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2006/10/31

『ランセット』のレポートとそれに対する批判、続き

1つ前の記事の続き。

2006年10月の英国の医学誌『ランセット』のレポートについての報道記事と、調査を行ないレポートをまとめたロバーツ博士のチームの方法に対する批判と、それに対するロバーツ博士の回答。

1つ前の記事を読んだ上で先にお進みください。

1)『ランセット』のレポートについての報道
2006年10月11日に、米ジョンズ・ホプキンス大のレス・ロバーツ博士(専門は疫学)のチームによるイラク戦争の民間人死者数の調査レポートが『ランセット』に掲載された。2004年10月に続いて2度目となるこのレポートでは、現地での聞き取り調査から、「全体の死者数はおよそ65万人(95% CIは392,979から942,636) 」という数値が導き出されている。
http://www.thelancet.com/webfiles/images/journals/lancet/s0140673606694919.pdf

12日の英国の日刊紙タイムズがこのレポートについて報じた記事は、『ランセット』のレポートに懐疑的な見方の典型であると同時に、このレポートから読み取れる重要な点に注目し、この点についてイラクで取材を行なったものである。

655,000 Iraqis have died in war, says Lancet
By James Hider and Michael Evans
http://www.timesonline.co.uk/article/0,,3-2399950,00.html

まず、懐疑的な見方の典型とも言える部分を、記事から概要で。
【概要】
『ランセット』誌上で発表された研究によると、イラク戦争では655,000人のイラク人が死亡しているという。この数字はこれまでで最も厳しい数字(=イラク・ボディ・カウントの数値のこと)の13倍だ。レポートをまとめたのは米国とイラクの疫学者のグループ。彼らは前にも「イラク戦争の死者は100,000人」とするレポートを出している。

専門家たちは、このレポートの数値はたとえばベトナム戦争のような紛争と同等である、と指摘する。また昨年12月に死者数は推定で3万と述べたブッシュ大統領は昨日、「非常に疑問のある手法だ」とし、この数値は信用できるものではないと一蹴した。ただし米軍はイラク民間人の死者数は数えていない。

イラク・ボディ・カウント(IBC)によると、民間人死者数はおよそ50000。ただしIBCの推定は、報道されたものに基づいている。

『ランセット』のレポートは、実際に死者数を数えたのではなく、47の地区(=クラスター)の1800世帯をランダムに抽出して行なっている。

ブッシュ大統領は統計の方法について疑問があるとかないとか言えるほどの知識をお持ちだったのか・・・という冗談はさておき。

次にこのレポートから読み取れる重要な点についての部分。
【概要】
同レポートによると、655,000人のうち、601,000人は暴力(=爆弾、銃撃など、また広く一般に「殺人」など)が直接的死因である。残りは紛争による影響で状況が混乱した結果、医療を受けることができないために症状や病状が悪化して死亡している。

イラクの保健大臣、アデル・モフシン(Adel Mohsin)は、65万という数値は高すぎるのではないかという。「少し大袈裟なのではないでしょうか。現在、1ヶ月あたりの死者は平均で2,000から3,000です、最大でですね、ということは1年で36,000です。」

イラク保健省は昨日、9月には米軍とイラク軍の合同の大規模な作戦が行なわれたにもかかわらず、バグダードだけで2,660人の一般市民が殺されたと発表した。

しかしモフシン大臣は、医療が不十分なために死亡した人が50,000人にのぼるということはありうる、としている。「確かに、例えば英国と比較すれば、(医療が受けられないことが原因で)亡くなっている方は多いです。」

名門ジョンズ・ホプキンス大の研究者が50万を超える死者数の推定を出すことができるということは、イラクにおける暴力のショッキングな状況と、イラクの医療インフラのほとんど完全な崩壊を反映するものである。

匿名を条件に取材に応じたバグダード総合病院のイラク人医師は、昨日、タイムズに対し、バグダードでは毎日交戦や爆弾攻撃や銃撃があるので負傷者がたくさん運び込まれており、そのために多くのルーティーン的な手術をキャンセルせざるを得ない、と語った。

手術を受けた人も、術後ケアが受けられないために、あとで死亡することが普通(usually)である。バグダードには今も使える集中ケアの病床はわずか24床しかなく、多くの場合は患者は自分で使う酸素ボンベは自分で買わなければならず、それもヤミでしか手に入らないので非常に高価で、ほとんどの人は手が届かないという。

「手術が終わったあとに一般外科病棟に患者さんを移すと、血圧を測ることすら誰もしません」とその医師は言い、このような形で医療が受けられないことは、重傷を負った患者たちには死刑宣告も同然である、と強調した。

