMTのアップデートでの追加情報。
Other Arab TV stations aired live footage of the sunrise over Baghdad's Firdous Square, where US Marines pulled down a statue of Saddam Hussein, after he was deposed in April 2003.

・・・これはあんまり重要ではない。「そのとき、テレビは何を映していたか」。

The BBC's Peter Greste in Baghdad says Shias have generally welcomed Saddam Hussein's passing and hailed the execution as justice for the suffering endured under his leadership.

But Saddam's own Sunni tribesman were angered by his treatment in the past and they may well protest once more, our correspondent adds.

バグダードにいるBBCのPeter Gresteは、次のように伝えている。シーア派は概してサダム・フセインの死を歓迎し、処刑についてはサダム政権下でのシーア派の苦しみに正義が下されたと大歓迎している。一方でサダムが属するスンニ派の部族は、これまでのサダムの扱いに怒りを抱いており、改めて抗議を行なうとしても何ら不思議はない。

・・・雑な記述。「シーア派」と「スンニ派」という二分法を露ほども疑わせない。シーア派一般と対置されるのがサダムの部族なのはいいとして、どうしてそれがスンニ派の代表のように書かれる? そして、そこで実際に引っ掻き回しているのは誰なのだ。IRAに潜入して爆弾作ってた英国のスパイ(帰属としては「北アイルランドのカトリック」だったらしいが)の例を、BBCが知らないとは言わせない。警察と「武装勢力(テロ組織)」がずぶずぶの関係になるなんて想像もしていなかったとは言わせない。(そういえばバスラの警察には北アイルランド警察の元総監が顧問みたいな役割で出向いているのではなかったのか。)

まったくもう、何もかもが白々しくて頭にくる。

あと、「追記2」の時点(あるいはその前の時点)から、記事の下のほうにUSの反応について書かれていますが、「ホワイトハウスがステートメントを出す予定だが、今のところは何も反応していない」という情報があるだけで、実際にしばらくは何も反応しないだろうと思うので、USの反応についてはしばらく無視します。

■追記4:
BBC記事アップデート(4)@Saturday, 30 December 2006, 04:32 GMT

04:32のアップデートでの追加情報(これまで出てこなかった英国とフランスが登場):
UK Foreign Secretary Margaret Beckett welcomed the fact Saddam Hussein had been tried by an Iraqi court "for at least some of the appalling crimes he committed" and said "he has now been held to account".

France called on Iraqis to "look towards the future and work towards reconciliation and national unity".

英国のマーガレット・ベケット外相は、サダム・フセインが「彼が犯したひどい犯罪のうち、少なくともいくつかのものについては」イラクの法廷で裁かれたという事実を歓迎し、「彼は責任を取らされたのだ」と述べた。

フランスはイラクの人々に対し、「将来を見て、和解と国家の統一に向けて動いてほしい」と述べた。

・・・ニヤニヤしてしまうほど老獪だ、どっちも。

しかし、英国が外務省のコメントというのも、これはこれでいいのか? 当事国も当事国、南部の「治安維持」担当は英国なのに(で、つい先日、また英軍が警察署を破壊というブラックコメディじみた現実が発生したのに)。なお、ブレアは冬休みをアメリカで過ごしている

あ、ブッシュはテキサスの牧場で休暇を過ごしていたところに、トルネード警報が出て、装甲車でシェルターに避難したそうです。そのシェルターは例のテキサスの牧場の敷地内にあるようです。何のコメディでしょうね。

ところで、サダム・フセイン以下2名【→追記6参照】は、ドゥジャイル虐殺で有罪となり死刑判決を受け、死刑を執行されたわけですが、国際的にはドゥジャイル虐殺よりもっと大声で非難されていたハラブジャ虐殺@裁判進行中はどうなるのでしょう? ほんとにわからないんですけど、どなたか、「こうなるんじゃないか」ということをご存知の方がおられましたら、お時間おありでしたらコメント欄でご教示いただけますと幸いです。(コメントいただいても、私からの反応は遅くなるかもしれませんが、なにとぞご了承ください。)

■追記5:
BBC記事アップデート(5)@Saturday, 30 December 2006, 05:03 GMT

「USの反応についてはしばらく無視します」と書いたけど、USから反応が出ました。
US President George W Bush hailed the execution as "an important milestone" on the road to building an Iraqi democracy, but warned it would not end the deadly violence there.

He said: "It is a testament to the Iraqi people's resolve to move forward after decades of oppression that, despite his terrible crimes against his own people, Saddam Hussein received a fair trial.

