ブッシュ大統領の演説について:CPTのコメント
イラクとヨルダンにいるクリスチャン平和構築チームがブッシュ米大統領の演説にコメントする。
ブッシュ大統領の演説について:CPTのコメント
2005年12月19日
クリスチャン平和構築チーム
Electronic Iraq 原文
イラクとヨルダンで活動を続けるクリスチャン平和構築チーム(CPT)のメンバーたちが、イラク戦争についてのブッシュ米大統領の演説に月曜日、コメントした。バグダードにあるチームのアパートに電話でつながったとき、マキシン・ナッシュは、イラクの一般の人々が依存しているさまざまなサービスに戦争が与えた影響について語った:「ブッシュ大統領の演説を見ようとしたのだけど、見れなかった----電力が来てなかったから」と彼女は述べた。
基本的な市民生活のためのインフラを復興できず、米軍の収容所に何千人ものイラク人を拘束し、何万人もの民間人死者と負傷者を生み出した、米国と連合軍によるこの戦争について、CPTは、イラクに平和をもたらすことも民主主義をもたらすこともできなかったと判断している。けれども、ブッシュ大統領は、演説の中で、自らテロリズムと呼ぶものを打倒し、民主主義に道を開く方法は「攻撃」を続けることだと言い張った。
これに対し、イラクの専従チームメンバーであるペギー・ギッシュ(63歳)は、アンマンで、次のように語った。「戦争の痛みに苦しんだイラク人の話を3年間聞いてきた経験から、米軍とイラク軍が「攻撃」を続けるというのは、大量逮捕や家宅侵入捜査、民間人の爆撃が続き、不法拘留と拷問と虐待が続くことを意味する」。
シェイラ・プロヴェンチャー(33歳)は、3週間前にバグダードを去ってアンマンに来たばかりだが、次のように付け加えた。「ブッシュが引用した、生活はうまく行っているという10人のうち7人のイラク人というのがいったいどこにいるのだろうか? 彼が引用した世論調査というのは、最近目にした別の世論調査と同じようなものなのじゃないかと思う。その世論調査では、治安の心配からアンバル州全体を無視していた」。
「ブッシュ大統領が、自分の議論をほとんど全面的に、大統領自身が「いつでもできるならばアメリカを攻撃する」「世界的テロリスト運動」と呼んでいるものの枠組みに位置づけていたことに気づかされた」とプロヴェンチャーは続ける。「皮肉なことに、彼は、米国人を攻撃したいという欲求が「アルカーイダをイラクに引きつけた」ことを認めた」。
「けれども」と彼女はさらに続ける。「彼は、民族主義的なイラク人ゲリラが何千人もいて、自分の国に対する米国の占領を終わらせるために、自爆攻撃や民間人への攻撃を用いない武力を使おうとしていることには気づいていないようだ。民族主義的なゲリラの真の性質と不満の原因----つまり彼等は自国の自由のために闘っているということだ----に気づかないならば、ブッシュは、米軍の駐留それ自体が暴力を悪化させていることを決して理解しないだろう」。
CPTはイラクで3年以上活動してきた。米軍の侵略以降は、イラク人被拘留者とその家族の苦しみ、米軍とイラク軍の民間人地区に対する攻撃の影響、イラク人平和人権グループの発達に焦点を当ててきた。
さらに攻撃を行うかわりに----それは暴力と混乱を増大させるだけだ----、普通のイラク人とともにイラクに暮らすCPTは、米軍兵士全員を、都市部を皮切りに、即時撤退し、米軍の爆撃を停止し、基本的インフラを再建するためにイラク人に十分な資金を提供する意図があると発表すべきだと勧告している。
さらに、CPTは、米軍の収容所における不法拘留と拷問とを終わらせ、捕虜に対する公正で迅速な司法プロセスを適用すべきと呼びかけている。さらに、外交的手段を通して、イラク政府に圧力をかけ、イラクの収容所に拘留されている捕虜にも同様の対策をとるべきであるとしている。
クリスチャン平和構築チームは全教会が参加する暴力削減プログラムで、歴史的な平和教会を起源とする。訓練を受けたチームのワーカが世界中の紛争地域に住んでいる。CPTは2002年10月以来イラクにいる。CPTについてのさらなる情報はhttp://www.cpt.orgを参照。CPTプロジェクトの写真はhttp://www.cpt.org/gallery。
投稿者:益岡