この医師の暗い診断については、保健省の上級職員も同意している。

The Timesのこの記事は、ちゃんと読めば、「死者数65万」というセンセーショナリズムとは関係のない、ものすごく厳しい実態がちゃんと書かれていることに気づくと思います。しかし見出しはひたすらセンセーショナルで、さらに記事末尾(実際の紙面ではおそらく囲みコラム)でIBCの数値とランセットの数値を並べてあるので、「また『ランセット』のトンデモ」を報じた記事であるかのように見えてしまう。実は私もネットで見出しだけチェックして、読まずに飛ばしていました。

2)調査を行ない、このレポートをまとめたロバーツ博士のチームの方法に対する批判
BBCの報道番組、Newsnightのブログ、10月19日のエントリ:
Lancet Iraq survey methodology under fire
Paul Mason, 19 Oct 06, 04:53 PM
http://www.bbc.co.uk/blogs/newsnight/2006/10/lancet_iraq_survey_methodology_under_fire.html

『ランセット』レポートにどのような批判があるかをメモしたような記事です。コメント欄の読者の投稿も興味深いので一通り概要を。
【概要】
この数日、『ランセット』レポートについての論争で、2つの新しいテーマが浮かび上がってきている。

1つは「手法に問題がある」というもの。47というサンプルの数があまりに少ないというのである。政治コンサルタントのスティーヴン・ムーアは次のように述べている。
「レポートのAppendix Aには、イラク以外の紛争地帯(war zones)での調査がいくつか挙げられており、それを根拠として今回のクラスター・サンプリングの手法を有効なものであるとしている。the International Rescue Committeeのコンゴ民主共和国での調査ではクラスターは750だ。Harvard's School of Public Healthが1992年にイラクで行なった調査ではくらすたーは271だった。コソボでの調査は50のクラスターで行なわれているが、コソボの人口は160万人。これに対してイラクの人口は2700万人である。」

2つ目は、明日の『サイエンス』誌に掲載されるもの。ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校とオックスフォード大の研究者が、『ランセット』の調査では、サンプルとして事件の起こりやすい大通り沿いを選ぶことによる「main street bias」があるために、数値が不自然に高くなっている、と指摘しているのだ。

『サイエンス』の批判については24日のガーディアンに記事あり。
http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,,1930002,00.html

このエントリのコメント欄では:
2. At 01:05 AM on 20 Oct 2006, Bob
クラスターが少ないからといって結果が不正確になるという理由はない。ほかの調査ではもっと多くのクラスターが用いられているからといってこの調査を攻撃することは、非論理的だ。引き合いに出されている国はそれぞれ別個の事情を持ち、サンプリングや調査という点では比較対象にならない。また、大通りで人が死ぬような事件が多いというのも単なる憶測だ。

あと、『ランセット』批判の議論を見ていると、これはゲーム?って感じ。ディナーパーティで頭のよさを自慢しあっているのを見ているような気になる。本当に厳しい現実に直面している人たちにとって、これはゲームじゃないんだ。権威ある医学誌が実際にイラクではどれほどひどいことになっているのかを見せようとしているのをこき下ろして、その数字を1万くらい引き下げたところで何になるというんだ。知性ゲームをやるならどっかほかのことでやってもらいたい。

3. At 01:30 PM on 20 Oct 2006, vik
『ランセット』の方法が批判にさらされている? 別に驚くことでもない。あの雑誌は最大限誇張した数値を挙げて自分たちの思惑をあれこれ主張できるようにしていこうという連中に乗っ取られているのだから。(しかも今回が初めてではない。)

以前も別の記事にコメントしたが、あの雑誌の編集長はうさんくさい。強烈に反戦思想であることを考えれば客観性などあるわけもない。科学よりもインパクト重視ってことだ。(以下「俺は俺は」モードなので略)

4. At 03:15 PM on 20 Oct 2006, vik
Bobへ:
> クラスターが少ないからといって結果が不正確になるという理由はない。
ベルファストに当てはめて考えてみたらどうだ? フォールズ・パーク(カトリク地区)のカトリックの意見は、オレンジ・フィールドのプロテスタントの意見とは全然違ったものになるだろう。何人に質問するか、どこで質問するかは重要だ。(以下、「俺は俺は」モードなので略。なるほど、この人、北アイルランドの人でしょうかね。「政治的」なのは自分だということに気づかず、他人のことを「政治的だ」と批判してますが。)

5. At 05:24 PM on 20 Oct 2006, John
私見ですけど、エントリ本文の「大通りに近い世帯をサンプルにしたことで、死者数の数値が不自然に高くなった」というのは、間違ってます。『ランセット』の調査は大通りをサンプルにしたのではなく、小さな通りをアトランダムに選んでいます。

クラスタ・サンプリングについてのvikのコメントも的外れです。この方法について一言で説明するなんてできないけれども、統計の方法として確立されたものです。ウィキペディアとか参照してみてください。