"It is an important milestone on Iraq's course to becoming a democracy that can govern, sustain, and defend itself, and be an ally in the War on Terror."

日本語化は省略。いつもの発言を適当にジェネレータにかければ一丁あがり、って感じなので。

BBC NEWSのトップページを見たら、フォーマットが「非常に大きなニュース」のときのものになっていました(下図参照)。
bbc30dec06-sddm-top.png

それから解説記事2件:
After Saddam: What next for Iraq?
By Jeremy Bowen
BBC Middle East editor
Last Updated: Saturday, 30 December 2006, 03:45 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/6212633.stm

Hated by many, mourned by few
By Paul Reynolds
World affairs correspondent, BBC News website
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/6217215.stm

あと、ガーディアン、仕事早すぎのような気がするが、もうオビチュアリを出している。
Saddam Hussein
Brutal and opportunist dictator of Iraq, he wreaked havoc on his country, the Middle East and the world
David Hirst
Saturday December 30, 2006
http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,,1980293,00.html

再度BBCから、世界の要人の反応まとめ:
Saddam hanged: reaction in quotes
Last Updated: Saturday, 30 December 2006, 04:46 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/6218597.stm

英国のが「英国らしさ」を発揮しているので引いておこう。
UK FOREIGN SECRETARY MARGARET BECKETT

In a statement on behalf of the UK government:

"I welcome the fact that Saddam Hussein has been tried by an Iraqi court for at least some of the appalling crimes he committed against the Iraqi people. He has now been held to account.

"The British government does not support the use of the death penalty, in Iraq or anywhere else. We advocate an end to the death penalty worldwide, regardless of the individual or the crime.

"We have made our position very clear to the Iraqi authorities, but we respect their decision as that of a sovereign nation."

their decision as that of a sovereign nationだってさ。これは根本的なところでモンティ・パイソンだ!

■追記6:
BBC記事アップデート(6)@Saturday, 30 December 2006, 05:29 GMT

おっと、修正出た。バルザン・イブラヒム・アル=ティクリーティとアワド・ハミド・アル=バンダルは処刑されていない説あり。国営イラキヤ・テレビではこの2人もサダムに続いて処刑されたと言い、国家治安の顧問は処刑されたのはサダムだけと言う。(こんなところで「藪の中」にしないでほしい。)
It is unclear whether Saddam Hussein's half-brother and a former Iraqi chief judge were also executed.

...

Saddam Hussein was hanged first, followed by Barzan and then Bandar, it [=state-run Iraqiya television] announced. However, an Iraqi national security advisor has since said only Saddam Hussein was hanged.


それから、ちょっと生々しいんで日本語にはしませんが(心理的にできない)、処刑の様子:
A small group of Iraqis including a representative of the prime minister and a Sunni Muslim cleric were brought to a building somewhere outside the Green Zone and watched as the sentence was read out to Saddam Hussein, the BBC's John Simpson says.

The former Iraqi leader was carrying a copy of the Koran and asked for it to be given to a friend.

The noose was then placed around his neck and his face was hooded before the trap door was released. The execution took just a few minutes.

Video footage of the execution is expected to be released as final proof of Saddam Hussein's demise although it is expected to stop short of showing the actual death, our correspondent says.


■追記7:
Last Updated: Saturday, 30 December 2006, 05:43 GMT
多分、写真が新たに加わっただけ(下の2枚:ブッシュの写真と車が燃えている現場の写真。上のサダムの写真2枚は、追記6の段階にはあった)。

・・・そろそろ落ちます。



■追記8:
日本時間30日午後7時ごろ。

BBC NEWSのトップページと、記事で写真の差し替え。こういう写真を、否応なく目に入るところに配置する、その意味を考える。もちろん、ウダイ・フセイン、クサイ・フセインのときと同じように「もう生きていない」ことを人々に実感させる意図もあるだろう。それだけでなく、おそらく、穴ぐらから引っ張り出された後の「口内の検査」の映像と同じく「権威を貶める」ためでもあるだろう。

実際にその写真がないことには、ここで私が何を言っているのかがあとあとわからなくなるので、この下にキャプチャ画像を貼り付ける。サムネイル表示にしてあるが、少し空白行などを入れて、すぐには見えないようにしておく。

