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2005/05/25

今日、バグダードはかなり静かな一日だった

 
バグダードの「静かな」一日。「自由と民主主義を広める」と叫んでイラクを侵略した者たちがイラクにもたらしたもの。

今日、バグダードはかなり静かな一日だった
トム・フォックス
Electronic Iraq 原文
2005年5月23日

今日、バグダッドでは、4人の聖職者(スンニ派3人とシーア派一人)が暗殺された。ほかに、先週拉致された2人のスンニ派聖職者の遺体が見つかった。自動車爆弾者がアブ・チェール市場で自らの車を爆発させ、9人のイラク国家警備隊兵士を殺し、28人の民間人を負傷させた。2人の工科学校学生が、地元学校の教室に爆弾(かロケット)が着弾して殺された。シャーブ地区の高校の校長が暗殺された。判事が一人、国防省職員が二人、前の暫定政権での汚職を調査していた職員が一人、暗殺された。全体で、31人が死に、42人が怪我をし、17人が誘拐された。バグダードでは、これらの攻撃を行なったのは誰かについての噂がたくさん流れているが、誰も犯行声明を出していない。さらに、こうした状況にもかかわらず、最近のバグダードの日々の中では、死者と負傷者の数は少ないのである。だから、相対的には、今日、バグダードはかなり静かな一日だった。子どもたちが学校に通い、人々は仕事に行った。商店は開いて営業し、果てしなく続くように見える軍と警察、私営治安部隊の車が仕事に就いていた。

こうした出来事が、米国のワシントンDCや英国のロンドンで起きたことを想像して欲しい。非常事態宣言が出されるだろうし(バグダードは6カ月近く非常事態宣言の下にある)、軍事戒厳令が布かれるかも知れない。市民の多くは恐らく自宅にとどまり、中にはその地区から脱出する人もいるだろう。メディアでは、流血事件以外、何も報道されなくなるだろう。普通の生活は停止し、混乱を収めるために政府の指導力を人々は求めるだろう。人々は、こうした社会機構の完全な崩壊を速やかに修復するよう求めるだろう。さらに、最終的には、人々は答えを求めるだろう。どうしてこうした恐ろしい出来事が起きたのか? 市民社会がかくも完全に崩壊したのはなぜか? この悪夢の状態を作りだしたのは誰か?

なぜ? なにを? 誰が? 17世紀英国の哲学者トマス・ホッブスは、どんな社会にとっても究極の悪夢は、「万人の万人に対する戦争」状態だと述べた。イラクはまさにそうした状況にある。米軍主導の侵略がイラク国家の装いを破り去ったとき、数世代にわたり抑えられていた宗教的・エスニック的・部族的・文化的緊張が解き放たれた。私は、サダムのことを賢明な尊い指導者だったと言う人に一人としてあったことがない。けれども、私は、多くの人が、サダム時代には暴力の脅威の中で生きていたが、その方が、今日自分たちを取り囲む虐殺と混沌、アナーキーよりは好ましいと言う。

より多くの銃を、基本的人権に対するより多くの制限を、より多くの兵士を、より多くの有刺鉄線とコンクリート・バリケードを、より多くの「治安」を、そして自由はより少なく、という解決策以外の解決策を提案している人は誰もいないようである。遅かれ早かれ、ゲリラには自爆攻撃者と武器がなくなるだろう。遅かれ早かれ、首謀者たちは拘束されるか殺されるかするだろう。そうだとしても、その後に残るのは、世界で最も制限の強い、抑圧的な警察国家となるだろう。

「自由を民主主義を広げるのだ!」 「万人の万人に対する戦争」

今日、バグダードはかなり静かな一日だった。

クリスチャン平和構築チームは全教会が参加する暴力削減プログラムで、歴史的な平和教会を起源とする。訓練を受けたチームのワーカが世界中の紛争地域に住んでいる。CPTは2002年10月以来イラクにいる。CPTについてのさらなる情報はhttp://www.cpt.orgを参照。CPTプロジェクトの写真はhttp://www.cpt.org/gallery


投稿者:益岡