6. At 07:19 PM on 20 Oct 2006, z
> 「コソボでの調査は50のクラスターで行なわれているが、コソボの人口は160万人。これに対してイラクの人口は2700万人である。」

これ書いた人、数学わかってなさすぎ。統計の正確さとクラスタの数の関係には、ベースとなる人口の大きさは影響しないのね。超初歩の教科書にも書いてあるんだけど。たとえば塩素について調べるために、金魚鉢から水のサンプルを取るとして、試験管に1本取る。プールから水のサンプルを取るときにも試験管に1本取る。プールのときはドラム缶1本とかしないでしょ。基本的にはそれと同じ。50のクラスターで160万人を調査してある程度正確なら、50のクラスターで2700万人を調査してもある程度正確なのね。統計やってるなら基本中の基本。これについて「おかしい」とか言ってんのは無視して大丈夫。(ただ、WSJでもそういう批判があったから、ありがちな批判なんだなとは思うけど。)

(以下、私には用語などが難しすぎるのでちょっと略)

ただし、クラスタがあまりに少ないと、結果が不自然に「低く」なるということは報告されている。地雷原を調べるときに、石を投げる数が少ないと、投げる石投げる石どれもヒットするからここは地雷びっしりだってよりは、どれもヒットしないからこの地雷原の地雷はゼロ、って結論になるでしょ。『ランセット』では3つの県が偶然にもサンプルされていないけれど、それも含めて、この数値は実際よりも低いという可能性のほうが、実際よりも高いという可能性よりも、有力なのね。

7. At 01:15 AM on 21 Oct 2006, SMB
確かジョンズ・ホプキンスのチームは大通りではなく、小さな通りの家をピックアップしていたはずですが。それから、大通りにはあらゆるところから人が集まるということも指摘されてますよね。市場とかモスクとかオフィス街、警察や軍のリクルートセンター、警察署などでも同じ、そこで何かあったときに被害に遭うのはそこに住んでいる人だけとは言えない。なので、それによる偏りがあるとは思えないんですが。

8. At 06:30 AM on 21 Oct 2006, Jenny
vikは「『ランセット』の編集長には客観性はない」と言うけれども、あのレポートは編集長が書いたわけでも編集したわけでもないんですが。編集長がどうだからって、レポートの信憑性とは関係ないのでは。

9. At 11:46 AM on 23 Oct 2006, vik
Jennyへ:
反戦思想を抱き政治的思惑のある医学誌の編集長が、議論に影響を与えるために、反戦の「研究」を求めた。ほかの推定とはまったくかけ離れた高い数値を出した。例えば調査結果がIBCの数値と比べて低い数値だったら、サヨクの編集長はそれを出したがるか? (以下、あまりにばかげているので略)

10. At 09:31 PM on 23 Oct 2006, Katie
zの説明は、自然現象などコンスタントなものの調査では当てはまるけれども、社会科学的調査では、正確さを確保するためにはサンプル数を増やすことが必要になるのでは。

----このあとはvikが「編集長はいかにサヨクか」の大演説を展開し、スルーされ、あとはコメント投稿者同士が「上の投稿のPaulさんって、ひょっとしてブダペストのこと書いてたPaulさん? だとしたらお願いがあるんだけど」とかいうやり取りをし始めたり、1番の本題とは微妙にずれたコメントの言葉尻で遊び始めたりしているので、内容がないです。よって略。


3)批判に対するロバーツ博士の回答
さて、こういった批判が一通り出揃ったところで、調査チームのリーダーのロバーツ博士が、BBCサイト上で受け付けた読者/視聴者の質問に答える、という企画が行なわれました。博士の回答がアップされたのが10月30日。

Lancet author answers your questions
Last Updated: Monday, 30 October 2006, 14:09 GMT
http://news.bbc.co.uk/2/hi/talking_point/6099020.stm

以下、質問と回答の概要。

【概要】
質問1:
死者をダブって数えている可能性は? 例えばUKで「身の回りで誰か交通事故に遭った人は?」と質問すれば、誰もが「知っている」と答えるだろう。

回答:
ある世帯で死者が出たということを記録するためには、その亡くなった方がその家で3ヶ月間は「ひとつ屋根の下で眠っていた」ことが必要とされています。このために実際より低く数えている可能性はあるけれども、質問者さんが心配なさっているように、1人の故人を2つの世帯で申告するということはないです。

質問2:
『ランセット』はサヨクの小学生に乗っ取られてしまったようですね。この調査は方法もめちゃくちゃだし、数を数えるプロセスは騙そうとしたもののように見えますが。

回答:
今回取った方法は、戦時における死者の数を知るのには標準的な方法です。『ランセット』ですから厳正な査読を経ていますし、戦争と公衆衛生を扱った雑誌のどこに持っていっても掲載されていたでしょう。

質問3:
説明していただきたいのですが、この数値が正しいとしたら、イラク保健省が公的に記録しているよりも毎日920人も多くの人が死んでいるのでしょうか。イラク保健省がまったく機能していないとか?

