.comment-link {margin-left:.6em;}

teanotwar - mirror/archive (Japanese fonts required)

Official mirror site of our blog, for those who can't access it, http://teanotwar.blogtribe.org, due to the technical problems, firewall setups, etc. http://teanotwar.blogtribe.org/のミラーリングを目的としています。記事部分に何も表示されていない場合は下までスクロールしてください。個別記事へのリンクは,記事の投稿時間のところをクリックすれば表示されます。

2005/05/02

ドキュメンタリー映画『Little Birds』、東京で公開が始まってます。


――写真:映画『Little Birds』のチラシ。都内大型書店で入手。

ジャーナリストの綿井健陽さんによるドキュメンタリー映画『Little Birds』(3月の当ウェブログ記事ミラーサイト)、東京でロードショーが始まっています。

劇場は、新宿のK's Cinema(大塚家具=元三越近く:地図)。タイムテーブルは、10:20/12:30/14:40/16:50/19:00。5月27日までのようです。

また、5月28日からは、渋谷の「UPLINK FACTORY」(詳細 )で上映。6月4日からは大阪(シネ・ヌーヴォ:西区九条1-20-24)、名古屋(シネマテーク:千種区今池1-6-13今池スタービル2F)、広島(横川シネマ!!:西区横川町3-1-12)で公開されるそうです。(詳細は、映画の公式サイト劇場のページをご覧ください。)

■映画の公式サイト:
http://www.littlebirds.net/
※ストーリー紹介、監督のメッセージなどが読めるほか、予告編(Windows Media PlayerまたはQuicktimeが必要)が見られます。
※英語サイトあり:
http://littlebirds.net/eng/index.htm

■映画館K's Cinemaサイトでの作品解説:
http://www.ks-cinema.com/movie/little.html

■監督、綿井健陽さんの公式サイト:
http://www1.odn.ne.jp/watai/
※4月29日の記事から、メディア紹介記事のリストを引用しておきます。(それぞれリンクがありますので、綿井さんのサイトで見てみてください。)
▼週刊「ぴあ」(4月28日発売号)満足度ランキング

▼ジャパンタイムズ(4月29日付)記事=共同通信配信

▼ジャパンタイムズ(4月24日付)記事

▼TBSラジオ「下村健一の眼のツケドコロ」4月30日(土)・5月7日(土)の全2回放送(午前6時10分~)
スタジオ出演。映画の一部シーンを音声で聴くことができます。

▼月刊「広告批評」5月号 (5月2日発売予定)
インタビュー記事「戦争と日常をコントラストに描く」

▼各地方紙の映画紹介欄など
 共同通信から28日に配信されました(その一部はこちら)。詳しい映画評の記事も追って配信されます。GW中に全国の地方紙に掲載される可能性が高いと思いますが、どの新聞に掲載されるかはわかりません。

▼「放送レポート」(メディア総研)5月号
シリーズ・ドキュメンタリー対談 
第一回 森達也×綿井健陽「公正・中立って、何だ?」


■書籍、『リトルバーズ』

定価1680円、版元は晶文社

■東京新聞での映画紹介&監督インタビュー記事(3月18日)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/thatu/20050318/
mng_____thatu___000.shtml

※5月2日午後8時に確認した時点では閲覧可能です。少し引用:
 取材は開戦直前の二〇〇三年三月初旬から、暫定政府への主権移譲後の〇四年七月まで、一年半近くに及んだ。映画は首都バグダッドや自衛隊派遣地のサマワ、米兵による刑務所での捕虜虐待が明らかになったアブグレイブなど、イラク各地で撮りためた百二十時間の映像を一時間四十二分に編集したものだ。ナレーションも音楽もない。

 開戦前のバグダッドには、フセイン独裁政権下でも活気があった。市場にはたくさんの品物が並べられ、笑い声であふれていた。その日常が米英軍の爆撃で一変する。戦闘機の爆音、対空砲火、空襲警報、そして銃声…。人々の悲鳴や泣き声、怒声が絡みあう。

 戦争の前には穏やかな生活があった。それだけに人々の悲しみや喪失感が切なくはじける。病院やがれきとなった家々で、犠牲者の姿をカメラで追いながら、綿井さんは気づいた。

 「戦争で突然失われる命は、何の代償なのか。戦争は日常に飛び込む暴力でしかない」


■毎日新聞での記事(4月21日)
http://www.mainichi-msn.co.jp/geinou/cinema/
news/20050421org00m200006000c.html

