昨日(28日)、100人が殺された
膨大な数の人々が殺されている中、国際社会はほとんど事態の深刻さを感じられなくなっている・・・
昨日(28日)、100人が殺された
ジェフ・サバーンズ・グンツェル
2006年8月29日
Electronic Iraq 原文
イラクの日曜日はひどく死者が出た。月曜日はもっとひどかった。インディペンデント紙に書いているジェローム・テイラーから引いてみよう。
イラクでは、激しい銃撃戦と自爆攻撃により少なくとも100人が昨日一日で殺された。これは、戦争で破壊されたこの国の治安状況は改善されているという米軍の主張と矛盾している。
バグダードの80マイル南にあるディワニヤーでは、政府軍部隊と、急進的な聖職者ムクタダ・アル=サドル師に従うシーア派民兵マフディ軍が交戦したあと、街の中央病院に34人の遺体が運び込まれた。うち7人は民間人、25人はイラク政府軍兵士だった。イラク国防省によると、民兵も50人殺されたという。
それとは別に、バグダードでは、午前中のラッシュアワーに、爆発物を積み込んだ車を自爆攻撃者が内務省に突っ込ませ、15人を殺し62人に怪我を負わせた。殺されたうち13人は警官だった。
日曜日には、クルド人が支配している北部のキルクークから南部のバスラまでで起きた様々な攻撃により、さらに60人が殺されていた。
今年2月にサマラの町でシーア派モスクが破壊されて以来、半年近くにわたり続いている分派的暴力がいかにイラクに容易にもたらされるかを、この最近の暴力は思い起こさせてくれる。
イラクで毎日どれだけの人が死んでいるか、死者数の情報を手に入れるのはそう難しくはない。そして死者数はあくまで数にすぎないから、人々は「100人が昨日一日で殺された」という下りをちょっとため息をつくだけで読み終えることができる。インディペンデント紙のジェローム・テイラーもどうやらこのことに気づいていたようで、「数を数える」ときにあまり記者がやらないことを行なった。ちょっと一歩退いて、次のように述べたのである。
「この4カ月だけで、1万人以上のイラク人----その大部分はバグダードで----が殺された」とテイラーは書いている。「世界の別の場所で起きていたならば、国際社会に衝撃が走るだろう死者数である」。
「私たちは何が起こっているか知らなかったのです」。ナチスドイツによる絶滅収容所が暴かれたとき、ドイツ市民が述べ、アメリカ合衆国などの「解放者」たちに揶揄され続けてきた言葉です。
投稿者:益岡