サムネイルでもはっきりとわかるので、ショックを受けやすい人はこの先に進まないでおいていただきたい。(ちょっと具体的に説明すると、アメリカの死刑報道で誰もいない処刑室の写真が添えられることがよくあるが、あれを見て一瞬で想像して具合が悪くなってしまうような人は、見ないほうがいい。)「出来事の後」ではなく、「出来事の前」の写真なのだ。その後の結果を知って見るべき写真であるとは、私には思えない。映画などならともかく。

ここにいるこの男は、この写真が撮影されてから5分もしないうちに、この写真に映し出されているまさにその原始的な「道具」のために、ただの塊になった。個人的には、こういう写真よりは、骸の写真の方が、まだ平気である。しかも救いがないのは、サダム・フセインには一切同情などできない、ということだ。写真を見て「気の毒に」と思うことすら、自分が自分に許さない。


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 空 白 あと3行
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キャプチャ画像。左がトップページ、右が記事。
bbc30dec06-sddm-top2.png  bbc30dec06-sddm-article2.png

サダム・フセイン死刑執行直前

死刑執行は夜明けだそうです。

Saddam to hang at dawn: officials
Fri Dec 29, 2006 8:30pm ET
By Mariam Karouny
http://today.reuters.com/news/articlenews.aspx?......

BAGHDAD (Reuters) - Saddam Hussein will hang at dawn on Saturday, Iraqi officials told Reuters, setting a dramatic end for a leader who ruled Iraq by fear for three decades before a U.S. invasion and his conviction for crimes against humanity.

"They just called to tell me to be ready to attend the hanging at 5:30 a.m. (0230 GMT)," said a court official whose presence is demanded by law. The execution was planned by 6 a.m., he added, although he did not know where it would happen.

A senior politician in the Shi'ite Muslim majority behind Prime Minister Nuri al-Maliki said he would also attend: "It will take place by 6 a.m.," Bahaa al-Araji told Reuters.

概要:
サダム・フセインの絞首刑は土曜日の夜明けに執行される、とイラク高官がロイター通信に語った。法により立会いを定められている法廷の当局者は、「たった今電話があり、午前5:30にと言われたところです」と述べた。またこの当局者は、絞首刑の執行は6時の予定だが、場所はわからない、とも述べた。マリキ首相の属するシーア派の高位の政治家、バハア・アル=アラジも立ち会う、と述べている。「執行は午前6時です」

・・・イラク時間の午前6時は日本時間の正午です。

というわけで、執行までの30分、さっきGoogle Newsで見つけた興味深い文書を。

Saddam Hussein Execution: Vanderbilt Expert Back from Iraq
http://www.prnewswire.com/cgi-bin/stories.pl?...... →魚拓

概要:
テネシー州ナッシュヴィル発、12月29日、PRNewswire-USNewswire

Vanderbilt大学の法学教授、マイク・ニュートン(Mike Newton)は、サダム・フセインの裁判にかかわる専門家である。彼は4度目のイラク行きから戻ってきたところである。ニュートンはイラク特別法廷の創設において中枢的役割を果たし、特に国際刑法に焦点を合わせた判事らのトレーニングを行なった。現在ニュートンは、イラク特別法廷のアドバイザーをつとめている。

〈略〉

現役を退く前、ニュートンはウエストポイントの米陸軍士官学校で国際法を教えていた。また、米軍犯罪法務部の学校にも在籍していたことがあり、戦争犯罪問題について米国特使のアドバイザーを務めており、そこで国際刑法と戦時法のに関係する政策を実行した。〈略〉

マイク・ニュートンとのインタビューについては〈略〉にご連絡ください。〈以下、略〉

SOURCE Vanderbilt University


大学のサイトのプレスリリースにも同一の文書があります。

この「ヴァンタービルト大学」ってよく名前を聞くなあと思ったら、アル・ゴアやグラミン銀行のモハンマド・ユヌスの出身校なんですね。本筋とはまったく関係ありませんが。
http://en.wikipedia.org/wiki/Vanderbilt_University

で、けっこうたくさんの記事に目を通したつもりなのですが、現在行なわれている「クルド人虐殺」についての裁判がどうなるのかがわかりません。どうなるんですか?(死刑判決はシーア派虐殺の容疑で起訴された裁判での判決。)



再度、冒頭に引用したロイター記事より。3ページ目から。
An execution at the start of Eid would be highly symbolic. The feast marks the sacrifice the prophet Abraham was prepared to make when God ordered him to kill his son and many Shi'ites could regard Saddam's death as a gift from God. Such symbolism could further anger Sunnis, resentful of new Shi'ite power.