回答:
紛争地帯で死者の情報を集めるのは、本当に困難なことです! 2002年にベルギー政府が管理するDRコンゴ東部のカタナ健康地域(Katana Health Zone)で、髄膜炎のアウトブレイクが起きたことがあります。ベルギー政府の管理ですから、DRコンゴじゅうで最も疾病管理が行き届いた地区と言えるでしょう。International Rescue CommitteeというNGOの調査では、このときの髄膜炎の死者数のうちわずか7パーセントしか、病院や政府の役所では記録されていませんでした。

質問4:
ご説明によると、自然災害での死者数推定と同じ方法でイラクの死者数を推定したそうですが、この方法が正確だという証拠はありますか。

回答:
よい質問ですね。1999年に、前述したカタナ地区でですが、私がリーダーとなって死亡者数調査を行なったことがあります。地区を分割して、5世帯ごとのクラスタを41、1キロ間隔で選んで、聞き取りを行ないました。このときに、調査までの半年の間に1600人の子供が麻疹で死んでいると推定しました。その数週間後、標準的な予防接種調査を行なったときに麻疹での死亡について質問をしたのですが、先の調査と同じ結果が得られました。

質問5:
『ランセット』のレポートを信じることが人々にとってはどうしてこんなに難しいのでしょうか。私はイラク人です。あのレポートの数値は、これまでにあった数値のどれよりも現実に近いものです。

回答:
あのレポートを受け入れることが難しいのには2つの理由があると思います。第一に、人々は死体を見ない。第二に、人々は、政府の役人やマスコミの記者が、死亡事例の大半を把握していると感じている。しかし実際には戦時においては、2割が把握されるだけでも、珍しい部類に入ります。

質問6:
2004年のレポートも2006年のレポートも、発表のタイミングは間違っていたと思います。米国で選挙が行なわれる直前ですから。

回答:
両方ともタイミングとしては不運でした。最初のレポートのときに言ったのですが、9月半ばに調査を終えて、結果を発表するまでに2ヶ月かけていたら、同僚や聞き取り担当のスタッフが殺されてしまうのではないかと非常に心配していたのです。2004年のイラクでは、アメリカの選挙後に発表したのでは、私の同僚たちが何かを知っていたのに隠していたのではないかと疑われていたでしょう。


以上が一般人の質問とそれに対する回答。最後の質問で2004年のことを言っていますが、2006年も基本的に状況は同じか、さらに悪化しているはずです。

あとは専門家からの各種反論を1人がまとめて質問している部分なので、箇条書きで。
質問:
『サイエンス』誌の"main street bias"という批判について。

回答:
どのような地域も選ばれる可能性が均等になるよう、ぽつんと離れた一軒家も選ばれるように尽力した。結果をゆがめようと思ったら、選ぶ地域のタイプを同じにするようにしなければならない上に、その地域だけ他と比べて並外れて違う死者数であるような地域を選ばなければならない。そのようなことがなされたという証拠は私たちは得ていない。

質問:
2006年10月の調査報告では、開戦前の死亡率を1000人につき5.5(1年)としている。しかし国連では10としている。これはこの調査が不正確であるという証拠ではないのか。

回答:
イラクで最後に国勢調査が行なわれたのは10年前だ。国連の数字は古くなってしまっているのではないか。ヨルダンやシリアの死亡率が5なので、5.5という数値は有効だろう。

質問:
ロンドン、キングズ・コレッジの精神科医で公衆衛生を研究しているマデリン・ヒックスが、40世帯の聞き取りが1日でできるとは「信じられない」と言っている。

回答:
2004年のイラクでは、聞き取りに2倍の時間がかかり、30世帯のクラスタの聞き取りをすべて行なうのに、2人のチームで3時間かかった。ある田舎のクラスタでは6時間かかってしまったので、日が落ちてから帰ってきたことを覚えている。いずれにせよヒックス博士の懸念は当たらない。2004年に1つのチームが1日に2つのクラスタの聞き取りを行なっているのだから。

質問:
戦後13ヶ月の段階での国連開発計画(UNDP)の調査は、『ランセット』の2度の調査のいずれよりもサンプルサイズが大きいものだったが、UNDP調査での死者数は、『ランセット』の調査の3分の1だ。サンプルサイズが大きいのだから、UNDPの調査の方が正確である、したがって『ランセット』の数値はあまりにも高いと考えるのが適当ではないか。