※少し引用:
 このドキュメンタリー映画を観終わってから、この映画をどう伝えたらいいのか考え続けている。観終わって楽しい気分にはまちがってもなれないし、ワクワクもしない。甘いムードに浸れることなどまずない。でも、読者の皆さんにお願いしたい。

 ぜひ観てほしい。そして、一緒に考えよう。多くの日本人が最も大きな影響を受けている国、筆者も大好きなアメリカという国が行っている戦争のことを一緒に考えよう。私たちの国が支持した戦争のことを。


■検索して見つかったウェブログの記述(トラックバックします):
「genmacha weblog」、4月24日
※映画をご覧になったyasushi masutaniさんの記述。

「Kayo Photo Gallery」、 4月23日
※映画をご覧になったKayo Sawaguchiさんの記述。

「tamyレポート」、 4月24日
※映画をご覧になった方の記述。

「薔薇、または陽だまりの猫」、4月13日

「911 - 488」、3月25日

「Negative Stories」、3月20日

私は当分時間が取れないような感じなのですが、見に行けたらそのときにまた、何か書くつもりです。


――写真:映画『Little Birds』のチラシ。都内大型書店で入手。

いけだ

軍属しない記者が見たイラク

 
軍属しない記者が見たイラク
ダール・ジャマイル
2005年4月28日
デモクラシー・ナウ!原文


何カ月もイラクから報道を続けた数少ない独立・非軍属ジャーナリストの一人ダール・ジャマイルがデモクラシー・ナウ!のファイヤーハウス・スタジオを訪れ、ファルージャ包囲、イラク人の拘留、「再建」と称するものなどについて語る。


アブグレイブの捕虜虐待スキャンダルの中で最も記憶に残るイメージの一つは、黒い袋を頭に被され、両側に伸びた手にワイヤーが結びつけられて箱の上に立たされている写真である。

この写真に写されていた男性の身元が明らかになったと報じられている。彼はPBSのニュース誌「ナウ」の今週号で話をしている。彼の名はハジ・アリ。バグダード郊外の町の町長で、バアス党の党員だった彼は、2003年末に路上で拉致され、アブグレイブに送られた。ゲリラ活動に関与していないと述べたにもかかわらず。

インタビューの中で、アリは次のように述べている。「彼らは私を箱の上に立たせ、両手にワイヤーを付けて電気ショックを加えた。眼窩から目玉が飛び出そうに感じた。私は倒れたが、彼らは私を再び立たせ、さらなる攻撃を加えた」。

本日(4月28日)は、アブグレイブの捕虜虐待スキャンダルが明るみに出てから一年目である。我々はイラクに目を向ける。

英国のガーディアン紙が掲載した「これは私たちのゲルニカである」という記事は、次のように言う:

1930年代、スペインの都市ゲルニカが、理不尽な殺人と破壊のシンボルとなった。1990年代、グロズヌイ【訳注:チェチェン共和国の首都】がロシア軍によって無慈悲に破壊された。グロズヌイはいまだ廃墟のなかである。この10年の残虐と大量殺人の忘れることのできないモニュメントが、ファルージャである。反乱に対処するにやってはならないことの教科書的ケース、そして人々の支持のない占領は、後先を考えぬ自暴自棄の行為と残虐行為へと変質してゆくものであるということを思い出させるケースである。

これらはダール・ジャマイル記者の言葉である。彼は何カ月も、数少ない独立・非軍属ジャーナリストの一人としてイラクに滞在し、DahrJamailIraq.comというブログで報告を発表しており、デモクラシー・ナウ!にも定期的にゲスト出演している。本日、彼が我々のファイヤーハウス・スタジオを訪れている。



この書き起こしは無料で提供されるが、寄付をいただけると、我々のテレビ放送で耳の聞こえない人や難聴者にキャプションを付することが可能になる。親切な寄付に感謝します。

寄付:
25ドル50ドル100ドルそれ以上



エイミー・グッドマン:デモクラシー・ナウ!へようこそ。

ダール・ジャマイル:ありがと、エイミー。

エイミー・グッドマン:今日は来ていただいて光栄です。ゲルニカのイメージ、そしてイラクとりわけファルージャが意味することについてもっとお話してもらえますか?

