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2006/03/01

サマラ爆破とその後:内戦の新局面?

 
「政策研究所」がサマラのモスク爆破とその後の展開について簡単にまとめた見解。

サマラ爆破とその後:内戦の新局面?
UFPJ論点#38
フィリス・ベニス&エリック・リーバー
2006年2月28日
ZNet 原文

サマラにあるシーア派の黄金のアスカリヤ・モスクを攻撃したのが誰であるかははっきりしていない。爆破後の2日間で200人以上のイラク人が殺され、イラクは昼夜外出禁止令のもとに置かれた。

分派暴力の芽が突如とした内戦の危険を示しているわけではない。むしろ、これからもそれが激化するならば、米軍の占領を(嫌々ながらであれ喜んでであれ)支持する者たちと占領に反対する者たちとの間で現在低強度で続いている内戦が、基本的にセクトの線に沿っていると見なされるような内戦に展開するかもしれないということである。

爆破とその後の暴力は、「民主主義」は言うまでもなく、米軍の軍事占領が「治安」もイラクの人々にもたらすことができないことを証明している。イラク人の対ゲリラ部隊を訓練して米軍と「連合」軍の代わりとするという米国が宣言した戦略は失敗である(また、巨大な土壁でサマラを囲むことで「治安」を強化しようと言う米国の試みが失敗であることは言うまでもない)。イラク戦争(とりわけイラク軍兵士の訓練)に620億のさらなる支出を認める最新の政府提案を米国議会が承認したことは、この徹底的に失敗した政策への黙従姿勢を示している。

イラクに占領米軍がいること自体が、すべての側にとっての重大な挑発であり続けており、さらなる暴力を引き起こし続けている。最近の世論調査では、全イラク人の82%が米国による占領の終演を望んでおり、全イラク人の47%が米軍兵士への攻撃を支持している。アスカリヤ聖廟への攻撃が引き起こした怒り----シーア派だけでなくスンニ派の間でも----の多くは、米軍の占領に向けられている。シーア派聖職者で民兵のリーダーでもあるムクタダ・アル=サドルは、アルジャジーラTVで、彼の追従者32名も議員をしているイラクの新議会に対し、「連合」軍のイラク撤退を求める決議を行うよう呼びかけている。

米軍の占領が押しつけた非民主的な政治プロセスは、(民族やセクトの緊張にもかかわらず)世俗主義と強い国家的同一性の長い歴史を保ってきたイラクのセクト的分断を悪化させた。イラク新政権を作る交渉は今や崩壊し、セクト的民兵を取り除いたり政府の統制下に置くことへの関心も崩壊した。

米軍士官たちもブッシュ政権も皆、この暴力激化がイラクの「内戦」につながることを否定したがっている。というのも、そうであれば、米軍兵士の駐留こそがそうした内戦を阻止してきたのだという言い訳もできなくなるからである。米軍の上級将校は、「内戦に火がついたというわけではない。有能なイラク政府が有能なイラク軍を使っているのを目にしている」と述べた。ブッシュ大統領は、これは内戦ではないと述べ、サマラ爆破の実行犯たちはイラクの「部内者ではなく」、イラクで「自由が広がることを阻止しようとする」外部の者たちであると述べた。英国のトニー・ブレアも同様に、これが内戦であることを否定し、「民主主義対過激派・テロリズム」の戦いであると述べた。米国議員ジョン・ムルサは----米軍兵士のイラクからの撤退を提唱している----は、これは[内戦であり、我々はそれに巻き込まれた」と言った。

アスカリヤ・モスクの爆破により分派の分断と暴力が大きくエスカレートし、一部のセクト的民兵が新たな力を得はしたが、セクトを超えて団結した大きな世俗的な対応も見られる。影響力の強い宗教指導者たちは落ち着くよう人々に呼びかけ、信者に、暴力に抗議する行動を起こすよう呼びかけた。たとえば、シーア派が多数を占めるバスラでは、スンニ派とシーア派が一緒になって抗議行動を行い、イラクの民族団結を守りセクト的暴力に反対し、米軍の占領を終わらせるよう呼びかけ、「アメリカにノー!」と唱えた。

これは新たな局面である。米国そして世界の反戦勢力は、イラクにおけるこの新たな暴力の激化を前に、占領を終わらせすべての兵士を今すぐ自国に戻すよう新たなエネルギーをつぎ込んで要求しなくてはならない。イラクの状況が悪化し、米国の侵略から3年目が近づいており、そしてとりわけ米国議会がイラク戦争への数百億ドル規模の追加支出法案を採択する議論をしている中で、地元、全国、国際的なレベルのすべてで、緊急に人々を動員し、状況を知らせ、アドボカシーを行う必要がある。最近の暴力の激化から、米軍兵士の段階的撤退がまもなく発表される可能性があるが、部分的撤退(それが大規模なものであれ)は十分でないことを明確にしなくてはならない。我々が何よりも求めるべきことは、占領の完全な終結であり、それには、米軍と「連合軍」兵士、外国の傭兵の完全撤退、そしてイラクにある米軍基地すべての閉鎖が含まれる。

IPSの2ページ概要「イラク撤退ストラテジー」および「戦争のコスト」も参照のこと。イラク戦争に関するこれらのIPS関係文書については、イラク索引ページを参照のこと。

フィリス・ペニスの新刊 Challenging Empire: How People, Governments, and the UN Defy U.S. Power は Interlink から発売されたばかりで、IPSあるいはInterlinkから入手できる。

「イラクで広がる自由」=米軍による人殺し・拷問・略奪の自由。外国企業による資源略奪の自由、でしょうか。

投稿者:益岡