回答:
UNDPの調査はずっと規模が大きく、それを行なったノルウェイのジョン・ペダソンは尊敬される研究者だが、あの調査は死者数に絞った調査ではなかった。あの調査での死者数推定は完全なものではないと思う。また、UNDPの調査は侵略後の13ヶ月をカバーしている。『ランセット』の最初の調査(2004年)は13ヶ月目から18ヶ月目をカバーしているが、暴力的な死は、最初の12ヶ月と比較してほとんど2倍を記録している。2004年4月までにおよそ7万の死者があったが、それからの12ヶ月間で死亡率は1年につき1000人中2.5高まっていることが2006年10月のレポートでわかった。したがって、2度の調査で記録された暴力的な死の割合は、それほどかけ離れているわけではない。



投稿者:いけだ
※私は「統計」とか勉強していないんで、日本語で変なところがあったら本家のコメント欄でご指摘ください。

『ランセット』のレポートとそれに対すaる批判、およびイラク・ボディ・カウント

2006年10月11日、英国の医学誌『ランセット(Lancet)』に、イラク戦争後の死者数の調査結果が発表された。
http://www.thelancet.com/webfiles/images/journals/lancet/s0140673606694919.pdf

『ランセット』での調査レポートはこれが2度目である。1度目は2004年10月29日に発表された。
http://en.wikipedia.org/wiki/Lancet_survey_of_mortality_before_and_after_the_2003_invasion_of_Iraq

2004年のレポートでは、イラクのほかの地域と比べて明らかに突出した結果となるであろうファルージャ(2004年春の包囲攻撃後に状況が極めて悪化した)は外した上でも、「暴力的な形で(=通常の病気などではない形で)死んだ人は98,000人」という数値が発表された。

一方、2006年のレポートで発表された死者数は「655,000」。これはイラクの全人口の2.5パーセントに相当する。

(以上、数値はWikipediaの記述に基づいている。)

以下に両レポートの概要を示す。また、このレポートの示す死者数が「あまりに多すぎる」という批判の根拠となることが少なくないイラク・ボディ・カウント(IBC)について、改めて見てみる。

■ランセット(Lancet)のレポート
『ランセット』は英国の医学誌(週刊)で、専門家が記事を書く医学誌として世界で最も信頼されるもののひとつである。創刊は1823年。出版元のElsevier社は、Reed Elsevier社の医学・科学部門出版専門部門の会社で、Reed Elsevier社は兵器見本市の主催をするなど軍需産業とのつながりが深いが、『ランセット』はこれに強く反対している。
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Lancet

同誌では、イラク戦争後の死者数の調査結果は、2004年10月と2006年10月の2度、発表されている。

2004年10月の調査結果については当ブログでも過去に記事にしているが(参照1参照2)、概要をあらためてメモしておく。

調査を行なったのは米ジョンズ・ホプキンス大のレス・ロバーツ博士(専門は疫学)のチーム。チームのメンバーはLes Roberts, Riyadh Lafta, Richard Garfield, Jamal Khudhairi, Gilbert Burnhamで、Riyadh LaftaとJamal Khudhairiはイラクのムスタンシリヤ大学のアカデミック、残りは米国のジョンズ・ホプキンス大とコロンビア大のアカデミックである。

調査は現地での聞き取りに基づいている。聞き取りは2004年9月に行なわれた。聞き取り対象はイラク全土で33クラスタ(1クラスタは30世帯から成る)。

調査の結果として、イラク戦争開始前と比較して、死亡のリスクは2.5倍に高まった(95% CIは1.6から4.2)。死者数が多く報告されているファルージャを除いた上での全体の死亡のリスクは、開戦前の1.5倍(95% CIは1.1から2.3)である。具体的数値としては、イラク戦争開始後の戦争による死者数は、ファルージャを除外して、98000(95% CIは8000から194000)である。

33クラスタのうち、15クラスタで暴力的な死が報告され、それらは主に連合軍の行為によるものである。暴力的な死のリスクは、開戦前と比較して、58倍(95% CIは8.1-419)である。
http://image.thelancet.com/extras/04art10342web.pdf

次に、2006年10月(新しいほう)の調査結果についても、概要を簡単に示しておこう。(詳しくは過去記事を参照。)

調査を行なったのは、2004年の調査と同じく、米ジョンズ・ホプキンス大のレス・ロバーツ博士(専門は疫学)のチーム。チームのメンバーはGilbert Burnham, Riyadh Lafta, Shannon Doocy, Les Robertsで、2004年の調査のときと1人入れ替わっているが、同様にジョンズ・ホプキンス大とムスタンシリヤ大のアカデミックで構成されている。

調査は現地での聞き取りに基づいている。聞き取りは2006年5~6月に行なわれた。聞き取り対象はイラク全土の16の県からランダムに選ばれた50クラスタ(1クラスタは40世帯から成る)で、3クラスタがmisattributedなので除外し、最終的には47クラスタの1849世帯、2801人から聞き取りを行なった。