ダール・ジャマイル:イラクでそして中東を通して米国の占領に対するレジスタンスの象徴となっているファルージャは、今や70%が米国の爆撃で破壊されたと推定されています。水も電気もありません。ファルージャへの帰還を望む人々は瞳孔スキャンを強制され、10本の手の指すべての指紋を取られてから、IDカードを発給されます。しないの人々は町を巨大な監獄だと言っています。恐ろしい状況で、そのため、いまだに数十万人の難民がいるのです。さらに、米軍が発表したところによると、ファルージャ包囲攻撃の目的は、ザルカウィという幻を捕まえること、選挙のために治安と安定をもたらすことでしたが、その結果生じたのは、ファルージャが殺戮の場と化したこと、そしてレジスタンスが国中に広がったことでした。

エイミー・グッドマン:瞳孔スキャンと指紋押捺は誰が行なっているのですか?

ダール・ジャマイル:米軍がすべてをやっています。

エイミー・グッドマン:今ファルージャから追放されている人の数は何人くらいでしょうか? そして実際に何人くらいがファルージャに住んでいるのでしょうか? そもそもファルージャの人口はどのくらいだったのですか?

ダール・ジャマイル:最新の推定では、ファルージャの人口35万人のうち、5万人が市内に戻ったとされています。

エイミー・グッドマン:何が起きたのでしょうか? 他の人々はどこに行ったのですか?

ダール・ジャマイル:残りの人々は今も難民キャンプにいます。ファルージャ周辺には至る所に難民キャンプがあります。バグダードの多くの地区にも、さらに首都より南にさえ、難民キャンプがあります。人々は、むろん、恐ろしい状況の中で暮らしています。こうした難民キャンプの中には水道があるところもありますが、まったくないところもあります。電気はありません。基本的に他のイラク人からの援助に頼っていますが、それはとても困難な状況です。というのも、イラクでは今や失業率が65%にのぼると推定されるからです。基本インフラは修羅場の状態にあります。30万人以上の難民を支援しようとしているコミュニティ自体がそういう状況なのです。

エイミー・グッドマン:今こちらに戻ってきたのでお聞きしますが、ここにいたときにイラクについて知ったことと、実際に現地に行って知ったこととはどんな風に対比できますか? どう違いますか?

ダール・ジャマイル:そうですね。ここ米国で私企業メディアに接していると、メディアの報道と実際に現地で起きていることとの間のギャップはますます大きくなっていることがわかります。私企業メディアを見ると、1月30日の選挙以来、イラクの状況は良くなっていると信じさせられます。イラクには民主主義があると。むろん、ちょっとした混乱はありますが、事態は良くなっている、と。けれどもただ数字を見ただけでも、それがまるで事実に反していることはわかります。今でも一日平均一人を超える兵士が死んでおり、その10倍の兵士が負傷し、インフラは混乱状態で、事態はますます悪化しています。少なくとも一日一回バグダードでは自動車爆弾が爆発し、イラクの他の地域でも不安定な状況が続いています。

エイミー・グッドマン:私たちはダールにお話を聞いています。彼はイラクで非軍属の記者をしており、米国に戻ってきたところです。もう少ししたら再び彼とのお話に戻ります。

[休止]

エイミー・グッドマン:今日のゲストはダール・ジャマイルです。彼はDahrJamailIraq.comというブログを運営していて、イラクから戻ってきたばかりです。イラクには8カ月滞在して、定期的に私たちに記事を送っていました。ダール、あなたはファルージャについて話していました。ファルージャで化学兵器が使われたことについてはどうでしょうか? 昨年11月、あなたは、米軍が毒ガスをはじめとする非通常兵器をファルージャの民間人に対して使ったと報じました。それがどうしてわかったのですか?

ダール・ジャマイル:11月を通して私がインタビューした難民の多くが、そして12月になってからも町を逃れてきた人々が、ファルージャで化学兵器が使われていたと伝えてくれました。けれども、この問題について最も重要な情報源は、ファルージャ郊外で私がインタビューしたある医師です。彼は、イラン=イラク戦争のとき医師団として働いており、イランの化学兵器に襲撃されたイラク兵を治療してきたので、化学兵器による怪我がどのようなものか知っていたのです。その彼が、同じような傷を負っているファルージャの人々を治療したと言っていました。さらに、私がインタビューした別のイラク人男性は、米兵に連れられてファルージャに行き、遺体を埋める手伝いをさせられたのですが、彼もまた化学兵器の攻撃を受けたとしか考えられない多くの遺体を目にしたと言っていました。

エイミー・グッドマン:今年3月3日、イラク保健省のハリッド・アシュ=シャイクリ博士が記者会見で、米国が、攻撃の際、神経ガスを含む国際的に禁止された化学兵器を使っていると批判しました。これについてさらに詳しい情報をお持ちでしょうか?

