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2005/07/07

衝撃と畏怖:空爆、米国式

 
米軍による民間人施設の体系的爆撃をめぐって。

衝撃と畏怖:空爆、米国式
ウィリアム・ヴァン・ワグネン
2005年7月6日
Electronic Iraq 原文


2003年4月2日バグダードでの連合軍による爆撃の結果を示す NASA Landsat 7 イメージ

2003年の米軍侵略の前、ブッシュ政権は、イラク攻撃にあたり「衝撃と畏怖」の作戦を使うと宣言した。先月、個々バグダードにいてバグダード中を車で回ったことで、米国の侵略に先立つ空爆が引き起こした破壊の一部を見ることができた。私にとって奇妙に思えたのは、爆弾で破壊された政府運営のショッピング・モールである。故郷米国の巨大なウォルマートに似ていた。私は運転手にこれについて聞いた。彼は、2003年の侵略のときにアメリカ人が爆撃したのだと述べた。彼は、そこでは何でも見つけることができたという。食料も衣料品も何もかも。このショッピング・モール爆撃が事故だったかどうか気になって、私は、運転手に、ほかにも爆撃されたモールがあるかどうか聞いた。彼はただ笑って言った「たくさんある!」。彼はそのあとで、米軍が爆撃したバグダード周辺のショッピング・モールのいくつかを見せてくれた。全部で、私たちは政府運営のショッピング・モール3つと大きな市場2つが破壊されたのを見た。私たちは、バグダードのダウンタウンにあるラシード市場への爆撃はとても正確で、モスクを含む近隣の建物はどれ一つ傷ついていないことに気が付いた。私たちの運転手は、爆撃されたモールを他にも知っていたが、遠くにあるか、訪れるには危険すぎると彼が感じる地区にあった。

疑問が起きる。米国は、どうして市場やショッピング・モールをわざわざ爆撃したのだろうか? 戦争では、兵士はほかの兵士を殺し、武器はほかの武器を破壊するのではないだろうか? 民間人のインフラを標的とすることのロジックは、ブッシュ政権が「衝撃と畏怖」のイラク爆撃を抜き出してきた本の中に説明されている。米国防大学の軍事研究科が「衝撃と畏怖:迅速な覇権の達成」を1996年に書いて、米軍の「資源を」「敵の抵抗する意志を支配し、影響を与え、破壊する」ために使うという新たなドクトリンとされるものを宣言した。それが成功するためには、「敵軍とそれを支える軍事インフラの範囲を超えて、物理的で具体的な効果とともに心理的で目に見えない効果を達成しなくてはならない」。「衝撃と畏怖」を通して、「広島と長崎に投下された原爆が日本人に与えたのと同じインパクトを核を使わずに与える」結果をもたらすことが期待される。「この衝撃と畏怖は、核兵器や先端通常兵器の全面破壊を行うことを必須の要件とはしないが、そうすることができることに支えられる必要がある・・・・・・無条件服従が唯一の選択肢であるという誤解の余地のないメッセージを伝えるために。・・・・・・これには、通信手段、運輸、食料生産、水供給その他のインフラが含まれる」。行使される暴力は、「全方位」の「射程」を持たなくてはならず、「武器とそれを支える兵站には武力を」使う[1]。

言葉をかえると、「衝撃と畏怖」爆撃がイラクに使われる場合、イラク民間人の生存に必要なインフラを直接標的とし、また、攻撃力としての核兵器の行使という威嚇を使って、イラク政権の「意志を挫き」降服を強制するというのである。

政治的あるいは軍事的目的のために民間人を標的とするのは、テロリズムを構成する。アメリカは国家テロリズムを大規模に行使すべきであるという考えを批判するどころか、ブッシュ大統領は、戦争前にラムズレフド国防長官がこの考えを紹介したとき、熱狂的に歓迎したのだった[2]。侵略の数週間前、CBSイブニング・ニュースは、この新戦略を好意的に報じ、「衝撃と畏怖:迅速な覇権の達成」の主著者ハーラン・ウルマンにインタビューした。CBSはまた、計画についてブリーフィングを受けたあるペンタゴンの官僚の「バグダードには安全な場所はなくなるだろう・・・・・・この巨大な規模はこれまで目にしたことも考えられたこともない」という言葉を引用した[3]。

幸い、米国軍事戦略立案者たちは、1991年の湾岸戦争で米軍がイラクの発電所を主要な標的としたときのような規模ではイラクの文民インフラを爆撃しないと決めた[4]。興味深いのは、イラクの文民インフラを全面的に壊滅させないことは、米国が公式に採用している軍事ドクトリン(及びこれまでの振舞い)からの乖離であったようであることである。私の見解では、米国が今回イラクの発電所と水道処理施設を爆破しなかったのは、2003年に米国がイラクを直接染料しようと計画していたからであり、インフラが完全に破壊されていたら、米国はそれを修復するという問題に煩わされなくてはならなかったためである。1991年には、イラクを破壊して、サダムの「スンニ派の手下」[5]がサダムを転覆するまで待つというものだった。それゆえ、米国は、ただ責任を放棄し、サダムに恐ろしい戦争後の状況を扱わせたのである。もう一つの可能性は、サダム政権がとても早く崩壊したため、民間人に全面的な「衝撃と畏怖」作戦を適用することが不要になったことである。

多少の制約があったとはいえ、イラク爆撃の効果は極めて恐ろしい。ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生校の研究では、米軍主導の侵略占領で、主として米英の爆撃により、約10万人のイラク人が死んだと推定されている[6]。そのとき私はパレスチナにいたため、米軍の侵略はアルジャジーラを通してだけ見ていた。毎朝、ニュースは、死亡した女性と子ども、前夜の米軍の空襲の犠牲者の恐ろしい光景を放映していた。来る数年のうちにイランに対する戦争が我々を待ち受けているかも知れない中、米軍の戦略が民間人に与える影響を心に留めておくことは重要である。とりわけ、我々の政府が使う抑圧された人々の開放というレトリックが誠実なものだと考えるならば。民間人を狙うのはテロである。それは、動機が良いか悪いかとは関係ない。

注:

[1] Ullman, Harlan K. "Shock and Awe: Achieving Rapid Dominance." National Defense University, 1996. All quotes are from the prologue and introduction. I have not provided the page numbers because I am referencing an online version. I suggest reading the whole book to get an idea of the major concerns US military planners deal with. http://www.globalsecurity.org/military/library/report/1996/shock-n-awe_index.html

[2] Woodward, Bob. Plan of Attack, Simon and Schuster, 2004, p. 102.

[3] Iraq Faces Massive U.S. Missile Barrage, CBS News Online, January 24th, 2003. http://www.cbsnews.com/stories/2003/01/24/eveningnews/main537928.shtml

[4] Allied Air War Struck Broadly in Iraq; Officials Acknowledge Strategy Went Beyond Purely Military Targets, Washington Post, June 23, 1991.

[5] This was the strategy adopted by the CIA, according to leading Neo-con Richard Perle. An End to Evil: How to Win the War on Terror. David Frum, Richard Perle, 2003, Random House, New York, p. 16-17.

[6] Mortality Before and After the 2003 Invasion of Iraq: Cluster Sample Survey. The Lancet, Volume 364, Number 9445, 30 October 2004.


投稿者:益岡