イードの始まりに処刑を行なうことは極めてシンボリックなものとなるだろう。イード祭は、預言者アブラハム(イブラヒム)が神から息子を殺すよう命じられたときに準備した犠牲を記念するもので、シーア派の多くがサダムの死を、神からの贈り物とみなすことになるかもしれない。このようなシンボリズムは、シーア派の新たな権力を快く思っていないスンニ派の怒りを、さらに掻き立てるかもしれない。

「預言者アブラハム(イブラヒム)」の「犠牲」については:
http://en.wikipedia.org/wiki/Binding_of_Isaac

こういう絵で知られていますね。(下記はカラヴァッジオの作品。)
The_Sacrifice_of_Isaac_by_Caravaggio.jpg
※画像はWikipediaにあるパブリック・ドメイン画像

サダム・フセイン死刑執行間近

先ほどの続きです。あの時点では「まだ身柄は引き渡していない」と米国は言っていたのですが(US officials have denied reports that former Iraqi leader Saddam Hussein has been transferred to Iraqi custody @ Friday, 29 December 2006, 20:17 GMT)、それが真実だったのかどうかもわからぬうちに、一気に「数時間後に死刑執行」という話がメディアにあふれています。(オチ?としては、「執行の寸前に身柄引き渡しを行なう」ということで。)(<冗談ではなく、ほんとです。)

【画像】Google Newsのキャプチャ@日本時間30日午前9時20分ごろ:
gnews30dec06-sddm.png

BBCでは、Saddam's execution 'within days'という見出しだった記事が、あっという間にSaddam's execution 'is imminent'という見出しに変更されました。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/6218245.stm
bbc29dec06-sddm.png
※記事の全文キャプチャ画像(また変更されかねないので一応)。クリックで原寸表示。

さて、こうしてみると、先ほどの記事の中で言及したCBC(カナダ)の、Saddam to hang by end of Saturday: Iraqi judgeという報道が、最も真実に近かったことになります。

ともあれ、上の画像のGoogle Newsのキャプに戻ります。色が変わっているところ(参照済みリンク)の3件の記事は、下記です。いずれも短いものです。

Saddam execution '6am Baghdad time'
http://icberkshire.icnetwork.co.uk/......

Official: Saddam To Be Executed Tonight
http://www.guardian.co.uk/worldlatest/story/0,,-6310483,00.html
* AP記事

Saddam 'to be executed before 3am'
http://breakingnews.iol.ie/news/story.asp?j=205587906&p=zx55886yz

このうち、icBerkshireが「6時」、IOLが「3時」といっているのは、icBerkshireが現地時間(土曜日の午前6時)、IOLがアイルランド時間(バグダードとの時差3時間)で書いているからで、どちらも同じことを言っています。

これは、日本での時間だと正午です(時差6時間)。

サダム・フセインの身柄、イラク側に引き渡される。

Friday, 29 December 2006, 16:58 GMT(→日本時間は+9時間)の速報。米国が身柄を拘置していたサダム・フセインが、イラク側に引き渡された。弁護団がロイター通信に語った。

Saddam Hussein 'in Iraqi hands'
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/6217725.stm
※時間の経過にしたがって、同じURLで記事はアップデートされます。

【キャプチャ画像】
saddam-handed.png

金曜日(29日)の日没後(日本時間)には、既に、弁護団がサダム・フセインの私物を受け取ったと報じられていたが、この時点では米国側はサダム本人の身柄の引渡しについては、肯定も否定もしていなかった。

上にキャプチャした記事が15分後(29 December 2006, 17:13 GMT)に更新された時点でも、アメリカおよびイラク当局は確定的なことは何も言っていないようだ。

同じく金曜日(29日)、英国の国教会のトップであるカンタベリ大司教、Rowan Williams博士が、「イラク戦争は不法なものだ」との認識を改めて示していた(間接的な言い方で)。

サダム・フセインの死刑判決が確定したのは、火曜日(26日)である。
Death sentence for Saddam upheld
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/6210245.stm

イラクの現在の法律では、刑の執行は死刑確定後30日以内に行なわれなければならない、ということになっている。

その後、弁護団が「サダム・フセインは戦争捕虜であるから、死刑にされてはならない」との声明を出したり(そもそもあの「裁判」の合法性が問題なのだが、その点についての弁護団や識者らの訴えは、「無視された」と言っても過言ではない状態だった)、サダム自身が「私は国のために犠牲となる」という声明を出したりといったことがあったが、極めて個人的に、ほとんど根拠なく直感で、アメリカは年内の死刑執行を求めているか願っているだろうと思っている。(願っているから何、ということでもないのですが。)