ダール・ジャマイル:その報告については、その通りで、それについては読みましたし、知っています。それに関連して、私がインタビューした医師は、ファルージャに行って、ファルージャで米軍に命ぜられてむりやり埋めさせられた遺体のいくつかを掘り起こしたいと言っていました。というのも、そうした兵器が使われたことは100%確実であり、ファルージャ内の多くの人々と同様に彼も、そうした、違法な兵器がそこで使われたことに関する国際的な調査を要請したいと考えているからです。というのも、彼らはそれが化学兵器、クラスター爆弾、フレシェット、ある種のナパームをはじめとする様々な兵器であることを100%確実と考えているからです。

エイミー・グッドマン:ダール、あなたはご自分のブログでずっとイラクの人々の日常、そして人々が直面する困難について、イラクで暮らすことがどのようなものかについてお話ししてきました。私たちにはほとんど手に入らない全容を教えて下さい。

ダール・ジャマイル:そうですね。イラクの状況は破滅的です。イラクにいて、安全など何一つない中で日々の状況を見るのは困難です。首都をはじめほとんどの都市が完全な無法状態にあります。病院では保健医療の危機が続いています。病院では薬も日用品もなく、必要なものが不足しています。さらに町中に広がる難民の状況があって何百という家族が様々な場所で生き延びようとしています。本当にひどい----イラクでは難民状況が続いており----30万人以上いるのです。激しい燃料危機が続き、人々は車のガソリンを入手するために、一日、ときには2日待たなくてはなりません。そして軍が治安状況に対処するためにバグダードの様々な道路を封鎖しています。少なくとも100の道路がバグダードでは現在閉鎖されています。状況に少しでも秩序をもたらそうとしてのことです。ガスを買う人の列はときに6マイルから10マイルになります。人々は車のタンクを満たすために1日か2日またねばなりません。ガソリンは配給制になりつつあります。偶数ナンバーの車はこの日、奇数ナンバーの車は別の非といった具合です。ガソリン・タンクにつぎ込むとき、7ガロン半しか認められません。バグダードのより状況のよい地区では、電気は約8時間つけます。北部のクルディスタン地域を含むほとんどの地域では、一日3時間かもっと少ない電力の供給しかなく、インフラはほとんどの地域で、侵略前よりも劣悪な状況です。

エイミー・グッドマン:先日、私たちはジュリアニ・スグレナと話をしました。彼女はイラクで誘拐され、結局、開放されるときに米軍が彼女の車に発砲し、彼女を助け出したイタリア人諜報職員を殺し彼女に怪我を負わせました。軍に属さずに何カ月も毎日報道を行う危険の中で、あなたはどうやったのですか?

ダール・ジャマイル:不安のレベルは極めて高いものです。私はできるだけそれに慣れようとしました。治安の不在は私の安全と思い、髭を伸ばし、出掛ける時間を色々変え、自分がアメリカ人だと宣伝しないようにしました。とてもストレスの大きな状況でしたが、イラクにジャーナリストとして行っているのなら、ホテルから外に出て、仕事をしなくてはなりません。ですから私自身はそのリスクを受け入れていましたし、そのように行動することを選んだ同僚たちも同様でした。ホテルに留まるだけ、軍の記者会見に行ったり、軍に所属するよりも、そうすることを選んだのですから。

エイミー・グッドマン:写真が公開されてから一年経ちますが、ペンタゴンはアブグレイブ囚人の虐待について何カ月も前から知っていました。これらの写真はイラクでどのような影響を与えたでしょうか?

ダール・ジャマイル:実際には、イラクでは誰もが、そうした行為が起きていることをすでに知っていました。占領のほとんど最初から、しかもアブグレイブだけでなく、イラク全土の収容所でです。そうした情報は何カ月も前から伝えられていました。人々は、性的虐待や身体的暴力、死、強姦など、そうしたことが当初から行われていることに築いていました。けれどもそうした写真が公表されたとき、それが確実になり、イラク人が信じてきたすべてが本当だったことが世界に向けて伝えられました。占領軍にそのとき残されていたかも知れないわずかな信憑性も崩れ去りました。写真とともに信憑性も崩壊したのです。そして絶対にはっきりさせておきたいのですが、同じ状況は今も続いています。拷問は中止されていないのです。私企業メディアは、そうした写真を店しばらくの間それについて話すと決め、それから、責任を負うべき兵士たちが何人かいると言いました。腐ったリンゴを裁判にかけよう。そうすれば状況に再び蓋をすることができるだろう、と。けれども、それによって、イラク人捕虜の数がますます増えているとうい事実が変わりはしません。捕虜の数はこの数カ月に急増したのです。そして監獄での扱いは、これらの写真が公開された当時とまったく同じなのです。

エイミー・グッドマン:別の収容施設と言いましたが、捕虜たちはどこに収容されているのですか?

