ファルージャへの焼夷弾攻撃
ファルージャで米軍がナパーム攻撃を行なっていることについては多くの目撃や証拠があります。米国が焼夷兵器の使用をめぐって英国に嘘をついていたことに関する記事。
ファルージャへの焼夷弾攻撃
ブッシュ政権関係者はイラクにおける米軍のナパーム使用をめぐり英国に嘘をついていた
コリン・ブラウン
2005年6月17日
CounterPunch 原文
米国政府関係者たちは、「国際的な非難を受けている」ナパーム型の爆弾をイラクで使用したことをめぐって、英国官僚に嘘をついていた。
昨日[2005年6月16日]の暴露により、議員が英国下院で全面的な説明を求めるに至り、また、閣僚がこの事実を総選挙が終わるまで隠蔽していたのではないかと疑われることになった。
ナパームなどの焼夷兵器を用いたときに生ずるような怪我をイラクの人々が負っているという噂がずっと続いていたにもかかわらず、英国国防相アダム・イングラムは、1月、英労働党議員に、米軍はイラクでMK77というコードネームを持つ新世代の焼夷兵器を用いていないと断言した。
けれども、イングラム氏は、ロンドンのインディペンデント紙が手に入れた労働党議員ハリー・コーエンあて私信の中で、米国が彼に誤った情報を提供したためにうっかり議会を誤解させたことを認めた。「米国は私の職員に、イラクでは一度もMK77は使っていないと確証した。それがあなたに対する私の対応の根拠となっていた」と彼はコーエン氏に述べた。「残念ながら、その後私は実際にはそうではないことを知り、今や立場を修正しなくてはならない」。
イングラム氏は、MK77焼夷弾30発が、2003年3月31日から4月2日の侵略の際、米軍海兵隊第一派遣軍により使われたと語った。それらは、「民間人標的から離れた」ところの軍事標的に対して使われたと彼は言う。これは、1980年の特定通常兵器条約(CCW)違反を避けるものである。というのも、同条約では、これら兵器の使用を軍事標的に限っては認めているのだから。
焼夷兵器を備蓄していない英国はこの条約を批准したが、米国は批准していない。
米国政府関係者が英国閣僚に偽情報を与えたということが確認されたことで、昨夜、米国による最新の確言に対する疑問がわき起こった。コーエン氏は、昨年ファルージャのゲリラ拠点に対する米国の攻撃で焼夷爆弾が使われた噂があると述べた。米国はこれを否定している。彼は、民間人に対して焼夷兵器が使われていないという確証を求めてさらに問い合わせているところである。
イングラム氏は、米国政府職員がなぜ彼に誤った情報を与えたのか説明していないが、米英政府は隠蔽を非難されている。戦争反対のキャンペーンを行なってきたイラク・アナリシス・グループは、米国当局は、記者達からの証拠が否定しようもないほどになってようやく焼夷兵器の使用を認めたと述べている。
同グループの報道担当マイク・ルイスは次のように言う:「米国は、英国が使用を拒否した国際的非難を受けている兵器を使い、また、どうやら英国政府職員に嘘をついたようである。このことは、米国の政策に英国がほとんど何も影響を与えないことを示している」。
彼はさらに次のように述べた:「イングラム氏が議会に偽の情報を提供したことについての証拠は、数カ月前から一般に手に入れることができた。彼は、選挙が終わるまでそれを認めるのを引き延ばしていた。というのもそれは、イラクでの連合軍のパートナーの行動を制限するために何一つしていないという政府にとって困惑すべきことを示す明らかなサインだったからである」。
米国国務省は、選挙前に米軍がイラクでMK77兵器を用いたことを認めている。英国議員はこれについて抗議したが、イングラム氏がこのレポートが本当だったと認めたのはようやく今週になってからであった。
英国自由民主党の防衛報道担当官マイク・ムーアは次のように言う:「イラクでこうした兵器が使われるのは極めて重大である。けれども、このことは、米国が英国に対して完全に率直でないことを示している。我々は特別な関係にあるというはずなのに」。
「大臣はこれをはっきりさせるのに2カ月かかった。はっきりさせたこと自体は歓迎すべき率直さだが、同時に、選挙前に政府がどれだけ率直であろうと思ったかに関して新たな疑問が生まれる」。
ベトナムや朝鮮で使われたナパームの進化版であるMK77は、灯油をつかったジェット燃料とポリスチレンからなっており、ナパームのようにジェルが犠牲者に貼り付くようになっている。この爆弾には軌道を安定させる羽根がついていないため、まったく正確ではない。
コリン・ブラウンはロンドンのインディペンデント紙の政治編集担当副主幹。本記事はインディペンデント紙に最初に掲載された。
ナパームの使用については、こちらもご覧下さい。
投稿者:益岡