調査の結果として、イラク戦争開始前の死亡率は1年で1000人あたり5.5(95% CIは4.3から7.1)。それが、戦争開始後には1年で1000人あたり13.3(95% CIは10.9から16.1)と高まっている。2006年7月時点での戦争が原因の死者数の推計は、654,965 (95% CIは392,979から942,636) で、これは人口の2.5%にあたる。このうち、601,027人(95% CIは426,369から793,663) が暴力が原因の死(で、残りは戦争のために病院設備が破壊されて治療が受けられずに病死した、などである)。
http://www.thelancet.com/webfiles/images/journals/lancet/s0140673606694919.pdf


■ランセットのレポートへの批判
2004年のレポートも、2006年のレポートも、批判の対象となっている。それらの批判にはいくつか種類がある。政治的な配慮を元に発言せねばならない人たち(英国政府、米国政府など)からの「批判」というか「否定」は別にすると、「調査の手法がおかしいのではないか」というものや「数値があまりに高すぎる」というものがある。英国の報道系ブログなどを少し見てみたが、そこに投稿されている一般の読者のコメントなどを見ると、「数値が高すぎる」という批判には、「批判」であるというよりも「(感情的な)反発」も少なくない。そこから一歩進んだような(「進んで」いるのか「後退して」いるのかは微妙だが)、「何らかの意図があっての数値ではないか」という疑念も示されている。

「数値があまりに高すぎる」という批判(反発)の論拠のひとつが、2004年でも2006年でも、「イラク・ボディ・カウント(IBC)」の数値との乖離があまりに大きいということである。実際、2006年10月の時点ではIBCの数値は約50000、それに対して『ランセット』は約650000と、その差は13倍にもなっている。

結論から言えば、『ランセット』とIBCの数値を直接比較することに「印象」とか「センセーション」以上の意味があるとは、ほとんど思えない。両者は手法においても目的においても、まったく別個のものだからである。「驚く」とか「意外な印象を受ける」といったことは確かにあるけれども、真面目に比較すべき数値であるとは思えない。

けれども、普通に関心を持ってニュースを追ったりしている限りでは、「イラクの民間人死者数」について常に閲覧可能な数値はIBCのものしかないのだから、たとえ意識していないにしても、IBCの数値と比較してしまうのは仕方のないことかもしれない。

個人的には、IBCの、ものすごく控え目な約50000という数値でも、十分に「もうたくさんだ」という域に達していると思うのだが。

■イラク・ボディ・カウント(IBC)
IBCは2003年、米軍のトミー・フランクス司令官(当時)が「死者数は数えない(We don't do body counts)」と述べたことを受けて[1]、軍はやりそうにもないので、自分たちで民間人(=軍人ではない者)の死者数の記録を取っていこう、という主旨で始められた民間の、というか米英の学者や活動家たちの取り組みである。ひとことで喩えると「まとめサイト」のようなもの。つまり「ほかで書かれていることを1箇所でまとめた」ものだ。

米英など「連合軍」の武力行使で直接死亡した民間人、およびその武力行使から生じた別の勢力による武力行使(反占領武装組織の爆弾攻撃など)で死亡した民間人の数を、2003年3月の武力行使開始から現在までずっと継続してデータベースとして記録して、ネットで制限なく簡単に閲覧できる形で広く発表しているのは、IBCだけである。

しかし、IBCのやっていることは、厳密な意味での「死者数の統計」ではない。そのことは、IBCの人たちはしっかり自覚している。ただ大メディアが「IBCによるとこれまでの死者は最大で○○人」と書くことによって、情報に接する側が勝手に、この数値を「統計」だと思い込む、という現象はあると思う。特に英語圏で英語メディアしか情報源に接していない場合、イラクに限らず一般的に、自分たちのメディアが報じる以上のことが世界にはあるのだということが実感できてないというケースもあろう。しかも米大統領ら政権トップが口にする数値は、IBCの数値よりもずっと少ない。

IBCの「統計(ではない)」の数値は、英語で書かれた記事に依拠している。IBC自身が「活動の目的」として「報道されているイラクの民間人死者数の公開データベース(public database of media-reported civilian deaths in Iraq)を作ること」と述べている通りだ。つまり、マスコミが日々報道するだけでは流れてしまうので、その記録を取っておこう、というのがIBCの活動の根幹である。(なお、2003年時点ではイラク政府の役所もボディ・カウントをしていなかったことは注記しておく必要があるだろう。)

この点は極めて重要な意味を持つので、IBCのサイトから具体的な記述を引用しておこう。
http://www.iraqbodycount.org/background.php
For a source to be considered acceptable to this project it must comply with the following standards: (1) site updated at least daily; (2) all stories separately archived on the site, with a unique url (see Note 1 below); (3) source widely cited or referenced by other sources; (4) English Language site; (5) fully public (preferably free) web-access.

