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2006/08/02

拘留されていた子どもたちは釈放後も支援がない

 
イラクで、監獄に拘留されている/いた子どもたちについて。

拘留されていた子どもたちは釈放後も支援がない
2006年8月1日
IRIN
Electronic Iraq 原文

バグダード発、2006年7月31日(IRIN)。

14歳のオマールは、犯罪者ではない。けれども、警察官を見ただけで彼は恐ろしさに身がすくむ。

オマール少年は、先月、イラクの監獄から解放された。7カ月以上拘留されたあとのことだった。「私が逮捕されたのは、家の近くの路上で自動車爆弾が爆発し、それでアメリカ合衆国人が一人殺されたあと、その容疑者だとされたからです」とオマールは説明する。彼はたまたま爆発のとき近くにいて、攻撃の容疑者とされた大人のイラク人たちとともに逮捕されたのである。

オマールは、ゲリラを政治プロセスに参加させ、イラクでの殺傷沙汰を終わらせるという目的の民族和解計画のもとで、6月27日、イラクの監獄とアメリカ合衆国軍が運営する監獄から解放された被拘留者450人の一人だった。

オマールは誤認逮捕だったが、攻撃に参加したことで投獄された子どもたちや、貧困から犯罪を起こした子どもたちが何十人も投獄されていると、国内外のグループは報告しており、また、過去3年間のニュース報道でもそれは示されている。

オマールは、監獄で過ごした経験は恐ろしかったと語る。「私は毎日毎晩、家族のことを考えて泣いていました」。この経験によるトラウマは今も残っている。「もう一度刑務所に入るくらいなら、死んだ方がましです」。

逮捕の理由がなんであれ、イラクの子どもたちは、ときに、大人と同じ監獄に入れられる、と人権団体は述べる。そして監獄から解放されたあと、彼らが路上と犯罪に戻ることを防止するための心理的な支援をはじめとする支援はない。

「イラクの子どもの囚人たちは、社会に再統合するための補助がないため、最悪の犯罪生活への扉が開かれることになります」と、バグダードを拠点として子どもの支援活動を行う団体の報道担当サレー・ムハンマドは説明する。

政府の行動

国際人権法によると、拘留された子どもたちは、大人とは別の、子どものための場所に入れなくてはならず、特別な扱いを受けなくてはならず、できるだけ拘留は短期でなくてはならない。けれども、イラクでは、子どもたちは、2年以上にわたって大人と同じところに拘留されることもあると言う人々もいる。

「私は、2004年9月に、従兄弟とともに逮捕されました。14歳でした」と拘留されていた別の子ども、ムーサは言う。彼は、ゲリラに参加したとして告発されたが、昨年、解放された。囚人たちは電気ショックによる拷問を受け、犬に噛まれると彼は言う。「何度も何度も、同じ房の囚人が、兵士たちに強姦されて戻ってくるのを見ました」。

イラク政府は、子どもたちが長期にわたって拘留されているという主張を否定している。政府関係者は、たしかにテロリズムに関与した容疑で逮捕されている若者はいるが、尋問に必要な期間だけしか拘留していないと述べる。

「どれだけ多くの子どもたちがイラクの監獄に拘留されているのか確認するのは難しい。というのも、とても短い間しか拘留されていないからだ」と内務省の上級職員であるハッサン・オバイドは言う。彼は、全国すべてをあわせて、尋問のために拘留されている子どもたちは、一時に100人を超えないだろうと述べる。

「たしかに、子どもが重大犯罪を犯したり、ときには罪のない人々を殺すテロリズムに関与することがあります。けれども、そうした子どもたちは特別な監獄に入れられます」とオバイドは言う。

彼は、政府が昨月釈放した囚人の中に子どもは一人もいないと語った。「正義を求める被拘留者協会」(PAJ)や「戦争の犠牲となった罪のない子ども救援会」(RICVW)、紛争の犠牲となった罪のない人々のキャンペーン(CIVIC)は、別の見解を持っている。

「彼らは、この問題が国際的に知られるのを望まない。だから、カメラの前では大人を釈放し、カメラの届かないところで子どもを釈放した」と、RICVWのファルーク・サレーは説明する。

「私たちは、釈放された被拘留者の中に子どもが7人いるとの情報を得ました。5人がアンバル州から、二人は首都バグダードからです。けれども、そのうち3人にしか接触できていません」とサレーは続けた。

ニュース報道によると、アメリカ合衆国が運営する監獄には数千人が拘留されているが、そのうち子どもがどのくらいかについての公的な推定は存在しない。

イラクのアメリカ合衆国メディア・オフィスは、自分たちが把握している限りでは、アメリカ合衆国の監獄に子どもは拘留されていないと言う。子どもたちについては、尋問のために数時間、連れてくるだけだと。

PAJの報道担当カリッド・ラビアーは、PAJが、内務省筋と秘密の会合を行い、また釈放された被拘留者から聞き取りをして、この問題について調査したと語る。この調査によると、様々な理由で、200人近い子どもたちが、現在、イラクにある監獄に拘留されているという。彼は、毎週、少なくとも、子ども二人とその両親が、支援を求めてPAJのオフィスを訪れると言う。

「これは政治ゲームではありません。彼らは子どもたちで、子どもたちの権利は尊重されるべきでる」とラビアーは言う。「彼らは真実を隠そうとしていますが、本当のところ、子どもたちは監獄に入れられており、拘留されているときも、解放されたあとも、特別な支援が必要です」。

支援の不在

イラクには、拘留されていた子どもたちを社会に再統合するための支援を子どもに提供する専門の組織がない。

労働社会問題省のある官僚は、現在、予算がないために多くのプロジェクトが麻痺しており、その中には、犯罪を犯した子どもを対象とするプロジェクトも含まれると語る。

「そうした子どもたちが、麻薬や犯罪を求めて路上に戻らないようにするために、たくさんの支援が必要です」と、労働社会問題省の上級官僚----彼は匿名を希望した----は語った。「既存の部門で子どもたちを支援しようとしていますが、この問題に対処するためには特別なセンターが必要で、イラクにはそれがありません」。

バグダードの精神科医エマード・アブドゥル=ハッサン博士は、拘留されていた子どもたちに向けた支援をPAJに申し出た。彼は、そうした子どもの患者たちに、重大な心理的問題が見られ、攻撃性と残虐さが強くなっており、とりわけ復讐の願望が強く見られることに気づいた。

「彼らは、監獄で苦しんだことに対して復讐しようと考えて監獄を出ます」とアブドゥル=ハッサンは言う。「看守たちに強姦されたり、拷問を受けたり、殴られたりしたと述べる子どもたちもいます。けれども、今のところ、話すのを怖がっています・・・・・・また逮捕されることを恐れているのです」。

ユニセフによると、子どもの囚人は弁護士や家族との面会が保証されていなくてはならず、安全で健康的で、教育的で、十分な食料のもとに拘留しなくてはならず、心理的であるか身体的であるかを問わず、いかなる処罰も受けるべきではない。

ユニセフは、イラクとアメリカ合衆国が運営する監獄での子どもたちの運命についてさらなる情報を集めようとしているが、現在の治安状況および情報にアクセスできないことから、その活動は遅れている。

このニュースは国連人道ニュース・情報サービスIRINから届けられるが、必ずしも国連やその機関の見解を反映するものではない。IRINの文書はすべて無料で再ポスト・再プリントできる。使用条件については、IRINのコピーライト・ページを参照のこと。IRINは、国連人道問題調整局のプロジェクトである。

投稿者:益岡