アムネスティ・インターナショナル米国の声明
アムネスティ・インターナショナル米国の代表がラムズフェルドを含む米国政府関係者を調査し訴追すべきだと発表したことに対し、米国政府がアムネスティを批判。アムネスティのそれに対する声明です。
アムネスティ・インターナショナル米国代表
ウィリアム・F・シュルツ(博士)の声明
2005年6月1日
原文
(ニューヨーク発) 本日、アムネスティ・インターナショナル米国の代表ウィリアム・F・シュルツ博士は、ドナルド・ラムズフェルド米国国防長官に答え、次のような声明を発表した。
ドナルド・ラムズフェルドとブッシュ政権は、数年にわたり捕虜への虐待に関するアムネスティ・インターナショナルの報告を無視したり却下したりしてきた。また、米国の上級生府職員は、告訴や裁判なしで拘留されている男たちが直面する苦しみを無視し続けている。アムネスティ・インターナショナルがラムズフェルド国防長官に対し捕虜の扱いをめぐる憂慮を最初に表明したのは2002年1月で、それ以来、アフガニスタンやグアンタナモ、イラクから虐待の情報が多数入ってくる中、最も上級レベルで憂慮を表明し続けた。これに対する対応として、アムネスティ・インターナショナルの人権調査団が米国の収容所を訪問することが禁止された。これはリビアやスーダンといった諸国の対応と対照的である。これら諸国の政府は、米国と違い、独立の人権監視の価値を受け入れているのだから。
20年前、アムネスティ・インターナショナルはサダム・フセインの人権侵害を批判していた。これは、ドナルド・ラムズフェルドがサダム・フセインを歓待していたのと同じときである。2003年、ラムズフェルドはどうやら、イラクで行われていた人権侵害に関して我々の情報の信頼性を認めたようであるが、今、我々がアメリカ合州国を批判したところ、彼はまた我々を信用しなくなったようである。
米国現政権は、意図的な政策として、グアンタナモ湾やバグラム空軍基地をはじめとする各地で告訴も裁判もなしに人々を拘留しておりそれらの収容所での捕虜に対する振舞いは国際的な基準を満たしていない。ドナルド・ラムズフェルドは、2002年12月、自ら、ストレス姿勢をとらせたり、長時間孤立させたり、衣服を剥奪したり、犬を使ったりといったグアンタナモ湾での不法な尋問方法を許容した2002年の覚え書きを承認した。彼の責任が問われなくてはならない。どれだけ上級かにかかわらず、拷問についてはあらゆる人々の責任が問われなくてはならないのだから。
いまだに完全な独立の調査は行われておらず、これら収容所での政府自身の報告書のいくつかは今も機密扱いで公開されていない。米国の現政権が透明性に献身しているなら、世界中でアメリカ合州国が運営している収容所のネットワークを、独立した人権団体の調査に公開すべきである。さらに言っておかなくては行けないが、米国の現政権はアムネスティがキューバを批判したときには熱心にそれを引用し、また、イラク戦争前、サダム・フセイン支配下でのイラクにおける人権侵害を我々が批判した部分は包括的に引用しているのである。
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ラムズフェルドの言葉(http://thinkprogress.org/index.php?p=979)
2003年3月27日、ラムズフェルドは次のように述べている:
我々は、それ[イラク]が抑圧的な政権であることを知っている・・・・・・アムネスティ・インターナショナルをはじめとする人権団体による、サダム・フセインがイラク市民をどう扱っているかに関する報告を読めば誰でもわかる・・・・・・
その翌日、ラムズフェルドは自分がアムネスティの報告を「注意深く読んだ」として次のように述べた:
アムネスティ・インターナショナルの報告を注意深く読めば、自国市民および隣国に化学兵器を使い、過酷な政権であるというサダム・フセインの記録----それはよく知られており、人権団体が記録しているものである----は驚くべきものではない。
さらに2003年4月1日、ラムズフェルドは再び次のように述べている:
様々な人権団体やアムネスティ・インターナショナルが、イラクの出来事について記述しているのを読むと、それが楽しいものではないことがわかる。
訳者による補足
今回、アムネスティ・インターナショナル米国が出した声明に対するブッシュの言葉(5月31日):
私はアムネスティ・インターナショナルの報告のことを知っているが、それは馬鹿げてる。合州国は世界中に自由を広めている国であり、[我々は、]捕虜に対する[ママ]苦情を一つ残らず調査した。どうやら[アムネスティ・インターナショナルは]自分たちの決定の一部を拘留されている者たち、アメリカを憎む者たち、ときには分解する[ママ]すなわち真実を述べない訓練を受けた者たちの言葉や主張に基づいているようだ。それゆえそれは馬鹿げた報告である。まったく馬鹿げてる。
5月30日CNNでのラリー・キングによる副大統領ディック・チェイニーへのインタビューにおけるディック・チェイニーの言葉:
アムネスティ・インターナショナルが、なぜかはわからないが合州国が人権侵害をしていると示唆することについて、私は正直、まったくそれを真面目には受け取らない。正直言って、私は侮辱を感じている。思うに、実際のところは、合州国は自由の大義を進めるために誰よりも多くのことをなし、20世紀から今までを通して独裁から人々を解放するためにどの国よりも多くをなしてきた。皆さんが[虐待の主張を]調べるならば、ほとんどすべての場合、結局、それが、収容されて今は解放され自国に戻って、自分たちがどういう扱いを受けたかについて嘘を広めている輩から出ていることがわかる。
1981年3月、米軍特殊部隊の学校から15人の対ゲリラ戦専門家がエルサルバドルに送り込まれ、「アトラカトル大隊」が創設されました。12月、エルサルバドルのエル・モソテ村で、アトラカトル大隊は、殺人と強姦、放火を含む大虐殺を行い、1000人以上の民間人を虐殺しました。この事件は、犠牲者の写真とともに米国でも報道されましたが、レーガン政権はただちにこの虐殺をデマと法事、マスコミもそれに追従。
このアトラカトル大隊は、その後も米軍特殊部隊から武器や訓練を受け、1989年11月、米軍特殊部隊からの訓練を受けた直後には、6人のイエズス会司祭とその料理人、料理人の娘を虐殺しました。
ラテン・アメリカの軍隊は、ケネディ政権の「進歩のための同盟」により、国内の「治安維持」という名の民間人虐殺部隊へと再編されました。米国が輸出した進歩と民主主義と自由の典型と言えるラテン・アメリカの軍隊について、エルサルバドルで働くカトリック司祭ダニエル・サンチアゴ師は次のように述べています:
エルサルバドルでは、「死の部隊」はただ人を殺すのではない。人々は切り刻まれ、頭は槍に刺されて目印のように置かれる。エルサルバドル特殊警察はただ男のはらわたをえぐり出すだけでなく、切り取ったペニスを口に突っ込む。治安部隊はただ女性を強姦するだけでなく、子宮を体から切り取って顔に被せる。ただ子どもを殺すだけでは足りないので、肉が骨からそげ落ちるまでバラ線にこすりつけ、それを親にむりやり見物させる。
投稿者:益岡