ダール・ジャマイル:たくさんの軍の収容所です。軍基地には収容施設があります。たとえば、バグダード空港には巨大な収容施設があります。バグダードのイラク人はそこをグアンタナモ空港と呼んでいます。ティクリート近くにある軍施設のような多くの他の施設にもあります。ティクリートについては具体的に、大きな収容施設があることを知っています。けれども収容所はイラク全土に広がっています。南部でも多くの場所にあるのです。

エイミー・グッドマン:私たちは今、ダール・ジャマイルにお話を聞いています。イラクから戻ったばかりです。今日、興味深いニュースがありました。英国政府が、検事総長によるイラク戦争の法的正当性をめぐる全報告を、その一部がリークされたあと、公開したのです。2003年3月7日、ちょうどイラク侵略の前ですが、ゴールドスミス卿がトニー・ブレアに、第二の国連決議を得ることが法的に最も安全だと言っていました。10日後、議会に対する彼の見解では、合法性に対するそうした憂慮は表明されませんでした。マイケル・ハワードは議員が策略で戦争指示に投票することになったのではないかと示唆しました。チャールズ・ケネディはブレアにはっきりさせるよう求めブレアは自分の行動を擁護しました。意見の中で、ゴールドスミス卿は、戦争に反対する人々が法的行動に訴える方法は何通りもあると警告していました。「それらが成功しないことについては確実ではない」と彼は述べています。「第二の決議を実現することが、そうした法的行動の成功を阻止する方法かも知れない」と。ゴールドスミス卿は続けて、「最後に、軍事行動の合法性は法的根拠の有無だけでなく、均衡性の問題もあることを強調しておかなくてはならない」と述べた。さらに彼は、「イラクに武装解除を承諾させる目的に対して釣り合いがとれていなくてはならない」と。本日のBBCによる報道です。どう思われますか?

ダール・ジャマイル:今となってはほとんど意味のないポイントだと思います。というのも、イラク侵略とその後の占領は、少なくともブッシュ政権の基準に従う限り、何が合法か、何が正しいのか、何がイラクの人々に最もよいか、そして何がこの国にとって最良かといったこととは何一つ、何一つ関係ないことは全面的に明らかなのですから。大量破壊兵器はなく、アルカーイダとも無関係で、イラクにはテロリストの訓練キャンプ、それに類するものは何もなかったのです。そして我々は、いつ終わりになるかわからないまま占領を続けています。米軍の常駐基地がイラクに14設けられました。4つは完成し、残りの10は建設中です。そのためのさらなる資金が政府を通過しました。ですから、この時点で合法性について話すことに意味があるでしょうか? この状況、そしてブッシュ政権が占領を永続化しようとしていることは、彼らが何が合法的で何が正当かに無関心であることを、本当に極めてはっきり示しています。

エイミー・グッドマン:私たちはダール・ジャマイルのお話を聞いています。イラクからかえったばかりです。選挙についてはどうでしょうか? イラクの人々に選挙はどんな影響を与えましたか? あなたは状況がとても良くないと言っています。選挙で何か改善されたのでしょうか? あなたはこの政府が構成させることに何らかの期待を持っていますか?

ダール・ジャマイル:どんな方法であれ、イラクの状況が改善されることを望んでいます。破滅的状況が至る所にあるからです。今日、イラクの人々にとって状況は本当に耐え難く、選挙が何らかの改善をもたらすことを期待しているのは確実ですが、今日まで何も改善はありません。ようやく、対最近になって閣僚を決めたばかりです。政府を結成するまでに12週間かかったのです。憲法に合意しそれを執筆する一年はずいぶん進んでいます。けれども、選挙が成功だったかどうかをどうやって判断するのでしょうか? 何か選挙に似通ったことがイラクで起きたという事実によってではなく、それがイラクの人々の生活を改善し、よりよい安全をもたらし、ガソリン危機を解決し、65%の失業を解決したかどうかによってでしょうか? こうしたことは、今まで実現していません。今日まで、現地の状況はただ悪化するだけです。少しずつ、毎日毎日。

エイミー・グッドマン:統合参謀長リチャード・メイヤーズ将軍は、事件の数でいうと、一年前とほぼ同じだと言っていました。イラク人レジスタンスの攻撃能力がこの1年で消えたわけではないという話しについてです。米国は選挙直前に攻撃回数は減ったと報じていましたが、最近また暴力が増えています。今レジスタンスを行なっているのはどのような人々でしょうか?