ただしイラク政府筋は、「明日にも」という英米などの報道には否定的であるらしい。(ソース控えてませんが、数時間前に読んだロイターかAPの記事より。)

関連記事クリップ:
http://b.hatena.ne.jp/nofrills/Iraq/

※この記事は、私の個人ブログとのダブルポストです。

■追記:
BBCの同じURLでのアップデート
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/6217725.stm

Last Updated: Friday, 29 December 2006, 18:46 GMT
では、記事の見出しが、
US denies Saddam handed to Iraqis(米国はサダムの身柄引き渡しを否定)
と変更されています。

まさに情報大錯綜の状態。情報が錯綜しているということ事態が読まれるべきというか何というか。。。米国&イラク政府が情報の開示を遅らせている可能性もあるし、弁護側が最後の最後で一種の情報戦を仕掛けてきたという可能性もあるし、何が何だかわかりませんが。

ただ、サダム・フセインが義理の兄弟(同じく拘置中)と面会したとかいう情報もあるし、カナダのCBCによればマリキ首相は死刑執行命令に署名を済ませているとの情報もあるし、どのメディアの記事にも「マリキ首相は判決は変わることはないと言明している」として首相の発言が引用されているし、といったことを見れば、死刑執行へのカウントダウンは既に始まっている、ということは確実だろうと思います。

なお、この週末にこのような情報の錯綜が見られたことについては、ひとつにはもちろん死刑確定が火曜日だったということ、もうひとつには、今週土曜日からイードに入るということがある、というのがBBCなどでの説明。

あ、エルサレム・ポスト(クレジットはBy AP AND JPOST.COM STAFF)では、「金曜日に米国筋(複数)は、死刑執行は1週間以内と述べた(Earlier Friday, American sources said Saddam would be executed within a week.)」という記述がありますね。American sources というのが具体的に何のことなのかが示されていないので、これまた漠然とした話ですが。

CBCなどでは、「イラクの判事が、死刑執行は遅くとも土曜日と金曜日に語った(Saddam Hussein will be hanged on Saturday at the latest, an Iraqi judge said Friday)」という話もありますし。(そう発言したのは高等法廷のMunir Haddad判事で、発言の場所はバグダード、時刻は現地時間午後8時ごろ:日本語でも記事ありました。「AP通信によると、イラク高等法廷の判事は29日、同国の元大統領サダム・フセインが遅くとも30日までに処刑されると語った」だそうです。)

土曜日に死刑執行となった場合も、ただでさえイードでわちゃわちゃしているときに、余計に事態をわちゃわちゃさせかねないような情報をイラク政府が発表するかどうかは別問題かもしれません。ただ、最近イラクからのニュースを見ていると、「シーア派の結束」が何より重要視されている面がありそうなので(サドル派民兵組織が暴れださないように掌握しておくことがプライオリティ、みたいな)、サダムの死刑執行が「シーア派」がみなともに喜べる材料というように扱われた場合は、すぐに発表が行なわれるかもしれません。よくわかりませんね。

あと、確か英タイムズの記事だったと思いますが、死刑執行は立会人がつくばかりでなく、移送も執行もすべて書類に記録され(<これは当たり前)、ビデオに撮影されるそうです。米国でティモシー・マクベイの死刑が執行されたときに、ビデオリンクで限られた一部の関係者たちに映像が見せられた、というのを何となく思い出しましたが。

日本語のマスメディアで記事が出るより早いのは英語のマスメディアです。下記からどうぞ。
http://news.google.co.uk/news?hl=en&ned=uk&q=Saddam+Hussein&ie=UTF-8&sa=N&start=10

■追記2:
The Irish Examiner掲載の、Saddam to be executed 'no later than today' という記事(30 December 2006、日本時間で午前10時ごろにアップロードされている)より:
The former dictator's lawyers said he had been transferred from US custody ...

"A few minutes ago we received correspondence from the Americans saying that President Saddam Hussein is no longer under the control of US forces," said the statement faxed to the Associated Press.

弁護団は、サダム・フセインの身柄が米国の手を離れたと述べた。・・・AP通信にファクスされてきたステートメントによると、「数分前に、私たちは、サダム・フセインはもはや米国の管理下にはないという米国側からの文書を受け取った」。

弁護団がAP通信にFAXを送った、という事実と、そのFAXには「米国側が弁護団に文書で通達してきた」とある事実。