【概要】
次の基準を満たしている情報源が、IBCのプロジェクトに適合すると見なされる。
1)少なくとも1日に1度更新されるサイトであること
2)すべての記事に固有のURLがついていて、別にアーカイヴされていること
3)他の情報源によって広く引用または参照されている情報源であること
4)英語で書かれたサイトであること
5)ネットで誰でもアクセスできること(できれば無料が望ましい)


IBCの「データベース」の元となるものがいかに絞り込まれているか、これだけでもわかるだろう。例えば、ウェブサイトのない刷り物メディアは除外される。例えば、アラビア語だけで英語版のないメディアは除外される。例えば、1週間に1度更新される週刊紙/週刊誌系のウェブサイトは除外される(したがって理屈の上では、月~土曜日がthe Example Times, 日曜日がthe Sunday Example Timesと別の名前で別の編集部によって発行される新聞が、news.exampletimes.co.ukとnews.sunday-exampletimes.co.ukの2種類のドメインでそれぞれ別に構築されている場合、日曜版のほうは除外されることになる)。イラクの中でイラク人が個人的に書いているウェブログは、電力事情もあれば個人的な事情もあって、毎日更新されているものなどほとんどない。例えば、登録してIDとパスワードがないと閲覧できない会員制のニュースサイトは除外される。

つまり、IBCの数値は「報道されたものの記録」としては信頼できる[2]が、「死者数」としては「報道されているだけでこれだけある」ということでしかない。何らかの目安にはなるが、それ以上でもそれ以下でもない。「IBCが『最大で49760人』と言っているのだから、四捨五入して最大で50000人程度であろう」と考えるためには、IBCが依拠している「情報源」の範囲はあまりに狭すぎるのだ。

なお、IBCを厳しく批判する人たちのなかには「IBCの数値の元となる報道自体が偏っている」とか、あるいは「IBC自体が米国政府にべったりの姿勢である」とまで言う人もいるが、私にはそういった批判はそれほど建設的なものとは思えない。重要なのは、得られる数値がIBCのものしかないからといって、IBCの数値は絶対であると錯覚することは避けねばならない、ということだけである。

ただし実際にはメディアが、IBCの数値は米国政府の公式見解の数値よりずっと高いということに注目して、IBCの数値を「最も暗い数値」などと扱うこともある(例えばthe Times, October 12, 2006)。これが果てしなくミスリーディングだ。

繰り返しになるが、IBCは「英語メディアが報じた死亡事例」のまとめである。そしてそのIBCの数値は、米大統領らが口にした数値よりも大きい。ということは、米国政府の把握している数字は、英語メディアが報じた死亡事例の数よりも少ないということは言えるし、米国政府の把握が全然甘いということは当然指摘されてしかるべきだが、だからといってIBCが「正しい」ことにはならない。しかし、そもそも少なすぎる米国政府の公式見解を基準にしたときには、IBCのは「シビアな数字」に見えるし、IBCのバックグラウンドはわかりやすく示されているから、情報を与えられる側は、「間違っている米国政府、正しいIBC」的な単純な見方に陥りやすい。何度も書くが、IBCが集めている情報の範囲はごく限られたものなのだから、これは錯誤である。

■IBCからランセットへの批判
IBCは10月16日付けで、『ランセット』に発表されたロバーツ博士のレポートについて「あまりに現実離れしている」という批判(反論)を、プレスリリースとして出した。

Reality checks: some responses to the latest Lancet estimates
Hamit Dardagan, John Sloboda, and Josh Dougherty
http://www.iraqbodycount.net/press/pr14.php

批判の具体的な内容は次の5点である(大まかな内容):

1)この数値を平均すると、2006年の前半に、毎日1000人が暴力的に死亡していることになる。しかも事前に何らかの形で警告されているのはそのうちの1割以下ということになる。
http://www.iraqbodycount.net/press/pr14/1.php

2)この2年の間に80万以上のイラク人が爆発など紛争に関連する原因で負傷しているが、その1割以下しか病院で手当てを受けていないということになる。
http://www.iraqbodycount.net/press/pr14/2.php

3)イラクの成人男性の7パーセント以上がすでに暴力的に殺されていることになる。特にイラク中央部の紛争が最もひどいところでは1割を超えていることになる。
http://www.iraqbodycount.net/press/pr14/3.php

4)公的に記録されていない死亡証明書が50万通、家族らに発行されていることになる。
http://www.iraqbodycount.net/press/pr14/4.php