ダール・ジャマイル:現在、レジスタンスは極めて多くのグループに分かれています。レジスタンスを一つの実態であるかのように語るのは適切ではありません。とてもたくさんの異なるグループからなっているのです。最初はほとんど元軍人から始まったのは確かです。基本的に、ブレマーが、軍とバアス党を解散したときに、レジスタンスを作ることになったのです。けれども、現在では、ますます多くの普通のイラク人が、家族を殺された人々が、占領軍に侮辱された人々が、参加しています。100%がスンニ派ではありません。シーア派のメンバーもいます。そして外国の戦闘員について言うと、レジスタンスに関与している人々の比率は、とても、とても小さいのです。

エイミー・グッドマン:先週、私たちは、ナオミ・クラインと10年前のイラク戦争の退役兵エリック・グスタフソンを招いて討論を行いました。ナオミ・クラインは著名な著者でジャーナリストです。米軍兵士そしていわゆる連合軍の兵士は即時撤退すべきかどうかについてです。即時撤退はどのような影響を持つと思いますか?

ダール・ジャマイル:それにより、イラクが本当の主権国家になるためのプロセスが始まると思います。また、イラクの人々の犠牲は経ると思います。というのも、米軍こそが、現在、イラクで死や苦痛をもたらす主な要因だからです。占領下イラクでの死の大多数は、米軍の手によるものです。主として、米軍戦闘機が人々の家や住宅地域に爆弾を投下したためです。撤退すればそれはなくなります。現地の状況を改善することになるでしょう。撤退によりイラクにはより大くの安定がもたらされるでしょう。むろん、混乱も起こると思います。確実に、不安定な状態は続くでしょうが、米国の撤退は、現地でのすべての再建契約を再び入札に開放し、イラク企業を第一に優先することを考えないと起こり得ないでしょう。イラク企業は自国をどうやれば再建できるか知っています。すでにやってきたのですから。けれども、今回、イラク企業は再建に手を出すことを認められなかったのです。それから、むろん、占領下で苦しんだイラクの人々に全面的な賠償を行う必要があります。

エイミー・グッドマン:人々はそれが行われると感じているのでしょうか?

ダール・ジャマイル:いいえ。人々は、現在とてもはっきしていますが、私がインタビューした中で投票した人々は、それにより占領が終わると考えて投票したのです。けれども、今や、この政府は、米国に撤退の期限を定めさせる気などまったくないことは明らかです。ですから、占領がいつ終わるか先が見えないというのが現状です。

エイミー・グッドマン:ダール、あなたはイラクに戻ることを考えていますか?

ダール・ジャマイル:考えています。いつ戻るかについて完全にはっきりしているわけではありませんが、戻ります。

エイミー・グッドマン:今日は来て下さってありがとう。ここ米国でニュースを聞いている人たちのためにも。今週末、5月1日、広島への原爆投下60周年に抗議し、戦争に抗議する集会がニューヨークのセントラル・パークであります。人々が理解すべき重要なことは何だと思いますか?

ダール・ジャマイル:この政権がイラクから撤退する意図をもっていないこと、撤退を実現する唯一の道は撤退を余儀なくされることだという点です。自らの意志で撤退しないことは確実ですから。

エイミー・グッドマン:イラクから戻ったばかりのダール・ジャマイルでした。彼のウェブサイトはDahrJamailIraq.comです。デモクラシー・ナウからもリンクします。スペルは、DahrJamailIraq.com。たくさんの人が、どうすればこのサイトが見つかるのかと問い合わせの電話をかけてきますので。ありがとう。

ダール・ジャマイル:ありがとう、エイミー。


ダール・ジャマイルは、『ファルージャ2004年4月』の著者の一人。2004年4月、米国による最初のファルージャ包囲と虐殺の際、ファルージャの中に入り人道支援と取材を行なった。


投稿者:益岡