5)戦争開始の2003年や2004年よりも、昨年の方が、連合軍が殺したイラク人の数が多いということになる。
http://www.iraqbodycount.net/press/pr14/5.php

IBCによるこの批判は、「1から5までのことを前提とした場合、イラクでは病院も役所も正確な把握ができていないことになるし、2003年3月から4月のような大規模な攻撃が連合軍側によって行なわれているというのに、メディアがまったく報道していないということになる」と進み、最後に、「ランセットのレポートが示唆している状況はまったく現実離れしている。これは、元のデータが極端なものだったのではないかとしか考えられない」とし、「イラク侵略と占領が人道的にも戦略的にもまったくひどいものであると結論付けるためには、このレポートがいうような大きな数値は必要ではない」と結んでいる。

IBCのこの批判はかなり説得力があるもののように思える。しかしながら同時に、IBCの出す数値が「正しい」わけでもない(IBCが「わたしたちの数値こそが正しい」と言っているわけではないが)。上で述べたように、IBCは、元々の情報源があまりに頼りないからだ。(頼りないにしても、日々の数値は一応の目安にはなるし、IBCのデータベースは重要な存在ではあるのだが。)

前提としておかねばならないのは、IBCの数値は「プロパーなメディアの英語記事で報道されているだけでも、一般の人々の間に、これだけの数の死者が生じている」ということであるということだ。ここ数週間、日本で「文部科学省の統計では『いじめによる自殺』は0件」というのが大きなニュースになっているが、それと似たような話で、何らかの理由・事情でその数値に反映されていない事例が多くある、という目で見なければならない。(それが実際にどのくらい「多くある」のかを解明する役割が、『ランセット』レポートのようなものには期待されているのだが。)実際に、「報道」などされない死があることを私は知っている。イラクのブロガーが「○日前に親戚の(近所の/友人の)誰それが車を運転しているときに検問所で銃撃されて負傷し、しばらくして死んだ」と書いていても、それがBBCなど大手メディアの報道には出ていそうにない、ということも複数回あった。

ここでの大きな問題は、IBCの数値(2006年10月末で約50000)を見て「他の戦争よりも少ない」と考えたり(そもそも「戦争=大規模戦闘」は2003年5月に終結しているはずなのだが)、その上で何となく「米英軍の行為ではなく『テロリスト』の行為で殺されている人がその大半だ」と思ったりすることが何となく「正しい」態度であるかのように扱われていることだ。そして、それに対する反論は、「衝撃! 実は60万人も殺された!」といったセンセーショナリズムではなかろう。

当然『ランセット』の調査をまとめたチームもそれはわかっているだろう。つまり、彼らに対する批判のなかに時々ある「ランセットの編集長も調査チームも反ブッシュ政権の政治的な意図のもとに、自分たちに都合のよい数字になるように調査を行なっている」というのは妄想だ。

IBCが「約5万」と言い、人々がIBCの数値は低めだと思っているとして、「実はこんなにたくさんの死者が」として提示することによって「ブッシュ政権はイラクから手を引け」という世論の高まりを喚起するためには、どう考えても、「60万」という数字は大袈裟にすぎる。仮に意図的にでっちあげるとすれば、これほどに突拍子もない数字を持ち出すとは考えられない。

ということは、「654,965 (95% CIは392,979から942,636) 人が死亡」というこの数字は、本当に「調査の結果そう出た」という数字だと考えられる。

というわけで、次の記事では、ランセットのレポートについての報道記事と、ロバーツ博士のチームの方法に対する批判、それに対するロバーツ博士の回答を。



注:
[1]
Wikipediaによると、実際にはこのフランクス司令官の発言は、アフガニスタンでの軍事作戦についての議論の中で「(敵の戦闘員の死者数を発表すれば軍事的な成功につながるかもしれないが)敵の戦闘員の死者数は数えない」と述べたものである。(Wikipediaにソースなし。)
http://en.wikipedia.org/wiki/Iraq_Body_Count_project

[2]
IBCでは、別々の記事が1つのことを報じることによる重複をチェックしたり、1つのことについて複数の情報源で確認したりして、データベースとしてなるべく精度の高いものにしてから発表している。

また、IBCの発表する数値は、常に「最小(minimum)」と「最大(maximum)」が併記されている。つまり、メディアが報道している複数の件が別々の件なのか同じ件なのかを考えたときに、仮に「すべて同じ件である」とすれば「最小」に、「すべて別々の件である」とすれば「最大」になる。例えばA新聞が「バグダードのC地区で2人死亡、1人重態」と報じ、B新聞が「バグダードのC地区で3人死亡」と報じている場合、両新聞が報じているのが同じ件ならば確認できる死者数は「3」、別々の件ならば確認できる死者数は「5」である。この場合、「3」が「最小」に、「5」が「最大」になる。


投稿者:いけだ